「みんなね、ここを訪れる人には、別世界のプレゼントをあげたいと思う。別世界というのは、例えばディズニーランドのような人間が物理的につくった場所ではなく、ひとの心がつくる場所。そこで暮らすひとが、その心を生き続けている場所。ここに来る人は、ここで夢のような時間を過ごして帰っていく。夢の余韻にひたりながら、ここを懐かしく思いながら、日常生活に戻っていく。
ただ、この場所が他と違うのは、ここはその人が戻りたいと思ったらいつでも戻れる場所であり、その人がそういう場をつくろうとしたらつくることもできる。人の心の中で、こういうことができるんだ、こういった暮らしが可能なんだ、と思い描いていたことが既にここでは実現していて、まさに現代の桃源郷である場。
我々のつとめは、その桃源郷の精度を上げていくことであり、それは設備の充実ということもあるかもしれないけれど、一番は心の精度を上げていくことであり、一人一人がそれを自覚し生きていくこと。
あの昔、富士山の頂上で、『その心、これからは日の本の国全体に説くがよい』と言われたことが、今になって、ああ、こういうことだったんだな、ということがわかってきた。日の本の国全体というのは、太陽が当たる地球のことだけどね。」