宇宙視点の働き方 〜 新しい時代を創る人たちへ

先日、台湾から3人の大学生がファミリーを訪れました。インターネットで偶然木の花ファミリーを見つけて農作業ヘルパーを募集していることを知り、かねてより憧れていた日本の生活を体験するチャンスだ!とやって来た彼らでしたが、一般的な日本の生活とはちょっと(だいぶ?)違ったファミリーの暮らしに、当初は戸惑うこともあったようです。が、ある日いさどんから「ここは日本どころか世界でもめったにできない体験ができる、貴重な場なんだよ」と言われた彼らは、心機一転!ファミリーの暮らしに興味を持ち始め、いさどんと面談をすることになりました。

* 面談は「地球暦」を読み解くことから始まりました。(木の花ファミリーでは、その人の生まれた日の太陽系の惑星の配置からその人の天命や個性を読み解くという独自の取り組みを行なっています。)
* ファミリーの親しい友人である台湾出身のカエイちゃんと、中国出身の朝鮮民族であるリンちゃんが通訳を務めました。

左から、アリス、ケビン、クリス
台湾からやって来た3人 ー 左からアリス、ケビン、クリス

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いさどん:
(3人の地球暦を眺めながら)これを読み解いていく時に、みなさんが占いのように興味本位で聞いているだけだとあまり意味がありません。もしも今、あなた達が何か問題を抱えているとしたら、それはあなたの人間性がそれにふさわしい現象を引き起こしているのですよ、と分析することはできます。あるいは、問題とは関係なしにその人の人間性をただ伝えるということもできますが、それでは単なる占いのような感想を持つだけで終わってしまうよね。これはもっと深く読み取れるものなんですよ。
3人は今、大学3年生だね。将来は何をしようと思ってるのかな?

アリス:
マーケティングの仕事をしたいと思ってます。

いさどん:
まだ就職先を決めてないけど、先にマーケティングの職につきたいと思ってるの?

アリス:
そうです。

クリス:
僕はコンピューター関係の会社への就職が決まっていて、そこでマーケティングをやりたいと思っています。

ケビン:
僕はまだ決まってないけれど、管理系の仕事をしたいと思っています。

いさどん:
大学でそういう関係の勉強をしてるの?

ケビン:
いいえ。そんなに具体的に考えてるわけじゃなくて、そういうのもいいなと思ってます。

いさどん:
どんな職業が向いてるか、ということは、この地球暦から読み取ることができるんだよ。たとえばクリスは、いろんなことに関心をもつタイプ。その個性をいい方向に使うと、いろんな発想が出る人ということになるんだけど、悪く出ると一つが完結してないのにすぐ次のものに移って、周りの人がついて来れないという事にもなる。
会社の中で会社のために働くよりも、自分の目的を達成することのほうが大事な人だね。いろいろ考えが回るんだけど、「自分のため」という部分がとても強い。

クリス:
そうかな・・・あまりそうは思わないですけど。

いさどん:
それは「そう思いたくない」ということだったり、自分はそういうつもりでなくても周りの人からはそう見える、ということです。
自分のことは自分では見えにくいものだよ。今後の人生を生きていく中で、あなたの姿勢への答えは周りからもらうことになるのだけど、その答えが、今ここに出ているんだよ。それは、これから人生を生きていくとわかってくると思います。自分は相手にとっていいと思ってやっていても、知らない間に相手は不満を持っていることもある。あなたの場合は直感的に自分のために行動するから、本当はじっくり考えて人の意見も取り入れながら行動することがとても大切なんだよ。
それと同時に、あなたの中には女性的な思いやりもあって、たとえば今の世の中は孤独な人が多いけれど、人と人をつなげてもっとやさしい世の中にしたい、というような、社会変革への思いも強くあるね。そのためにはあなた自身の心の成長がとても大切で、自分でもそうしたいと願っているのだけれど、なかなかそれが実行できない。そういうことがここに表れてるんです。

今、僕がこういった話をしているのはね、最初に言ったけど、みなさんから「今こういう問題を抱えています」という話があると、そこを切り口にできるので伝えやすいのね。だけど、今みなさんは、これからの未来を見ている。まだ21歳で、社会に本格的に足を踏み入れていないので、それぞれに問題ごとの種を持っていても、まだそれが現象となって目の前に現れていないことが多いんだよ。
たとえばね、僕のところにカップルが「私たちの未来をみてください」と言って相談に来るでしょう。二人は恋をしているものだから、相手の悪いところも良いように見えている。まだ未来を経験していない人が、今の感情で、「自分たちは絶対に良い関係だ」とか都合のいい未来を思い描いていることがあるんです。それはいくらそう思っていてもいいけれど、そのまま行くと、現実にはいろんなことが起きる。僕は人に聞かれるからその現実について忠実な話をするんだけど、その場合、ほとんどの人は受け取れないね。でもね、3年後とか5年後にもう一度来てくださいと言って、実際に来てみると、だいたいその通りになってるんだよ。
逆に、過去にさかのぼって話をすることもできるよ。今冷めている2人に、でも3年前はこうだったでしょ?と聞くと、たいていはその通りだと言う。そういうものなんです。

だけど、今はあなたたちの悩みを聞く時じゃないからね。僕はもっと違う話がしたいと思ってます。ここにはね、皆さんが知らない情報がたくさんあるんだよ。
ええと、あなたたちは英語と中国語が話せるのかな?

ケビン:
アリスとクリスは話せるけど、僕はあまり英語が得意じゃないです。

いさどん:
どちらにしても、日本に訪ねてきたけど、日本語はそんなに理解できないわけだよね。なのに今、こんなふうに中国語の通訳が2人もついてるなんて、恵まれてると思わない?

(3人とも頷く。)

いさどん:
これはとてもラッキーなことだよ。あなたはさっき、将来はマーケティングの仕事をしたいと言ってたよね。あなたはITで、あなたは管理の仕事。それはあなたたちが自分の枠の中で出会って、やりたいと思っていることだよね。だけど今回日本に来て、こんな中国語の通訳なんて求めていなかったのに、それが今現実にあるでしょう。これが人生なんだよ。

人生というのは、自分が考えたことが実現するのがいいことだと思っている人が多いけど、僕はそうは思わない。自分の考えが実現すると、人間はわがままになるんだよ。その人間のわがままで、今、地球の環境はおかしくなっている。他の生命にも負荷がかかって、人間自身も未来に暗いイメージを持っているよね。それなのに、人間は相変わらず自分の願望を叶えようとすることばかり考えているんだよ。
今みんなは「自分の将来がこんなふうになったらいいな」と考えているでしょ。それが叶うと、人は幸せになるのかもしれない。だけど、その内容によっては、たとえばあなたがマーケティングで業績を伸ばすと、対抗している会社は衰退していくよね。そしてそこで失業者が生まれたりする。そういった競争の中で、人間たちは今の社会を創ってるんだよ。だから、とても豊かな国や豊かな人々がいる半面、とても貧しい国や貧しい人々がいる。その時に、自分は豊かな側にいるからよかったと、それを幸せに思うかどうかということなんだよ。

自分はこの社会で成功して幸せだったと言って人生を終えたとするでしょ。でも実はその自分がやってきた行いが環境問題を引き起こしたり、逆に貧しくなっていく人々を生み出していた。社会では成功者と呼ばれて満足していたかもしれないけれど、この世界とさよならした時には、あちらの世界で真実を知ることになるんだよ。あなたの成功はこういう犠牲の上に成り立っていたんだよ、ということを教えられるんだよ。

では、本当に大切なことは何か。
日本には「働く」という漢字があるんだけど、この字は台湾にもある?

アリス:
ないと思います。

いさどん:
この漢字の人偏は「人」を表してる。それに「動く」が付いているよね。人が動く、ということは、つまり生きているということ。人が生きる、これを「働く」と言うんだよ。
あなたはこれから社会に出てマーケティングの仕事をするでしょ。その目的は、収入を得て生きていくためだよね。働くとは生きていくために必要な行為で、今あなたたちは、それをどのようにやろうかと考えてるわけです。
ところで、「人が動く」で「働く」という字になるのだけど、この字は日本語で「はたらく」と読みます。「はたらく」とは、「傍(はた)」を「楽(らく)」にする、ということ。傍とは自分以外の人のことを言うから、「働く」というのはつまり、他者を楽にするということなんだよ。
例えばね、虫が生きてるでしょ。生きてるってことは動くってこと。虫は葉っぱを食べる。そうすると、葉っぱによって虫は動けるし、葉っぱがあることによって虫は楽になるわけだよ。その虫は次に、鳥に食べられる。すると自分の命が他のものに移って、他の命が生きることになり、傍を楽にしていく。そうやってこの世界は全部つながっているんです。働くとは生きること。生きるとは命が動くこと。それが全部つながって、この世界は一つになっているんだよ。

自分が生きて動くことが、この世界にどのような影響を与えているか。たとえば、空気を汚さない、水も汚さない、大地も汚さない、他の命を犠牲にしない。自分が生きていることによって、他のものたちが歓迎してくれる。そういう生き方ができた時に、本当の意味で「働く」ということになるのです。
この世界はみんながつながって創り上げていて、その中の一つのポジションを担っているのが我々人間の本来の姿であり、本当は、傍を楽にすることが義務付けられているんだよ。けれども、今の世の中を見てみると、みんな対立してるでしょう。国と国、会社と会社、個人と個人が対立して、その中で自分が勝ち抜くことを幸せだと思う風潮がある。しかし実は、自分だけが良ければいいという世界を創れば創るほど、自分もその対象の中に入って窮屈な世界で生きることになるんだよ。

地球暦
地球暦

この地球暦というものはね、その人の生まれた時の太陽と9つの惑星の位置関係をNASAのデータから取り出したものです。こうやって図で見ると平面だけど、実際は太陽はらせんを描きながら銀河の周りを周ってるんだよ。そしてその太陽の周りを他の惑星たちが周りながらついて行っている。この図はそれを真正面から見たものです。そこから捉えた角度によって、それぞれの星がどう対話しているかを読み取っていきます。そこからその人の内面的人格や、社会的にどんな興味を持ってどんな生き方をするかが観えてくるんだよ。例えば、アスペルガーとかうつ病のような心の病気も、星と星の関係から読み取ることができるんだよ。
あなたたちは今、自分は自分であって他のものと関係ないと思ってるかもしれないけど、実はあなたが生まれた瞬間の星と星の関係で表現されていることが、自分の人生で表されているとしたならば、自分とは自分なのか、宇宙なのか。これはそれくらい深いものなんです。

普通、人は自分の未来を観ることはできないよね。だけど、この宇宙は人間が考えられる以上の仕組みによって成り立っていて、いろんなものの見方があるんだよ。この地球暦に出会うと、それまで知らなかった世界が広がっていく。そしてそれは地球暦に限ったことではなくて、いろんなものからこの世界を見て、自分自身を知ることができるんだよ。
それは、逆に言うと、人間はこの世界の仕組みを本当にまだわかっていないのね。それを理解するために人間は生きているとも言える。その方法はと言うと、人間が生きるってことは働くということであり、傍を楽にするということのはずなのに、人間たちは自分のことばかり優先して、傍を楽にしないわけ。だから今、お金や物がいっぱいあっても、なんだか困った社会になってるでしょ。そういうことも、宇宙が人間たちに教えてくれているってことでもあるんだよ。

あなたたちを見ていると、日本に来てこういった経験を積もうとしてるくらいだから、意欲的なのはわかるんだけど、大切なのはその意欲の内容なんだよ。今までの社会を動かしてきた人たちと同じように、自分が豊かになればいいと自己中心的に考えてると、人が動くってことが、傍を楽にする、つまり世の中をよくするってことにならない。これから社会に出ていくあなたたちには、ぜひ、傍を楽にする生き方をしてもらいたい、と思います。
多くの人は、お金をいっぱい貯めて物をたくさん所有することを豊かさだと思い、そういったことのできる人を優れた人だと思っているけれど、どんなにお金を集めても、いつか人生の終わりが来ます。その時に評価されるのは、どれだけ人のために生きたか、ということです。

話は変わるけどね。
僕らは今、一緒に1秒間に30㎞移動してるんだよ。何のことかわかる?地球の動きのことだよ。
地球は秒速30㎞で、1年かけて太陽の周りを1周する。これって当たり前のことでしょ?
今朝、朝が来たよね。夜が明けたのが朝4時だとしたら、そこから15時間経って夜になった。これは、この星が1秒間に400mの速さで自転してるから。
地球は秒速400mで自転しながら、太陽の周りを秒速30㎞で周ってる。でもその太陽も、秒速17㎞でらせんを描きながら銀河を周ってる。太陽が銀河を1周するのには、2億5千万年かかる。1周前は恐竜の時代だったんだよ。それって、事実でしょ?僕が創った話じゃなくて、天文学の観測データによって証明されてることだよね。
我々が生きてるということは、この宇宙の仕組みの中で生きているということ。銀河と太陽の関係があり、太陽と惑星の関係があり、地球と月の関係があり、さらに、虫が虫を食べ、それを鳥が食べ、それを動物が食べる、という地球の生命の連鎖があって、その中で我々は生きてるということ。それって当たり前の話じゃない?
でも、多くの人間は、日常にそんなことを考えてない。考えてるのは、自分がどんな想いを持っていて、どうそれを叶えたら幸せだろうかということ。これをエゴと言ったり、わがまま、独りよがりと言ってもいい。そればかり考えて生きてる。
人々が独りよがりで生きてきた結果、世界は豊かになったはずだよね。しかし、何かがプラスになった分だけ、人間関係や環境が悪くなるマイナス面がいっぱい出てるでしょう。人が生きるということの本当は、宇宙生命ネットワークの中の役割を確実に果たすということ。みんなで手をつないで、大きな輪を作るようなもの。ところがほとんどの人間は、隣と手をつなぐよりも自分のことばかり考えてる。それが、今の人間の実態なんだよ。

去年の12月21日に、冬至があったでしょう。これは地球の冬至であると同時に、太陽系の冬至でもあったんだよ。太陽系は銀河を周っているんだけど、銀河の中心に対して光の当たる量が最も少なくなる角度の時を冬至と言って、それは25600年ごとにやって来る。去年の12月21日は、その2つの冬至がぴったり重なったんだよ。
冬至というのは、光が一番少ない時。人間の世界で言うと、人間たちが本当のことがわからないで、欲張りになったり自分だけのことを考えて対立したりする、心の闇が広がっている世界。だけど冬至が終わると、今度はだんだん光が差してくる。今、地球全体がその変化の時にあるんだよ。これは誰かが作った話ではなく、観測的な事実。地球や太陽や銀河の動きが、我々地球上の人間が歩んでいる時代と連動しているんだよ。

もう一度、「働く」という話に戻りましょう。働くとは人が動くことであり、私たちが生きることです。それは、星や、太陽や、銀河が動くことと同じなんです。
人間には、エゴを主張して自分の願いを叶える能力が与えられています。そういうエゴやわがままを通していくと、人間関係が悪くなったり、問題ごとが起きるでしょう。人間がバラバラで生きてると、ゴミもたくさん出る。しかし、人がつながると、こちらで不要になったものがあちらで生かされ、不要なものが無くなります。すべてが生きる、生かされる。それが「働く」ということ。つまり、生きることの本当の姿なのです。それは宇宙も自然も、我々の体も同じ。働く作用によって健康を保っているんです。

今日、僕はこの場所でみなさんに、木の花ファミリーが何を目的にこの生活をしているかを伝えたかったんです。それはあなたたちにとっても、とても大切なことだから。みなさんが健全に働くことにより、他者を楽にして、世の中をよくする。それは自然生態系や、太陽と星、銀河と銀河の関係と同じ、調和の構造だということ。
銀河の冬至に象徴されるように、この世界はこれまで闇に向かってきたんだよ。それが地球に表現され、人々が対立し、物は豊かなのに豊かでない世界を創ってきた。それが、闇のピークを過ぎて、光が増していく時代になったんです。冬至が過ぎても、寒さはまだ続くでしょう。だから世の中にはまだまだ問題ごとは多く見られるけれど、時代が変わる時に来ているのは確かなんです。
あなたたちの世代は、光が差していく時代を創っていく世代。だからぜひ、「働く」ということで世の中のため、他者のために生きていくということを実行して、本当の意味で一人ひとりの価値を上げていってください。人がこの世界に生まれるのは入学、死ぬのは卒業のようなものだから、その卒業の時に、良い成績で、希望を持って次のステージに向かえるように。

僕はこういった考えを、日本の国会で総理大臣が演説する時代が来ると思うし、国連で語れる時代が来るといいと思っています。残念ながら多くの人間たちは、まだそういう大きな視点に立てずにいるけれど、みなさんの世代はそういった時代を創っていく世代です。新しい時代には、ぜひそのことを意識して働いてみてください。そうしたらきっといい人生になるし、あなたたちがいい人生を送ったら、それはいい世の中を創るもとになっていくのですから。

アリス:
とても感動しました。一番心に響いたのは、「働く」ことの意味。今までそんなふうに考えたこともなかった。普段働くことを考えるのは、自分のためや生活のため。それが宇宙の仕組みにつながるということを今日初めて知りました。木の花ファミリーがなぜこういう暮らしをしているのかも、だんだんわかってきました。今日聞いたことを大切にしていきたいです。この出会いに感謝します。

いさどん:
人と人の魂が近いと、こういった良い出会いも宇宙が用意するんだよ。

クリス:
このような場を用意してもらって、本当に感謝します。これからは、働くことと心の関係や、人と人とのつながりをもっと意識していこうと思います。今後の自分の人生の中で、もっと高い視点でものごとを見るということを一つの目標にしていきたいです。

ケビン:
ここに来てすごく大きな体験をして、本当にありがたいと思っています。初めは日本に来るのが目的だったけど、いつの間にかそれを忘れて、ここにいることが楽しくなっていました。台湾に帰ったら、ここでの経験を友だちに伝えたいし、みんなにも木の花を体験してもらいたいです。

いさどん:
この考え方はここだけにあるものではなく、この世界の法則なんだよ。そしてこれからは、どこでもそれが表現されていく時代になるんだよ。

今日はみなさんに、今までの人々の価値観にはない、大切な話をしました。ぜひ、心に留めていってください。

 

 


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