今日は、ケアがスタートしてからもう少しで2カ月になる、
けいこちゃんのご両親がファミリーを訪れました。
いさどんとの面談が始まるや否や、
開口一番、けいこちゃんのお母さんが
嬉しそうに話し出しました。
けいこちゃん母:
けいこから電話がかかってくると、
木の花さんでの生活が楽しいって、
明るい声で言うんですよね。
もうそれを聞いたら、主人と二人で泣いてしまって・・・。
楽しいっていうのを、
もう何年も聞いてなかったものですから。
いさどん:
一番いいことですね。
けいこちゃん:
実は、私と父親の性格が似ているから、
連れ添っている関係が良くないのかなって、
最近思い始めているんです。
いさどん:
どの人と関係が良くないというよりも、
どの人とも良い関係を持てる
つきあい方というものがあります。
自分でわかって気付くということ。
何かマニュアルがあるわけではないから、
時々、こういうことでいいのかな、
とふと気付いて、
そこを冷静に見つめ直すことが出来さえすればいい。
この関係はいつもこの関係というわけではなく、
その日の気分や出来事の内容によっていろいろあるから、
やはりその都度新鮮に観ていくということですね。
ただ、気持ちが出たままということではなくて、
起きたことをいつも客観的に観て、
どこから出てきたのか、
どういうふうに考えたらいいのかを
観ていければ大丈夫です。
けいこちゃん父:
自分も気をつけないと。
いさどん:
気をつけるといっても、
家族の中で気を使ってばかりだと不健康ですからね。
自分の思い通りに相手をしたいというのではなく、
本当にお互いが自立しながら、
気持ちよく、相手のことを想って、
客観的にアドバイスできればいいですよね。
ついつい身内の関係だと、
思うがあまりに相手をこうしたい、
こうなるべきだとなってしまいます。
親しい関係でも、ちょっと一線を置いて、
客観的にお互いを見つめ合える距離でいられるといいですね。
逆に、お互い冷たすぎて、
それぞれということで交流が全くないのも、
身内としてはおかしな話ですから。
けいこちゃんも、臆病にならずに、
その都度やっていくということで、
先に、「またこうなるんじゃないか、
ああなるんじゃないか」って考えるのは、
余分なこころだからね。
けいこちゃん父:
つい、自分も取り越し苦労してしまうんですよね。
こういっては悪いかもしれませんが、
今までも、「良くなったかな」と思うと、
今までだとすぐに元に戻ってしまうことがありまして。
だからこちらでお世話になっても、
実はまだ半信半疑なんです。
いさどん:
でもここまで、
彼女が安定している状態というのは、
今までにはなかったですよね。
けいこちゃん母:
はい。良くてひと月くらいでした。
いさどん:
話し方やものの捉え方がしっかりしていますからね。
そこは大丈夫です。
そこは、お互い信頼しないと。自分のことも信頼しないと。
けいこちゃんはここでは優等生ですから、
こちらとしては感謝、感謝ですよ。
けいこちゃん母:
私たちも、本当に感謝、感謝です。
今まで、本当にいろいろとありましたから。
いさどん:
来た時と今では、全く別人のようですよね。
縁あってここと出会わなければ、
今でも病気のままかもしれませんし、
本当に良い出会いでした。
なにはともあれ、非常に順調でしたね。
けいこちゃん:
順調に行きすぎて、怖い…。
何か起こるんじゃないかって思ってしまって。
いさどん:
自分にも他人にも、信頼を持たないとね。
それと、良いイメージを持つことが大切。
悪いように想えば悪いようにものは展開するし、
良いように想えば良いふうに展開します。
必ずこの世界は、そういった仕組みですから。
結局、自分が種を播いているのですから。
やはり、いいふうになるように自分を信じていかないと、
そういう道は開かれないですからね。
僕なんて、
「何でもいいんだいいんだ」と思ってますから、
病気になったら、
「これがきっかけで、
今までのことが良くなるんだ!」と考えます。
何でも順調、順調ということですね。
—
終始、和やかな雰囲気で面談が進んだのも、
ひとえに、けいこちゃんのうつ病が
完全に良くなったからでしょう。
あとは、自分の心の癖をコントロールするために、
もうしばらくここで滞在し、
来月には社会復帰して
自分の可能性を試してみたいと語ってくれました。
けいこちゃんの卒業までラストスパート。
ファミリー皆で応援しています。