16歳のお誕生日に3人の旅立ち

3月19日の夜、
3ヶ月の生活体験を終了した
ひーちゃん&みーちゃんと、
2ヶ月の農業体験を終えたカトケンの
いってらっしゃいコンサートが開かれました。
その2日後の21日は
木の花ファミリー16回目の誕生日ということもあって、
感慨深いコンサートになりました。
今回のブログでは、
3人の旅立ちの言葉と
いさどんからの贈る言葉を紹介したいと思います。

ひーちゃん:
僕たちが暮らす石川県の「いちの谷村」は、
雪深く孤立した集落なので
僕とみーちゃんでは越冬できないだろうと思い、
冬の間ここで生活体験をすることにしました。
正直ここに来る前は、
寝て食べられるところがあればいい
としか思っていなくて、
木の花の精神性を最初から
求めて来たわけではありませんでした。

とは言っても、いちの谷村で
エコビレッジを始めるということで、
その勉強はしたい。
農業についても自分たちは素人なので学びたいと、
どちらかというと、心の面よりも
現実に生活するために必要なことや
今後自分がしたいことを学ぶために来ました。
まあ、軽い気持ちだったわけです。

ただ、そうは言っても、
11月の始めに初めて1泊させてもらった時に、
「なんか、ここいいな、また来たい」
と思ったのは確かです。

12月に来てみて、最初の1ヶ月は
皆さんとの生活に慣れるのに一生懸命で、
がむしゃらに何も考えずにやってきました。
そして、1ヶ月経った年明けくらいから、
ここの心磨きというものを
意識するようになりました。
自分の正直を全部出し、
全てを共有して一つの家族として
やっていくということが、
日々の暮らしの中で
僕の感覚としてわかってきました。

そうすると、素晴らしいところだなと思う反面、
今までの自分の在り方とのギャップに辛くなり、
1月の後半から2月の始めは、
「3ヶ月まであと何日かな?」と
指折り数えているようなところも正直ありました。

でもそういった時期が過ぎ、
淡々と日々の生活をしていく中で、
皆さんの愛や場の空気、場の力によって、
ここにいるのが当たり前で
自然という感覚になってきました。

今はいちの谷村に帰るんだ
という思いもありますが、
ここも僕とみーちゃんのホームという感覚です。
「いちの谷村に帰ります、いってきます」と言いながら、
「またすぐここに帰ってきます」という思いでいます。

ここでの3ヶ月というのは、
今までの人生の中で一番濃密な時間でした。
こんな素晴らしい体験が出来て、
本当にありがたいなと思います。
いちの谷村に行ってどうなるかわかりませんが、
やるだけやってみようという思いでいます。
皆さんも遊びに来て下さい。
どうもありがとうございました。

みーちゃん:
ひーちゃんが言っていたように、
私もここに来るまでは、
エコビレッジというものが
どんなものなのか全然わかりませんでした。
でも、ここに来てみて
皆さんと生活しているうちに、
自然と自分の中に
染みついてきたように感じています。

いちの谷村に帰ったら、
ここのように心のある
村づくりをしたいと思っています。
そのためには皆さんの助けが必要ですし、
私自身も心を磨いていきたいので、
厳しい眼で応援して下さい。

また、いつでも遊びに来たいので、
その時は「お帰り」と言って下さい!
いちの谷村にも皆さん帰ってきてもらったらいいです。
その時には、「お帰り」と言いますので、
これからもよろしくお願いします。
ありがとうございます。

カトケン:
僕がここに来た時には、
もう自分を変えないとどうしようもない
という状況でした。
すがるような思いでここに来ました。

今眼をつぶると、
色々な人の言葉が聞こえてくるような感じです。
その時の自分にとって旬な言葉が
常に自分に吸収されているようで、
みんなの愛が伝わってきているな
という実感がありました。

ここに来るまでは、
「この社会は何かおかしいな、
何か変だな、何か足りないな」
ってずっと思っていました。
自分の中では心や愛が大切だと
ずっと思い続けていました。
ここに来てそれが嘘ではなかった
ということがわかったので、
すごく良かったです。
本当にありがとうございました。

いさどん:
僕も今カトケンが言ったように、
「この世の中は何か変だ、
今の人の在り様は変だ」
というふうに思っていました。
この世界には色々な生き物がいますが、
人間というのはそういった中で
最も性の悪いものではないか
と僕は思っていました。

自分たちが何かを得ようとする結果、
まわりのものや大切な家族、
自分すら壊してしまう。
自分の領分というものをわきまえず、
わがままや傲慢というものの
極みだろうと思っていました。

ところが、心を勉強していきますと、
問題事はそんなに悪いことではない
と思うようになりました。
病気でも何でも問題事をもらうと、
そこから勉強することが出来ます。
自分の中にその原因の種があることに気づき、
反省し、それを改めることが出来ます。

人間以外のものはそういうことが出来ません。
そういう意味では人間は尊いものです。
そうやって反省し改め、
学んで成長していくのが人間の特徴です。
学んで成長していくために
欲の心も与えられているんだと思うと、
人間であることは悪いことではありません。

僕はもう30年近く、
世の中の人たちの相談を受けてきました。
成功している人、
やることが何でも上手くいく人はいいのですが、
生きていると、
なかなかそうばかりはいかないものです。
何をやっても行き詰まっていく人、
不器用で自分のやっていることが
自分の禍になっていく人たちに、
なぜそうなっていくのか
ということを伝えてきました。

その結果、成功してきた人たちだけが
良い人生を生きているわけではない
ということに気づきました。
成功してきた人たちは、
今の自分の状態に問題点を感じないので
自分の心を改めるということをしません。
そして、もっと成功したい、
もっと物が欲しい、沢山あったらいい
という心になります。

そうすると、自由で
好き勝手に生きているようですが、
実はお金や物に縛られ、
不自由で狭い世界に生きていることになるのです。

私たちがこういう生活を始めてから、
3月21日で16回目の誕生日を迎えます。
志を持ってここを始めた人たちは、
これから何が起こるのかわかりませんでしたが、
この生き方は世の中にとって大切なことだと信じ、
それに人生を賭け、ここまで歩んできました。

最近は、ここのことを学びに
色々な人たちが訪れます。
でも相変わらず、
ここを訪れるほとんどの人たちが、
自分の考えとここの生き方が合うかどうか、
ここを自分が認められるか認められないか
といった観点から
私たちを見ているように思います。

しかし私たちは、
自分がこの生き方を好きか嫌いか、
認められるか認められないかということよりも、
自分の心が受け入れにくいことでも
大切なことだという想いで歩んできました。
自分たちのためというよりも、
世の中のために大切だからということで、
こういった生き方をしてきたのです。

今のように世の中の仕組みが
色々と行き詰まってくると、
ここへ学びに来る人たちが多くなってきます。
特に、体や心の病気を持っている人たちが
学びに来るようになりました。

通常、いってらっしゃいコンサートは、
体や心の病気を克服し
社会に戻っていくケア卒業生のために
開かれるものです。
しかし今日のコンサートは、
心やこういった生き方を学ぶために
長期間滞在をしていた
3人の旅立ちを祝うコンサートです。
これは16年間で初めてのケースです。

ひーちゃんは、
どことなく心もとなく
半分ケアみたいだと思っていたのですが、
今日の話を聞いていたら、
物事を道理で掴み、
自分の道に落とせる人になってきました。
成長したと思いました。

みーちゃんは、
外観は女性だけれど、
心は男性っぽくて拘りがあり、
決めつけるところがあると思っていましたが、
最近は、相手の心をちゃんと見て
自分の心を引いたり押したり
調整が出来る人になってきました。
大変バランスが良い人に成長したと思いました。

カトケンは、
学校の先生になりたいという割には、
先生になるどころか、
その前に社会で通用するような
しっかりした考えを持っていない
と思っていましたが、
今の話を聞いていたら、
この人の中に大事というのが
しっかり落ちてきたと思いました。
その大事が落ちた人は、
人の見本になれると思います。

そうやって一人一人が、
自分の心の中におみやげを持って
ここを卒業していくことが出来ると思うと、
新しい時代が訪れたと思っています。
ここを旅立って社会で
それぞれの道を歩んでいく
ということでもあるのですが、
皆が兄弟であり家族であり、
どこへ行っても
自分の家があるような
社会をつくりたいと思っています。

一般の社会でそんなことを
考えている人は少ないのですが、
どこへ行っても自分の家が
あるような世界が出来たら、
皆が笑って暮らせます。
今のようにあくせくしなくても、
もっと少ないお金や物で
幸せに生きられるようになります。
そうしたら、国も健康になるだろうし、
地球も喜ぶだろうと思っています。

そういった心を学び
巣立っていくということは、
まさしく木の花のメンバーが
世の中に散っていくということだと思います。
こういったことを昔、
皆と話し合いました。

「私たちはここで皆と仲良く
生涯を暮らすばかりではないよね。
この心が大切ならば、
いつでも役割として
日本中そして世界中へでも広まって、
この心を伝えられる。
ここの家族から離れたとしても、
同じように新しい
素晴らしい家族が出来ていく。
それならば、
どこに行ったっていいんじゃないの?
地球が家なんだから。」

この心が世の中に旅立っていき、
その結果広がっていくという
スタートの年なのかなということをふと感じて、
今日は記念すべき日だと思いました。

一人一人が
自分にふさわしい花を咲かせ、
それがつながり、
世の中に沢山の花が咲き誇っていく。
これから木の花、梅や桜、桃が咲く季節になりますが、
私たちも皆で美しい“個の花”を咲かせていきましょう。
今日はありがとうございました。


3 thoughts on “16歳のお誕生日に3人の旅立ち”

  1. ひーちゃん、みーちゃん、かとけん
    卒業おめでとう!
    これから、外木の花(そとこのはな)になっていくんですね。
    どこへいっても自分の家があるような世の中は、
    本当にすてきです。

  2. ●どこへ行っても自分の家がある世
    ●少ないお金や物で暮らせる世

    衣食住 物理的な課題をどうするか。
    たとえ青写真でも、具体的に描けないか考えています。
    2020年時点で実現しているもの

    ●どこへ行っても自分の家がある世
    ・賃貸住宅(お金さえあれば何処でも)
    ・民泊(自宅を他人へ解放)
    ・シェアハウス(台所と居間の一時共用)
    ・宿泊施設(住む人もいる)
    ・子ども食堂(食卓の一時共用)
    上の4つは顧客獲得争い。
    宿泊と不動産業界が「市場を奪われる」として、個人間の繋がりで普及した民泊を法的に規制するに至る。

    ●少ないお金や物で暮らせる世
    ・家具付き賃貸
    ・カーシェアリング
    ・駐車場シェアリング
    ・キャンピングカー
    ・野宿、テント
    ・中古品マーケット、メルカリ

クララ へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です