昨夜の大人会議では、ちよこさんの件についていさどんから報告がありました。
今回のブログでは、それを皆さんともシェアしたいと思います。
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いさどん:
今朝はいよいよ、ちよこさんが決意したようで荷物をまとめていました。
朝、僕が起きてくるのを待っていたそうですが、
待ち切れず2階へ上がって洗面所にいたところでパジャマ姿の僕に出会いました。
ちよこさんは洗面所の前の板の間に座って、深々と頭を下げ、
「長い間、お世話になりました。ありがとうございました。今日で失礼します」と言いました。
僕は、「あなたの決意ですから、僕はそれに対してどうこう言えませんので、帰っても構いませんよ」と伝えました。
その後、いつものように堂々巡りの話があり、
「帰られるのはいいですが、どうしても確認しておきたいことがあります。
あなたが帰ることに対して娘さんはどういうふうに思っているのでしょうか」と聞きました。
ちよこさんは、「昨日電話した時には、『帰ってきたいのなら帰ってきてもいいよ』と言っています」と答えました。
それを確認しようと、彼女の携帯から娘さんに電話をかけてもらいました。
娘さんと話をしたら、ちよこさんが言っている症状は娘さんと暮らしていた時と全く同じでした。
「あなたは娘さんのところでもここへ来てからも、同じ人をやっていますね。
大変信頼出来ますし、頑なにそのネガティブな姿勢をやり抜くのは大したものです。
どこでも同じ姿勢で一貫性がある!」とほめました(笑)。
ただ、本当にほめられるのは、逆の方向に行く方がほめられることなんです、という話をした後に、
僕もこれ以上彼女にアドバイスをしても仕方がないから、彼女の意志に任せようと思ったんです。
娘さんは電話で、「お母さんが帰ってくるのはいい。
ただ、途中で何かがあるのが心配で、家へ直接帰ってきてもらいたい」と言っていました。
一番印象的だったのは、「もしお母さんを失ったら、その後私が生きていくのは地獄のようだ。
それがどれほど苦しいか」と言っていたことです。
「だから、決してそういうことがないようにお願いします」と僕に言いました。
電話を切ってから、「さあ、どうしようか」と僕は思っていました。
ちよこさんは、「いさどんを困らせて申し訳ない」と言っていました。
僕もこれ以上彼女を強制するわけにいかないし、
私たちのスタンスとしてやる気のない人を預かることは出来ない。
ここでケアをスタートした頃は、「誰でも治したい」という一心で、皆で一生懸命取り組んでいました。
しかし、「良くなりたい」という意志のない人や旬でない人も預かっていたので、
相手も辛かっただろうし、私たちも大変でした。
だからこそ、それからはやる気のある人だけ預かろうということになりました。
そして、本人が希望しない場合はすぐに手放してあげよう、
それがその人の意志を尊重することになると思ってやってきました。
しかし、今回ちよこさんの意志を尊重しても、
自分の中に何となく「それでいいんだろうか?」という想いもありました。
ちよこさんに、「久しぶりに神様に聞いてみたいんだけれど、いい?」と聞いたら、
「お願いします」と言われるので、神様に聞いてみることにしました。
「どうしたらいいでしょうか?」と。
そうしたら、最初は何も答えが出ません。
「答えが出ないということは、いつものように自分で考えろ、ということだ」と思っていたら、おもむろに出てきました。
「間違いを許すな。正しいことを正しいと伝えよ。そして、目には目を、歯には歯を。」
少しの間それを考えわかったのは、彼女は間違いを生きているということです。
この世界に正しいと間違いはないと僕は解釈し、
その人が自分で望む道を歩ませること、
そして自分で気づいて自分で這いあがってくることが大事だと思って今まで接してきました。
これは結構有効だったし、僕も楽でした。
しかしどこかで、言い訳を出来るように接していたということに気づいたのです。
つまり、この世界に正しい、間違いがないとしても、それは広い意味で捉えた時のことで、
今現在の間違いというのはあるんだということです。
人はなぜ苦しみを与えられているのか、なぜ喜びというものを求めているのかといったら、
その目的は学んで成長していくことであるし、正しい道を歩んでいくということです。
人が喜びの方へ歩むことが本来の道だとしたら、
自滅していくものをそれが自分の意志だからといって認めてしまったら、
間違っている道を勧めることになると思ったんです。
そこで、「どうしたらいいんだろう?」と思った時に、「怒れ。怒りをもって伝えよ」と言われたんです。
ただ、僕の中に怒りという感情が湧いてこなかったので、「これはきつく言おう」と思ってこう言いました。
「ちよこさん、今、神様から言葉をいただきました。
僕は、あなたに対してどうしたらいいのかと聞いたのですが、気づきをいただきました。
僕は自分が言い訳の出来る接し方をしていて、それでいいと思っていたのですが、
あなたのおかげでその間違いに気づかせてもらいました。
つまり、間違っているものにそれでいいと言ってはいけない。
間違っているものには間違っていると伝えることが正しい道で、
それをあなたらしくていいと言うのは言い訳だということを今教わりました。
だから、あなたに伝えます。
あなたは間違っている!
あなたが向かおうとしている方向は、あなたにとってもまわりのものにとっても、誰のためにもならない。
それは間違っている!
その間違いを歩むために神様はいらっしゃるのではないし、人は生まれてきているのではない。
間違いは正すためにあるのであって、間違いをそのままやり続けるためにあるのではない。
だから、あなたは間違っている!」ときつく言いました。
僕は繰り返し、「あなたは間違っている!そんなことは許さん!
僕はあなたのいいようにしなさいと言ったけれど、それは間違っていた。
だから、自分の間違いも正せた。
あなたがこの状態で娘さんのところへ行くのは間違っている!
だから、僕は許さん!帰さん!!」と言いました。
そうしたら、ちよこさんの様子が変わって何も言わなくなりました。
今までは、何かを言うと彼女の中から、「でもね」という言葉がすぐに出てきていましたが、
今日は黙ってしまい、静かに聞いていました。
僕がその時にわかったのは、
「ああ、これから『おやじの館』をやる。
自分で命を絶とうとしている人たちと接する。
その時にその人たちの強く深い苦しさと、
『お母さんにもしものことがあったら、私はどれほど苦しいでしょう』と言うちよこさんの娘さんのようなまわりの人たちに接していくのだろう。
それだけの決意を僕も持たないといけないし、
その時に、『いいよ、いいよ』と言っているような今までの姿勢ではいけない。
間違いは間違いとして、間違いを歩むものに怒りをもってでも表わしていかないといけない」と思いました。
ただ、今日は僕の中に怒りの感情があるわけではなく、大事なことを強く伝えました。
1時間半だったか、随分時間をかけてちよこさんとお話しました。
僕は、「あなたには今まで『考えて下さい』と言っていたのですが、あなたには考える必要がない。
間違った方へ行くな。正しい方へ行け。僕に任せなさい。
それを受けてもうちょっと内省しなさい」と言って、ちよこさんの部屋から出てきました。
それから僕は下へ降りていき、他のゲストとお話していたのですが、
ふと庭の方を見たら、なんと、ちよこさんはなかのんと一緒に菊芋の処理をしていました。
僕が、「怒りをもってでもこれを伝えないといけない」と思った時に感じたのは、
彼女は今まで自分のエネルギーが強く、人の言うことを聞いてこなかった。
誰も彼女を叱る人がいなかった。
彼女の心が暴走するのを止めてくれる人がいなかった。
彼女をふと見た時に、「彼女は叱られたいんだ」と感じました。
しかし、叱るというよりも、強い心で導く必要があると感じて、そうしました。
そしてその瞬間、「自分の命を絶とうと本当に行き詰まった人たちには、
その行動が間違いであるということを真剣に伝えることが最も有効なんだ」ということを知りました。
何となくこれからやろうとしていることが見えてきたと感じました。
非常に良い時間でした。
僕はちよこさんを通して、
自分がこれからやろうとしていることが甘かったかということを知り、
これからは真剣勝負だと思いました。
ただ、真剣勝負だからこそ、怒りということよりも、
正しいことを正しいと強く相手に伝えることが大切だと思っています。
「間違いは間違いだ」という強い心をこれから出していく必要があるのだと思い、
今日、自分が生まれ変わったような気がしました。
ようこ:
私もその場にいたのですが、本当にすごい場に居合わせたなと思っています。
木の花に来てから2年半になりますが、
その中で一番、もしかしたら人生の中でも一番心が動かされた瞬間でした。
いさどんを通して神様の想いの深さと、
それを受けたちよこさんの心の変化を目の当たりにした時に、
私にとっても生まれ変わったような節目の日となりました。
木の花のケアにとっても、第1ステージの誰でも受け入れた時代があり、
その後に第2ステージの旬の人を受け入れ、その人の意志を尊重する時代があって、
今日から第3ステージに入ったのだと思っています。
正しいは正しい、間違いは間違いということをしっかり、真剣に伝えていく時代。
本当に今日は節目の日でした。
いさどん:
話が終わってちよこさんの部屋を出た時にようこちゃんを見たら、
赤い眼をしていて眼がうるうるしていました。
このひとがこうなるのは珍しいことでした。
ようこ:
私は泣いていました。愛の深さに感動して。
あんなに自己主張をして止まらなかったちよこさんが黙ってずっと聞いていた姿を見て、
真剣さが特効薬なんだと本当に実感しました。
いさどん:
ちよこさんには突破口がなかった。
「今の状態を逃れられるなら、どうなってもいい。
地獄へ落ちてもいいから死にたい。
薬を飲んで廃人になった方がいい」と言っていましたから。
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翌朝、いさどんを見つけたちよこさん。
「いさどんを見ると話かけずにはいられないんです」といつものように話し始めましたが、
今までとはちょっと違う様子です。
いさどん:
今日は、にこにこ笑顔が出ているだけ良かったね。
ちよこさん:
自分が全部悪いと言われた、昨日の言葉が大きかったんです。
本当にショックでしたから。
いさどん:
僕もあなたに出会えて良かったと思っていますが、
ちよこさんにとっても良かったと思うんです。
ちよこさんの中で、取り組むという姿勢を保てていますから。
娘さんは本当に心配していましたよ。
「お母さんが自暴自棄になってもしものことがあったら、私はどんなに辛いんでしょう」と。
ちよこさんのブログを読んでコメントを下さる方も沢山いらっしゃるんですから、
良いふうに活かしていかないといけませんね。
ちよこさん:
ブログのコメントは何度も読んでいます。
特に霊のことで悩んでいる人のコメントは、そこばかり読んでいました。
いさどん:
そうやって、他の人からのコメントでちよこさんに学びや気づきの機会があるように、
あなたのブログを読んで他の人が勇気付けられることもあるんですよ。
人のためにもなれるんです。
しかし、それがダメだったという内容だけのブログだったら、
読んだ人は「やっぱり私と一緒でダメなんだ」ということになりますよね。
少しでもちよこさんの中に回復する兆しがあれば、人に力を与えることが出来るんです。
でも、ちよこさんは今、一生懸命頑張っている状態ですから、
それだけでも人に力を与えることが出来るんですよ。
ちよこさん:
はい、これからもよろしくお願いします。
いさどん:
道は一方通行しかないと考えて下さい。回復の道しかないんですから。
いさどん
ちよこさん
ようこちゃん
木の花ファミリーのみなさま
いつも素晴らしい“今”をシェアしていただいて、ありがとうございます。
本当に、相手のお役に立とうとした時に、
自分の意思に反してでも(たとえ怒りという感情を手段として使ってでも)、
相手をどこまでもサポートする、
そんな愛があるんだ・・・なんて大きな愛だろう、とかんじました。
どうもありがとうござました。
わっはっっはっは・・・。よかった、よかった。
目には目を・歯には歯を・いのちにはいのちを。
本当の勇気が本当の愛を伝えるのでしょうか。
ありがとうございました。
すごく素晴らしいブログをありがとうございます。
ちよこさんの様子は、娘のハイジと重なるので、参考になります。
最後の
「道は一方通行しかないと考えて下さい。回復の道しかないんですから。」
という言葉。私は読んだだけで、勇気がもらえた感じです。
ありがとうございます。