今年3月に30歳になったNちゃんは、「30歳になる直前になんだか心がざわざわしてきて、いてもたってもいられなくなって・・・」ということで、いさどんに相談に来ました。3年前に2カ月間ここでケア滞在をし、うつ病を克服したNちゃんですが、今後安定した心で生き生きと毎日を過ごせるように、今回子供2人と一緒に木の花ファミリーに長期滞在をすることを決めました。
そして、長期滞在が始まってから約1ヶ月が経ち、Nちゃんの夫のKくんがファミリーを訪れ、いさどんと話す場がもたれました。今回はその面談の模様をご紹介します。
* * * * * * * * * *
いさどん:
今回Nちゃんがここに来ている目的について、二人の中で共通の認識はありますか?
Kくん:
どうですかね・・・正直、人に説明する時にどう説明していいのかわからないのです。彼女自身がこれからの人生を生きていくことを見据えた上で、自分をもっと成長させたいというところから、今ここで生活している、と捉えているのですが。
いさどん:
Nちゃんはそのつもりでやっているのですよね?
Nちゃん:
はい。
いさどん:
それについては着々と進んでいますよ。
Kくん:
はい。ただ、僕がこの1ヶ月を過ごしてみて、理屈ではそれを理解しています。彼女がここに来る前に手紙をもらい、そういった内容も書いてあったので、それが必要なのだということは頭では理解しているのですが、実際心の面ではついていっていないのです。仕事は変わっていませんが、家に帰ってきても彼女も子供たちもいませんし、今仕事が結構忙しいということもあって、やらなければいけないことは沢山あるので常にこなしているという感じなのですが、こなしても仕事がどんどん増えている状態です。
そういった状況もあって、自分の中で消化しきれないところもある上に、今回のことがあって、家に帰ってさみしいとか、子供の顔も見られないという気持ちがあります。彼女にとって本当に必要なことだと頭では理解していますが、心がついていっていないので、彼女にどうしてもあたってしまいそうで、彼女がこちらに来てからずっと連絡を取っていませんでした。彼女から電話がかかってきても、わざと出なかったときもありましたし、「なぜこんな想いをしないといけないんだ」と思ってしまったこともあります。
それで、昨日こちらに来て、彼女から「これから外勤をしたい」と言われたときに、「なぜ急にそんなことを言い出すのだろう」と思ったのですが・・・
いさどん:
その話の中身は聞きましたか?
Kくん:
はい、聞きました。聞いたのですが、彼女が「外勤をしたいので車を使いたい」と言ったのです。僕は正直なところ、これ以上今の自分の環境を変えたくない気持ちがあって、休みの日にちょっとゴルフに行くことが今は息抜きになっているのです。でも、彼女が車を使うとなると、ゴルフに行けなくなるので嫌だと伝えたのですが、彼女から「ゴルフを手放せないから車を手放したくないの?」と言われて。彼女としてはそれを言っただけなのですが・・・
いさどん:
ゴルフというのは、車のゴルフじゃなくて、打つゴルフのことだよね(笑)?
Kくん:
そうです(笑)。
いさどん:
車の話が出て、ゴルフが出てきたら、車なのか、ゴルフなのかと思ってね(みんな:笑)。
Kくん:
後から冷静になって考えてみたら、彼女はそれを言っただけで、そこに何もないのかもしれないのですが・・・ここに来る前にお金の話になったときに、これはいくらであれはいくらで、と家計の話になって、彼女が「これだけ大変なんだから、あなたのおこづかいを減らせばいいね」と言ったことがありました。僕からすると、「あなたの都合でここにいるのに、なぜ僕のおこづかいを減らすことになるの?」という感覚があり、今回の車のことに対しても同じような気持ちがあります。
いさどん:
そのあたりがお互いの中でしっかりと落としあえていないということですね。
Kくん:
はい。理屈では、そういう意味では理解・・・もしかしたらこれは理解していると言えないかもしれないですが、表面的には、理論上で文を読んでいるような感じの理解の仕方はしているのですが、心で落とし込めていないので、純粋にそこを応援していこうと思えていないのです。
いさどん:
それはスタート地点ではどうでしたか?
Kくん:
スタートから複雑でした。
いさどん:
複雑というのは、二つの心があったということですか?
Kくん:
そうです。心から純粋に応援しようと思えていないというか・・・
いさどん:
僕はこの話を聞いて良いことだと感じています。それはなぜかというと、今までの状態でNちゃんが何年もいたとしたら、結局あなた方の家族は崩壊するかもしれないからです。
Kくん:
そうですね。
いさどん:
それを長いスタンスで見て、崩壊しないようにする為に長期的な対策を打たないといけないということで、その長期的な対策の中のある一点に今取りかかっているということです。これはある意味、難しい家庭の病気の治療のようなものです。それを健全にしていくための最初の取り組みが今回のことなのです。
それについて、僕は彼女を見ていて順調に進んでいると思っています。それで、順調に進んでいるNちゃんの取り組みと、あなたも同じ家庭を構成している一員としてそれを認識し、家庭を健全にしていく為に同じような気持ちで取り組まないと意味がありません。Nちゃん一人が改善されても、あなたとの関係が悪くなったら、何にもならないわけですから。僕は彼女から、今あなたが孤独な状態だと聞いていたので、「Kくんはもっと頻繁にこちらに来て、心の調整をここでしていくといいね」という提案をしたのです。
今回のことで一番健全になっているのは、子供たちですよ。
Kくん:
そうですね。
いさどん:
あなたが向こうにいて、仕事から帰ってきたときや休みのときに接していたときの子供たちの状態と、ここへ来て1ヶ月経った子供たちを見て、何か違いはありますか?
Kくん:
そうですね、今のほうが健全だと思います。
いさどん:
以前の家庭環境で子供を育てていたときや、ここに来たばかりのときでもそうでしたが、Nちゃんと子供たちはべったりとくっついて切り離せない状態でしたが、今は子供たちがとても自立していて、健全に育っています。
そういった環境をつくって子供たちに与え、子供を健全に育てていくのは親の務めなのです。しかし、実際にはNちゃんが直接育てていたかもしれませんが、あなたは父親としてその環境が提供できていなかったわけです。そういったことも含めて、現状はとても良い成果が現れています。
Nちゃん自身が仕事を始めるというのは、彼女自身が楽をしようということではなく、あなたに経済的に負担をかけていることが良くないので、負担を少しでも減らす為に外勤したいという提案を彼女から受けたのです。そのことに対して僕は何も言っていませんし、まだここに来てから1ヶ月しか経っていませんしね。
Nちゃん:
そこなんですけど、私もよくよく考えてみたら、そこには逃げもあったところがあって・・・
いさどん:
どこからどのように逃げるのですか?
Nちゃん:
キッチンスタッフの中にいることが・・・キッチンの仕事はすごく好きなのですが、ただメンバーに馴染めなくて・・・
いさどん:
それはメンバーに馴染めないのではなく、あなたが馴染まないのではないですか。
Nちゃん:
そうです、私が馴染まなくて・・・
いさどん:
言葉は正しく使わないとダメですよ。
Nちゃん:
自分が馴染もうとしなくて・・・
いさどん:
つまり、自分が馴染もうとしなくて、自分の癖が出て、そこに居づらくなったことに対して、そこから逃げの心で外に働きたいということですね。それで、外で働きたい理由がKくんに負担をかけない為ということにしたということですか?
Nちゃん:
はじめはそう思っていたんです。でも、よくよく考えてみると、私は毎日キッチンにいて、「早く働きに出たいから、早く探そう」と思い始めて・・・
いさどん:
そうしたら、目的はキッチンから逃げ出すことになりますね。
Nちゃん:
そうです。そこで、「なぜ早く働きに出たいと思うのだろう?」と考えたときに、キッチンから出たいという気持ちが出てきたので、昨日振り返っていました。
いさどん:
ところで、キッチンのどこから逃げたいのですか?
Nちゃん:
キッチンの・・・
いさどん:
キッチンスタッフのやじーのことですか?
Nちゃん:
やじーは大好きです(笑)!
いさどん:
でも、ついこの間まで、あなたはやじーのことが嫌だったんですよね。
Nちゃん:
嫌だったんですけど、いさどんに面談してもらって、私の心がおかしかったことがわかりました。
いさどん:
それで、やじーは良くなったということなら、他に何が嫌なのですか?
Nちゃん:
・・・・・・何が嫌なのか・・・
いさどん:
よくわからないのですか?
Nちゃん:
はい、気持ちだけ・・・
いさどん:
それは、自分の心の動きをしっかりと観ていないということです。
たとえば、気分が悪いとか不愉快だと感じたときに、その不愉快を発生させているのは何か、自分は何に反応しているのだろうと対象を観たとします。そうすると、その対象はどのような姿勢なのだろうか、そのことに対して自分はどのような感情を持っているのだろうか、と捉えたときに、自分を正さないといけない場合もあれば、相手を正さないといけない場合もあるのです。それを冷静に見つめて、相手に伝えるべきことは伝え、自分のことは自分で収めていく。それができないときには誰かのサポートを受けて、その判断を正しいところへ落として、不愉快の原因を解消していくことが大切なのです。
そこまで皆やらないかもしれませんが、Kくんがゴルフができなくなるというのも、ゴルフをやりたいのは何かストレスがあるから、ゴルフに行きたくなるのです。心の持ち方が健全であれば、エネルギーは綺麗に使えるし、無駄がないので、能力は沢山発揮できるようになります。
そのときに、Nちゃんは今何の目的でここで生活しているのかが明快でないといけないのです。それを今は練習しているわけですから、やじー以外のキッチンの何が問題なのかと一人一人他のメンバーを挙げていくと、のんちゃんが問題なのか、それともはるちゃんが問題なのか、というわけにはいかないわけです。Nちゃんは今、そういった自らの心の癖に取り組む為にここにいるのですよね。それから、そういったことをやれていないあなたが、子供たちと今までの生活で接していてあのような関係をつくっていたのですから、それは大変なことになっていたのですよ。それも含めてあなたをサポートできないKくんがいて、ああいった家庭ができていたわけですから、Nちゃんの心はなおさら改善されないということです。それを今、家族ごとまとめて修理中なのです。
そういった意味では、今KくんはNちゃんの話を聞いていてわかると思いますが、Nちゃんにはまだ未熟なところはあるとしても、こうやって自分のことを冷静に捉えられるようになってきています。これは過去にはなかったことです。それだけ進歩していたら、あなたはそれを喜ばしく思って、それでこそあなたたちが将来もう一度本来の生活をするときに、そういったベースのもとに子育てにしろ、家庭を築いていくべきだと考えるとしたら、良い方向に進んでいると思うのですが、それではダメですか(笑)?
Kくん:
ダメではないです(笑)。僕は長期的に見ていないというか・・・
いさどん:
そこが、今度はあなた自身の問題でもあるのです。
Kくん:
そうです。それは自分自身の問題です。
いさどん:
そのあなた自身の問題が、結局彼女と気持ちがわかりあえない、彼女の気持ちを理解できないことになって、「なぜ僕が普通に働いて、ちゃんと稼いできて、そして子供もいて家族があって、Nちゃんは一日を主婦として過ごすだけなのに、それができないのだろうか?」という気持ちがあなたの中にあると思います。では、何が問題なのかというと、そこの心の組み立て方が間違っていたら、どのような体制ができていたとしても、うまくいかないのです。だから、そのベースになる心の状態を今、組み立て直しているのですが、このようなことは精神科に行ってもなかなか治らないですよ。
Kくん:
そうですね。たぶん、彼女が以前ケア滞在でお世話になったときのような状況で生きていれば、自分はそんなことを想わないと思います。
いさどん:
彼女がもうちょっと重い状態でいたら、ということですね。
Kくん:
きっとそうだと思います。
いさどん:
ただ、以前の状態でももちろんそうかもしれませんが、彼女自身の状態が以前より良くなっているとしても、今度は子供との関係や他の問題が現れてくるので、全体の状況としては以前より軽いということではないと僕は観ています。それから、話がNちゃんのトラウマだけの問題ではないことにすでになっているものですから、問題としてはほっておけない状態だと思っていました。
しかし、Nちゃんのスタンスが変われば、今のように冷静に自分を見つめようとすることもできるのです。それが、家にいたら、自分を観て振り返ることはなかなかできません。ここのように軸がしっかりとしているところで生活していれば、彼女は自らの問題は自らの問題として捉えることができるようになるわけです。しかし、今彼女が家に帰ったとしても、Kくんがその軸になることは難しいのですから、逆にお互いにそういったものの捉え方を学びながら、力を合わせて話し合っていく場をつくっていくことが大切なのです。
一番簡単なのは、僕がそこに行って、お爺ちゃんとして暮らし出して、「これはこうだぞ、あれはああだぞ」と伝えれば問題ないのですが、そういうわけにはいかないでしょう(みんな:笑)?僕には僕の面白い生活がここにあるのですから(笑)。僕があなたたちのお爺さんとして、逆養子縁組・・・養子ではなく、養爺縁組をするとか、そういったことはどうですか(みんな:爆笑)。
Nちゃん:
大歓迎です(笑)!!
いさどん:
大歓迎はいいけれど(笑)。親が子供を養子縁組することはあっても、父親を養子縁組するようなことがあったら、面白い!「これは法律にありませんので、検討しますのでお待ちください。国のほうへも相談してみます」と言われたりして(笑)・・・やってみましょうか?
Nちゃん:
面白い!
いさどん:
そうやってご意見番がいたらいいんです。Kくんももう少し自分を磨かないといけませんよ。そのときに、あなたがさみしく感じるのもわかりますが、そうであるならば、Nちゃんが今ここに子供を連れて自らの心に取り組んでいて、子供たちもここで心磨きをしているわけですから、「僕も皆においていかれないように、ここへ来て自分も皆に歩調を合わせて学んでいこう」という心になるほうが、長い目で観たら大事だと思うのですが、どうですか?ストレスがたまるからとゴルフへ行っている場合ではない、と僕は思いますが。
Kくん:
そうですね。
いさどん:
だから、もっと頻繁にここに来たらいいですね、という提案をしたのです。ここに来さえすれば、僕がこのような話をして、あなたは「ああそうだ」と思い出すのですが、一人でいたらこのような話を思いつくこともないでしょう。
Kくん:
それは、自分でもそう思います。たぶん、このまま行ったらあまりにも皆と差ができすぎて、一緒に暮らせないだろう、と思っています。自分の程度の低さもすごく認識していて、ゴルフやおこづかいの話をするのも程度が低いと自分でも思うんです。
いさどん:
Nちゃんがそこまでなるかどうかは、彼女の意識の問題ですし、あなたももちろんそうですが、僕が考えているのは、これからの時代の人々はやはり地球規模でものを考えないといけないということです。あなたの家庭が今日一日何をするのか、それが日本中の家庭になって、世界中の家庭になって、それが未来の地球の環境をつくります。これから非常に厳しい時代が訪れますからね。そうすると、一軒一軒のひとりひとりがそれを考えないといけない時代がもう来ているのです。あなたたちはまだ若いので、30年後、40年後も生きていますよね。そのときに、どんなに大変な状況になっているかは、今データとして出ています。その為に、どのような精神で生きるべきなのかです。
僕はあと20年弱で旅立っていく契約になっているのですが、誰の魂も死ぬわけではありません。肉体があろうがなかろうが、地球に関わりながら生きていくのです。僕たちはその地球の未来のことを憂いて今このような生活をしているわけです。あなたたちは30年後、40年後、まだ地球上にいる可能性が高い。そのとき、あなたたちがお年寄りになっているとしても、あなたの子供たちはその厳しい環境の真っ只中にいて、あなたたちはどう家族を守っていくのかと考えると、そのときには家族単位の問題ではすまないことになっているのです。
今、そういった時代が来ているのですが、世の中の人たちはそういったことをあまりにも考えていません。そういった意味では、もっと広い視点で物事を考えたときに、「これが充実した人生なのだ」というこれからの時代にふさわしい生き方があると思うのです。僕はそれを押し付けるわけではありませんが、そういったことを出会った人に伝えながら、そういったことを考えて生きる人は立派な人だと捉えています。今、世の中の景気がどうのこうのと言っていますが、それは結局自らのエゴであったり、企業のエゴであったり、社会のエゴ、そして国家のエゴの結果なのです。それが地球環境を壊し、自分たちにも、それから自分たちの子孫にもたいへんな思いをさせるのですから、これからの人々はそういった広いスタンスでものを考えるべきだと思うのです。
・・・ついつい演説をしてしまった(みんな:笑)。
Kくんも、「そんなことを僕はなかなか考えられないし、難しい」と思ったとしても、仮にそうであるならば、そのような話を聞いて、それから自らの状態を観て、どちらが大切なのかと問われれば、それは一目瞭然だと思います。そうしたら、自分の考えがその程度ならば、もっと優れた考えに馴染んでいこうとするのが、より良い人生を生きる為の賢明な選択だと僕は思います。
Kくん:
わかります。
いさどん:
そこで、「わかるのだけど・・・」と言っているようなことでは女々しいだけのことで、そのうち子供から「お父さん、何をぐちゃぐちゃ言っているの?」と言われてしまいますよ。あの子たちは始めは抵抗しますが、すぐに大切なことを受け取ります。それより、親のNちゃんのほうが、キッチンがどうのこうのと言っていますが(Nちゃん:苦笑)、子供たちはスカッとしてここでの暮らしをエンジョイしていて、もう別人のように生活しています。かえって親のほうが面倒くさいものです。
僕は人の人生を僕の考えに巻き込もうとは思っていません。しかし、伝えないといけないことはある、と思っています。それは、全ての人間に、自らが何者で、そして自分がどう生きるかによってこの世界にどのような役割を果たしているのか、もしくは今の人間の在り方で進んでいったらこの世界にどのような影響を与えていくのかに気づいてもらいたいのです。それは、私があなたに何かをしてほしい、ということではないのです。それはひとりひとりがよく考えていくことなのです。
このように聞いていけば、大切な話だと思いませんか?僕は、Kくんが会社や取引先などでは出会えないような人です。僕は自分のことを歴史的な人物だと思っています。しかし、今の人々はそのことがわからないので、色々と言いますが、先を進みすぎているから人々には理解できないだけのことなのです。
この世界には人々がもっとイキイキとできる生き方があります。さらに、イキイキとした良い生き方が、良い死に方につながって、優れた魂として昇華し、次に役割として地球上に降りて、世の中に優れたものをもたらす道もあります。私たちの存在は生死を超えたものなのです。それが本当の生きる価値なのです。
そういった高い精神のもとに子育てをしたら、人にはその種があるのですから、そういったことを受けて優れた人として育っていきます。子供にもそれぞれに我がありますから抵抗するときはありますが、親が本当に大事を生きていたら、その大事の種が芽生えてくるのです。特に、ここで育った子供たちではなく、外で普通に育ってコンビニなどの食べ物に慣れている子供たちは、あの危険なものがおいしいものになってしまっています。しかし、子供だからこそ、そのことに対してどこかで違和感を感じていて、正しい食べ物と出会ったときにはすぐに正しいものに馴染めるようになっていくのです。逆に、そういったものばかり食べていると、育てにくく扱いにくい子供ができるようになっていきます。
どちらにしても、物事をそのように広く捉えないと、どんなに大切なことをやっていたとしても苦痛になることにもなるのです。Nちゃんは今、大切なことをしているのに、それをきちんとやっていないから、キッチンの作業が苦しくなるのですよ(みんな:笑)。
きちんとやっていないから、キッチンが苦しくなるのです!
Nちゃん:
もう2回目(笑)!
いさどん:
それで、キッチンできっちりやっていないから、外へ出ていって、チキンでも食べたいという心になるのです(笑)。
Nちゃん:
ハッハッハ!上手い(笑)!でも、本当に自分の心を流していました。
いさどん:
僕は毎回伝えていますが、あなたは強いくせに、結局自らをそうやって傷つけてダメにする要素があるのですから、そこは常に気を付けて振り返らないといけません。自分を傷つけて、さらに他人まで傷つけるのですから。
(Kくんに向かって)あなたはこんなふうに上手くNちゃんに伝えられないでしょう?
Kくん:
はい(苦笑)。
Nちゃん:
じゃあ、養爺にしないと(笑)!
いさどん:
養爺縁組という制度があるかどうか、市役所に行って聞いてごらん(笑)。戸籍係に行って、「養爺を迎えたいのですが」と言ったら、「判断ができませんので、裁判所に行ってください」と言われて、裁判所も「事例がありませんので、ちょっと国のほうに聞いてみます。最高裁まで行ってください」と言われるかもしれませんよ(笑)。
Nちゃん:
最高裁(笑)!
いさどん:
そこで、Kくんのもやもやを解消するには、どうしたらいいと思いますか?
Kくん:
どうしたらいいのでしょうね・・・どうしてもこの1ヶ月、ここに足が向かなくて・・・日帰りであればいつでも来られるのですが。
いさどん:
それで、どうしたらいいと思いますか?この間、Kくんが孤独を感じているという話を聞いたので、それはいけないから、一回Kくんを呼んで話をしようとNちゃんに言っていて、今回あなたがこちらに来たので、今話をしているのです。Nちゃんを修理する為の作業にとりかかっている延長として、あなたのことも考えているわけですが、心がほころびているからこちらに持ってきてほころびを直すということではないのです。あなたの自立した心の安定が大切なわけですから、まずは今あなたが心の中にあることを全て出したので、ではこれからどうしたらいいのかを話し合っているのです。
Kくん:
心の中にあるものは全て出しました。
いさどん:
出した結果、次へ向けてどうしたらいいと思いますか?
Kくん:
やるべきことは、もっと頻繁にこちらに通って、そういったことに触れていくことなのかなと思っています・・・
いさどん:
その後、「けど」と言いますか(笑)?
Kくん:
・・・
いさどん:
人間は、「けど」「でも」と言うから、僕は人間が嫌いなのです。人間以外のものは「けど」「でも」と言いません。
Kくん:
感情に振り回されていると思います。
いさどん:
あなたの人生なのですから、いかに曇りなく充実して生きるかという意味では、あなたはあなたで今考える必要があると思うのです。
Kくん:
そうですね。
いさどん:
本当は、僕が考えている方向に人が目覚めていけば、人間は地球に良い貢献ができるのです。それは僕の一番の大事業ですが、そこまでの意識を持たない人に僕は無理強いしませんし、まずは今の自分の人生を良くするところから順番に取り組んでいけばいいのです。そういった意味では、さきほどあなたが「僕はここに頻繁に通うべきですね」と言った後に、何が出てくるのですか?その後に「けど」「でも」が出てくるのか、それとも「そうします」ということなのか、どちらなのですか?
Kくん:
どうでしょうね・・・今はそう思っていますが、感情にコントロールされている気がします(苦笑)。
いさどん:
だから、自分の感情を自分でコントロールできる人と、自らの感情にコントロールされている人がいるのです。やはり、自らをコントロールする人でないと、賢明な人生は生きられません。未来の自分がどんな人であるのか、イメージできますか?
Kくん:
・・・あまりイメージできませんね。
いさどん:
それは、今を生きているということでもありますが、ただ時に流されているだけではダメですね。それは「人生を生きている」ということにはなりません。そして、「生かされている」わけでもないのです。ただ流されているということです。
そういう人も世の中にはいますが、僕は人生の価値を考えると、やはり人は「生きる」べきであり、生きるときにエゴで生きるのではなく、「時代とともに生きる」「時代の役割を果たしながら、大きな充実を得ながら生きていく」ことが大切だと思います。自らの中から湧き出てきた欲求を満たしながら生きていくと、欲求はどんどん膨らんでいきます。その膨らんだ欲求を満たすことが豊かさであり自由だと思って進んでいくと、今のような地球と人間の関係ができるわけです。今のような人間同士の関係ができるわけです。そして、今のような国家と国家の関係ができ、今のような人間と自然界の関係ができるのです。人間がそんなことをやり続けていったら、地球にとって癌ということになるのです。
・・・また、講演してしまった(笑)。
Nちゃん:
パチッパチッパチッ(大拍手)!
いさどん:
これは大切なことです。しかし、この後に「けど」「でも」と言う人がいるから、僕は人間が嫌いなのです。だから、朝起きたときに「また今日も生きないといけない。また分からず屋たちに伝えないといけない」と思うのです。僕のこの悩みがわかりますか?「仕方がない」と思いながら、人間たちに付き合って生きていますが。僕はこういった役割のもとに生まれてきたわけですからね。
そこでNちゃんには、「もっと意識の高い自分でありたい」心がどこかにありますよね?
Nちゃん:
あります。
いさどん:
「いさ爺のような生き方がしたい」と思っていますよね?そのわりにあなたは、自分の足を鎖につないで歩いているようなものです。本来、人間は食べていければいいのです。生きられればいいのです。しかし、貧しくてもいけません。貧しいと、蓄積しようとするのです。だから、心が貧しくてはいけないのです。
生きること、つまり食う・寝る・生きる、そういった生活に不安がない状態になったときに、人は「自分が何者であるのか」を知る旅に専念できるのです。それが優れた人間をつくる始まりになります。ですから、お金に追われていたり、ましてや自らの欲の心にコントロールされているようなことでは、優れた人生は生きられません。今の人間たちの姿勢は、まず地球が喜びませんし、なによりも自らの価値が高まりません。
Kくん、どうしたらあなたはご機嫌に生きていけますか?良く考えてみてください。
Kくん:
はい。
いさどん:
僕から出てきた話であっても、人間として生きることの大切さを考えたときには、あなたがそのことを大事だと思えば、それはあなたの考えになります。しかし、それをどうでもいいと思えば、ゴルフのほうが大事だということになるのです。Nちゃんもそうです。
あなたが本当に自らをバランスの良い人にして、生きていることが本当に社会の為になって誇れるあなたになったときに、子供たちがあなたを見て「そういうふうに生きたい」と思い、あなたの人生は豊かなものになるのです。そのためには自己コントロールが必要です。そこで物事に囚われて、「けど」「でも」と言っていては豊かになりません。しかし、それはそう思ったときに思えることであって、「やっぱり、でも・・・」と言っているようなら、僕は僕の考えを押し付けるつもりはありませんが、あなたの中には確実にそういった真理を求める心があるのです。
(ちょっと英語を話しているような口調で)ミナサン、ドウシマスカ?いずれ僕も外国に行くことになると思うので、今英語の勉強をしているのです。(英語風に)ソレデ、ドウシマスカ、ミナサン(みんな:笑)?コレカラハ言行一致デ、イキテイキマショウネ(みんな:苦笑)?大分英語が上手くなったでしょう?発音はバッチリですね(笑)!
Nちゃん:
私はここでしっかり自分を上げていきたいので、流さないで出しながら、そして皆に見てもらいながら、やっていきたいです。
いさどん:
今、あなたはすごく成果が出ていますよ。1ヶ月で子供たちも大変扱いやすくなりましたし、後はNちゃんとKくんをお互いに扱いやすくするだけですよ!
Nちゃん:
ハッハッハ!
Kくん:
そうですね(笑)。
いさどん:
残っているのは、親のほうなのです。
Kくん:
自分の問題だと思っています。彼女はここにいれば大丈夫だと思いますから。実際、「どうでもいいや」と思う自分もいて、ぐちゃぐちゃなんですよ。
いさどん:
それは自分というものを確立できていないということです。確立できていないのであれば、それをどうでもいいとほっておいたら腐りますよ。しかし、それをどう整理して、優れたものに使えるようにするのかといったら、そこは逃げないで取り組んでいくことです。自分でできなければ、「自分が何を目指しているのか」というもっと先の目標を見て、そこにどう進めばいいのかわからなければ、誰かに仕立ててもらっても、出来上がったときには自らの人格になるのです。それが、自らに囚われがあると、「僕流にやりたい」となって、かえってできないことにもなります。自分に道がない人のほうが、優れたものをパッと自分のほうに引き寄せられるのですから、そのほうがいいのです。だから、方法は何でもいいのです。「何が最終目標であり、何を得るか」をしっかりと見据えていけば、それでいいのです。終わりよければ全て良し、ですよ。
少し話が飛躍するかもしれませんが、Kくんは半導体製造の仕事が忙しいと言っていましたね。それは今の時代には重要な仕事かもしれませんが、それがどんどん浸透していくと、人間の能力を奪っていくことにもなるのです。そういった人工のものが世の中に浸透して便利になればなるほど、本来人間が持っていたコミュニケーション力を奪っていきます。しかし、だからといってそれを否定するのではなく、その優れた能力を人々がコントロールして使い切れる人になったときに、人間の高い能力やテクノロジーは人類や地球の健全化、そして個人の質を高めるためのものになるのです。ですから、テクノロジーに使われるのではなく、それを正しく使いこなせる人間にならないといけません。
そして、それと同じように、自らの心についても同じことが言えるのです。自らの心をしっかりと認識し、その特徴をつかんで、必要なときに必要なように使い分けられる人になったら、それはその人の個性として人生に活かすことができます。しかし、それをせずに、ただ湧き出てくる感情や欲のままに生きていたら、それは癖となって出てくることになって、害ばかり起きるのです。だから、自分を知ることが必要なのです。それで、自らを知って、魂磨きをすることで自己コントロールすることが、これから人間にとって最も大切なことになるのです。
・・・また、演説してしまった(笑)。
Nちゃん:
パチッパチッパチッ(拍手)!
いさどん:
先日、宝くじの話(詳しくは、いさどんブログ『覚悟しております』をお読みください)をしたでしょう?こういった気付きに目覚めることは、宝くじに当たるよりも貴重なことですよ。今世界にこのようなことを考えて、地球のことを想って生活している人々が一体どれだけいるのでしょうか。あなたは今そういった場に出会えました。ましてや、あなたのように自分がそういった生き方をしようとする人は本当に貴重な存在ですよ。出会えたこともそうですが、自分がそこに共鳴し、これからそういった生き方をすることは、本当にありがたいことなのです。それが「価値」というものだと思うのですが、いかがですか?
Nちゃん:
すごいところに出会ったと思っています。一度離れたのに、またここに来ることになったのも御縁をいただいたからだと思っています。
いさどん:
それだけあなたがこの道に縁が深いということです。血縁というのは、法律上切っても切れないものですし、DNA上の情報としても、切っても切れないものです。しかし、さらに広い意味で捉えると、私たちは人類という起源が同じものとして、切っても切れないものなのです。もっと広く言えば、私たちは生命として、大地から切っても切れないものなのです。これは水とも、太陽とも、風とも、空気とも、宇宙とも、切っても切れないものです。みんな同じものなのですから。
だいたい、人間が宇宙で言ったら点にもならないような小さな地球の中でこのように繁栄しているのに、自らそのことが全くわからないこと自体がおかしな話なのです。僕が話していることは当たり前の話ですが、それがわからない人間たちに伝えようと思って今回地球に降りてきたのです。
Nちゃん:
私もここに出会っていなかったら、全く知らないまま人生が終わっていたと思います。
いさどん:
しかし、それは事実なのです。Kくんは、昨日ここに来ましたね。それはこの場所にここがあるからです。しかし、あなたは昨日ここに来たつもりですが、昨日から24時間経った今、昨日のここと今日のこの場所は違うのですよ。すでに170万2080㎞も離れているのです。地球は秒速30㎞で移動しながら太陽と共にいるのですから。それが宇宙の事実です。今、目の前にいるこの場所で手をパチッと合わせると、音が出ましたが、この空間は今は地球上ですが、1時間12分すると宇宙空間に移動してしまうのです。そうやって宇宙は常に移動しているのです。
僕たちがこうやって話しているうちに、太陽がどんどん上に上がっていきますよね。そして、そのうち西へ降りていきます。あれは実際には降りていっているのではなく、地球がマッハ1.3でまわっているのです。こういったことも全て事実なのです。そして、私たちは二度と同じところへ行くことはありません。自分自身ですら、二度と同じ自分には出会えないのです。つまり、二度と同じ時間はなく、二度と同じ自分はいないということです。
そうしたら、自らも常に変わっていかないといけないのです。生命は変わり続けることに意味があるのですから。そして、進化するということは、古い自分をどんどん捨てて、新しい自分になるということです。古い自分に捉えれていることは執着していることであり、執着していたら新しい自分にはなれませんし、そこには進化も成長もありません。成長しないところに、希望は生まれないのです。成長しないから、古いものに執着するのです。そして、執着するから、成長しないのです。それを繰り返しているのです。生きるということは、進化・成長することによって、宇宙の構造を表現しているのです。そうやって、私たちも生きることで宇宙を創っているのです。
・・・また、いさどんワールドを話してしまった(笑)。
Nちゃん:
その話をこの間、面談でしてもらったので、やっぱり今もすでに未来というか・・・
いさどん:
瞬間に未来に行っているのです。ということは、未来は何なのかといったら、どんどん近づいてくるものでもあるし、過去はどんどん離れて行って、あるのは今の連続だけです。しかし、この今は止めることができないのですから、特定できないものです。そういった世界の中にいて、人生という旅を自由自在に楽しんでいくことが本当の姿なのです。
Nちゃん:
私は過去にかなり執着していました(笑)。
いさどん:
良い執着ならいいのですが、恨み・つらみの執着だと人生を楽しめませんね。
Nちゃん:
だから、今はすごく楽になりました。今でも執着が出ることはありますが、それは過去だと捉えられるようになったので、それだけでもすごく楽です!
いさどん:
そこをコントロールできるようになったということですね。あなたたちの家庭でこれまで生産されてきたものは、ここで生産されるものとはあまりにも違うものでした。そして、あなたたちの家が我が家かといったら、実は地球が私たちの共通の我が家なのです。ですから、ここを我が家だと思えば、いつでもあなたたちの家になるのです。さらに、僕は地球が家だとは思っていないのです。僕にとっては宇宙が我が家ですからね(笑)。今はこの小さな器に入ってわからず屋の人間に伝えるのが少し面倒くさくなってきましたが、僕の想念の中にはもっと広い世界はありますし、誰でももっと広い心になれるのです。
Kくん、少しは気持ちのガス抜きにはなりましたか?
Kくん:
そうですね(笑)、もう少しここに通うようにします。自分の心が安定してやれるのが一番ですからね。今はやっぱり自分が安定していなくて、振り回されているので辛いです。
いさどん:
これは何をやっているのか、どんな目標があってやっているのかという客観的なスタンスを持ったら、目の前のことに囚われる必要はないです。それがないと、目の前のことに振り回されて、不必要なことにエネルギーを使うようになります。
Kくん:
仕事でも、今は結構冷静に考えられなくて、仕事場で出すことはないのですが、自分の中で葛藤があります。
いさどん:
それは、そういったことばかりやっていると、そのうち自分が壊れたりしますよ。
Kくん:
壊れますね。
いさどん:
そうすると、場合によっては誰かのせいにしたくなるものですが、それは自分が未熟だからそうなるのです。
「人生は自分を知る旅である。」ですから、そうやって負荷をかけてもらって自らの実態を知りながら、自分で自分の修理をしていくのです。
Kくん:
ここ1ヶ月生活していて、この生活が過ぎると自分が壊れると思いました。
いさどん:
そう、でもありがたいことに、1ヶ月でこうやって自らを振り返って見つめ直し、スタートラインに立てたと思ったらよかったと思いませんか?
Kくん:
そう思います。今までは自分の中にそういった葛藤がなかったのです。わりと安定してやれてこられたと自分では思っていたのですが。
いさどん:
それは良いことですが、もし人生が成長する為にあるとしたら、あなたの場合は低空で安定していたことになります。低空で安定すると、人生の目的は必ず変化・変容・変態することになりますので、その低空安定には負荷がかかるようになっているのです。それは神様の意志であり、この宇宙の法則です。ですから、時が来たということですね。
本当は、この世界の法則に委ねて、自らを法則とともに生かすとしたら、人は本当の充実を得ることができます。そうすると、無駄なエネルギーを使わなくなって、地球も良くなります。ところが、人間がそのことをよくわかっていないので、どんどん地球環境に負荷をかけ、それが人間だけではなく全ての生命に、そして地球自身に影響を与えているのです。それは天に向かって唾を吐いた状態です。それが今の人間の成せる技です。
しかし、それをKくんが1ヶ月かけて少しストレスがたまり負荷がかかりましたが、学び、その意識を超えた新しい高い意識のあなたがいるとしたら、それは全てにとって良かったことなのです。ですから、今、地球がこのような状態でいることも、それを学んで次につなげれば、人類の本来の役割として地球に貢献していけるのですが、人間は学ばなければ単なる地球にとって癌細胞です。あなたの言う、病気になるのと同じことなのです。
これからKくんは、無理のないところでここに通ってきて、Nちゃんの取り組んでいる姿を見たり、子供たちの変わっていく姿を見たり、ここの人たちの生活を見て、自らをそこに沿わせていけば、また安定できると思いますよ。そして、今自分がやるべきことにつなげていくといいでしょう。
(Nちゃんに向かって)きっちんとキッチンで仕事してください。
Nちゃん:
はい(笑)。
いさどん:
一つの選択肢として、Nちゃんは外勤してもいいのですよ。それが逃げではなく、前向きに次のステージに行くということならば、それでもいいのです。しかし、とりあえずキッチンで変な空気を醸し出すようなもやもやしたものがあるのならば、とりあえずそれは解消してから次のステージへ行くほうがいいですね。気持ちが良いからキッチンで作業していてもいい、ということであれば、そこで続ければいいでしょう。そもそもお金というものは、健全なる精神のところに健全なるお金が湧いてくるものなのです。不健全な精神のもとにはその人間が勝ち取らないと、得られないようになっているのです。そして、不健全な精神のもとに無駄なお金を使って、お金はどんどんザルのように減っていくのです。それは貧乏神の仕組みですからね。ところが、健全に生きていくと自然に生きられるように与えられるのです。それが自然ということです。
Nちゃん:
キッチンできっちんとやってから、次へ行きます(笑)。
いさどん:
そうしてください。
Kくんは家にいるような感じでここで過ごして、また明日からのあなたのスタンスに立ってやってみてください。今というものに囚われない生き方がいいですね。流れのままに生きていったら、人にとってそれが本当の自由ですから。
Nちゃん:
最後にひとつ、質問があります。
いさどん:
どうぞ。
Nちゃん:
キッチンで作業をしていて思ったことは、私はかなりその場の雰囲気を壊していることを感じていて、それで「自分は悪魔だ」と思ってしまうのです。
いさどん:
そうやって、また自分を責めているのですね。悪魔というのは、魔法使いみたいなものですから、天使に変身できるんですよ。自らに囚われて、あくまでも悪魔でいたいなら(みんな:苦笑)、それはそれでいいですが、いつでも天使に変身できます。それは裏返しの心ですから、どちらの側を採用するのかというだけです。人間の中にジギルとハイドがあるように、どちらを採用するかだけなのです。
それをコントロールできなくて、場所をわきまえずに悪魔が出てくる状態でいると、統合失調症のようなことになります。自分の中にある精神がコントロールされず、統合されていない状態です。たとえば、不愉快な心が出てきたら、「それはこういう状態ですよ」と自らに言い聞かせてあげられることが、自己コントロールができて、人格が統合されている状態です。Nちゃんの場合、今の状態が進んでいくと、自らの中で心の分裂が起きて統合失調症になります。自らを攻撃する心が自分から切り離されて、語りかけてくるようになってくるのです。
自分が悪魔だと思えば、逆を行けばいいのです。それは両刃の剣で、僕はあなたが敏感で鋭いからこそ、大事なところで使いものにしたいと思っています。僕はNちゃんという包丁をどうやって使っていこうかと考えていますが、あなたにはその自覚がなく、自分で自分を下手に使おうとするのです。ですから、そういうものは「いさどん、使ってください」と(笑)、使い切る人に使ってもらえばいいのです。そして、僕を養爺にすればいいのです(みんな:笑)。
Kくんでは使い切れないでしょう(笑)?
Kくん:
逆に切られます(笑)。
いさどん:
それこそ使おうと思ったら、返り討ちにあってしまうでしょう(みんな:笑)。僕にはそれができますから、良い所に出会いましたね。
Nちゃん:
お願いします!
いさどん:
でも、いずれは自分で自己コントロールできる人にならないといけませんよ。そういった意味では、未来は楽しみです。
「人生は自分を知る旅である。」
そして、学び、成長する為にあるのです。