ちよちゃんの心の報告・前編

3月2日から有機農業ヘルパーとして
滞在していたちよちゃんですが、
今は農業のお手伝いよりも
自分の心を立て直す方が大切だと気づき、
ケア滞在に切り替えることになりました。
心身共に健全になろうと
一生懸命取り組んでいるちよちゃんは、
ほぼ毎日のように大人会議で
自分の心の動きを報告してくれています。
今回のブログでは、
ちよちゃんの報告・前編を
皆さんとシェアしたいと思います。

3月5日
昨日、いさどんと面接をして
今日からケアをスタートすることになりました。
私は今まで適応障害と診断されたり、
躁鬱だと思っていたのですが、
いさどんから、「病気じゃなく、
心のボタンの掛け違いだから
薬を飲む必要はないよ」と言われ、
それならやめようと思い、
薬を預かってもらうことにしました。

いさどんから自分の心の癖を
見つめるようにアドバイスされたので、
早速今日きくらげの作業をしながら
自分の心を見つめてみました。
病気に逃げる癖、雑なところ、
わからないのにやる癖、
限界までやるのに心配症、
すぐ諦める、どうしたらいいのか迷う癖など、
いろいろ出てきました。

今までは筋道の通る生き方をしてこなかったから、
人間関係が上手くいっていなかったことにも気づきました。
これからは、小さなことでも
皆の意見を聞く耳を持っていきたいと思います。

いさどん:
今までこの人は
一生懸命やるのだけれど見当違いで、
エネルギーが報われないがために、
辛く生きてきました。
一生懸命はいいのだけれど、
見当違いだと元も子もないから、
もうちょっと生き方の精度を上げていきたいね、
自分を知るということが大切と
昨日の面接で伝えました。
早速真面目に取り組んでくれて、
一生懸命変わっていこうとする心は
とても良いと思います。

今まで一生懸命でも
的を得ていなかったということは、
自分に優しくなかったということです。
自分のためになる生き方をするということは、
人のためにもなるということです。
ケアをスタートしてたった一日ですが、
まずは順調だと思います。

3月6日
作業中、飽きてきたので
散歩しようかどうか一瞬考えましたが、
今ここで散歩に行ったら
今までと同じだと思って、
草取りを続けました。
続けていくと細かい草を
黙々と取ることが出来たので、
良く頑張ったと自分をほめることが出来たし、
達成感も湧きました。

畑作業を一緒にしていた皆さんに、
以前私が自己啓発プログラムを買ったことや、
元主人との出来事を話したら、
「ちよちゃん、愛されているね」と言ってもらいました。
自分以外の目線から
元主人のことについて考えられたし、
自分の心を話せたので心が楽になりました。
今までは、やってしまった自分を責めていたんですが、
それが笑いに変わっていったので進歩したなと思いました。

皆に色々と言ってもらって皆から愛されていると感じ、
今日も沢山幸せです。
「本気で変わろうという気持ちがあれば変われるよ」
というアドバイスに励まされ、
勇気が持てました。
ありがとうございます。

3月7日
作業中疲れてきた時に、
「休んだ方がいいですか?」といさどんに聞いたら、
「また楽な方へ行こうとしている。
現実をしっかり生きなさい」と言われたことで、
今に意識を向けて感謝して生きようと思いました。

畑作業をしながら、
「雑に扱う癖があるから
丁寧にやることを心がけるといいよ」と
以前いさどんに言われたことを思い出したら、
注意して物事を進めている自分に気づきました。
ものを慎重にしっかりと捉えることを
心がけていきたいです。

3月8日
本当は昨日報告しようと思っていたのですが、
今日報告することにして
良かったなと思っています。
というのも、昨日は
良い気づきがいっぱいあってありがとうとか、
幸せだなと思っていたから、
自分は上手くいっているんだと思っていました。

でも、今日ひろみちゃんから、
「前向きに考えることと
楽観的になることは違うよね。
だから、人の意見を聞く時は
しっかりと受け取らないとね」と言われました。
その時に、「昨日ではなく、
今日発表することになったのは
このことだったんだ!」と思いました。

午前中、ハウスのゴミ拾い作業をする前は、
細かい作業で大変だなと思っていました。
でもやってみると、
だんだんハウスが綺麗になってきて、
自分の乱れていた心もこうやって
少しずつ良くなっているんだと思うようになり、
楽しくなってきました。
作業しながら歌っているひろみちゃんの姿にも癒され、
明るく頑張ろうと思いました。

ここに来る前は一日中
寝ていることが多かったのですが、
今日の午後、疲れて2時から3時まで寝てしまった時に
「1時間も寝てしまった!」という意識に
変わっていることに気づきました。
気をつけたら変われるんだと思って、
皆さんのお手伝いを
もうちょっと増やしていこうと思いました。

いさどん:
かっこ悪いところを出して
良い話というのは一番いいですね。

3月15日
1週間自分の心を見つめていたら、
不安や恐怖、
受け入れられない自分、
壊れていく自分、
もやもやが晴れない自分、
そのままでいいのかなと思う自分など、
自分の嫌なところが沢山出てきました。
電話でお父さんとお母さんと妹の声を聞いたら、
家に帰りたくなって、
すごく行き詰ってしまいました。

でも今日、離婚した主人に
今の自分を見せたらどうだろう?と思いました。
「もう帰った方がいいんじゃないか」と
思っている自分では、
幸せになるために離婚したのに、
何のために離婚したのかわからないなと思って、
やっぱりしゃきっとしようと思いました。

いつもぎりぎりまで寝ていたいという気持ちから、
もうちょっと早く起きて何かしてみよう、
1時間早く起きて散歩してみよう
という気持ちに変わりました。
今日一日明るく過ごせるように、
と思って起きることが出来ました。

この1週間、
自分が落ち込んでいて辛かったのですが、
今日その壁を壊すことが出来たのだと思います。
今までは恐れや不安で
「出来ない」という壁をつくっていたのですが、
それを壊して何でもやってみようと
思えるようになりました。

いさどんに、「私はこれから
ミラクルを信じようと思います」と報告したら、
「そうか、やっとわかったね」とほめて下さいました。
「ミラクル、神秘、神様の秘密は毎日訪れる。
それを感じるか、感じないかで
人生は豊かになる」と教えて下さいました。
自分はこれからミラクルを起こしていくんだ、
ということを真っ直ぐ信じていこうと思います。

いさどん:
ミラクルというのは、
自分の概念、枠を超えたものに
出会った時に起きるものです。
自分の考えを手放し、
いただく心になっていると、
当たり前にミラクルが起きてきます。

自分の状態が見えてきても
落ち込まなくていい。
良い自分でありたいということに拘っていると、
自分の良くない部分が
見えてくると落ち込みますが、
見えてきてよかったと思うことも出来ます。
これから、自分の色々なところが見えてくるのだから、
その度に落ち込んでいては
立ち直るのに時間がかかります。
自分の中にあるものが見えてくるだけだから、
それをしっかりと見るところからスタートです。

3月16日
今日は土ふるいの作業をしている時に、
カトケンから「もっと力を抜いて
やるといいよ」と言われたので、
今日は力を抜くことを意識してみました。
今まで私はドロドロした環境にいて、
ドロドロしている自分をすごく汚く感じ、
とても人に見せたくない、
人前に出たくないと強く思っていました。

でも、「何でも正直に出すといいよ」と
一緒に作業をしていた人から言われたので、
これからはドロドロしている自分でも
大人会議で報告しようと思っています。

もう一つの気づきは
いつも自分のことばかり
考えていることが多いから、
他人のことも考えられるようになりたいと思いました。

いさどん:
ドロドロしている自分に気づき、
報告したり、それを取っていくということは
いいことだと思います。
自分のことばかりというのは、
損得で物を考えているということです。
自分の損得だけを考えるということは、
偏った見方になるし、
結局損ばかりということにもなります。
相手のことも考え、
相手と自分のバランスが取れて
徳になるということに気づくことが大切です。

3月17日
今日は苗の草取りや
苗の土入れをしている時に、
苗を折らないよう丁寧に
作業をするように言われました。
食事の後のお皿洗いもそうなんですけれど、
一つ一つの作業を丁寧にしていると、
自分の心がだんだん綺麗に
なっていくような感じがしたので、
これからもそうしていきたいです。

午前中は、他の人の話でも
自分のことを言われているような気がして
パニックになりかけていました。
「やっぱりまた来た」と思って
午後の作業は休んだ方がいいのかな
とも思ったんですけれど、
立っていられない状態ではないし、
自分は自分、他人は他人という
見方もしないといけないと考えました。
そうしたら、パニックにならずにすんだし、
午後の作業にも出れたので、
これからは体が反応したとしても、
そういうふうに考え
行動していこうと思いました。

いさどん:
良い話です。
そうやって自分の心の動きを
客観的に判断出来るようになると、
パニックを起こさず
自分をコントロール出来るし、
他人とのキャッチボールも
上手に出来るようになります。

みほちゃん:
ちよちゃんは一生懸命すぎるくらい
丁寧に除草作業をしていたので、
そんなことを考えていたなんて
全然知りませんでした。

いさどん:
自分の心を正直に出すことによって、
よりお互いをわかり合えます。
これはすごく大事なポイントです。
自分がわかっているから
他人もわかってくれているはずと思って、
自分の心を出さないと、
全く別のことを相手が思っている場合もあるし、
自分も相手が考えていないことを
勝手に思うこともあるので、
いつも正直に自分の心を出すことが大切です。

3月19日
今日は体の疲れがどっと出ていて、
ひろみちゃんに「作業に行きます」
と言ったものの、
正直寝ていたいと思っていました。
寝ていたいという自分の癖が
出てきているのかなということと、
辛いなと思いながら作業をしていて、
すっきりしない自分は
どうなんだろうと思いました。

先週も作業を出ずに
寝ていたいと思う時期があって、
今週も今そういう時期が
来ているんですけれど、
まこっちゃんから、「それを越えると
また変わっていけるステップになるのだから、
大事に過ごすといいよ。
今はきついかもしれないけれど、
乗り越えられたら自信を持てるよ」と言われ、
辛くてもやってみようという気になりました。

昨日から両親が来ているのですが、
今までは他の人には言えても、
両親には相談することが出来ませんでした。
でも、今日想っている気持ちを
素直に両親に言ってみようと思って、
「今日実は、体がしんどいから
作業やめたくなったんやけど」
と正直に言いました。そうしたら、
「今、みんなに想っていただいているんやで、
しっかりせんと。変わるって言ったら変わるんや」
と言ってくれて、
両親ともしっかりと話すことが出来ました。
自分がまた変われたなと思ったので、
明日からも頑張ろうと思います。

いさどん:
コメントが正直で良いですね。
自分の問題点も出しながら、
その問題点に潰れることなく、
そこを克服しようというのは、
力強い考え方になってきています。
誰でも自分の好きなこと以外は
やりたくないと思うものですが、
その時に自分を押して
やっていくというのが逞しさです。
そこを出来ないとしてしまうひ弱な自分でなく、
逞しい健康的な自分を
自分の意志で選んでいるちよちゃんは、
順調にケア期間を過ごしていると思います。

2週間ぶりにちよちゃんに会ったご両親も、
ちよちゃんが明るくなって変わってきたと
喜んでいらっしゃいました。