人間は何故こんなにバカになってしまったのか ~ 勉強するのは何のため?

先日木の花ファミリーでは、8月15日に放映されたNHKドラマ「太陽の子」を観ました。太平洋戦争末期に、原子爆弾開発のための研究を続ける兄と、兵士として戦場に赴く弟の兄弟の物語です。番組を観終わった後、ジイジは子供たちに向けて、以下のように語りました。


ジイジ:
このドラマの主人公のお兄さんは、京都帝国大学の科学者です。そこでお兄さんたちが一生懸命研究していたものは、何だったでしょうか?

子供たち:
原子爆弾!

ジイジ:
そうだね。あの研究が完成すると、原子爆弾になります。原子爆弾は何をするためのもの?

子供たち:
人を殺すためのもの。

ジイジ:
戦争の兵器だね。戦争の兵器とは、人を殺すためのものです。
もう一つ、日本と一緒に戦争をしていた国がありました。ドイツです。ドイツでも原子爆弾の研究をしていましたが、アメリカの方が先にそれを完成させました。アメリカが先に完成させたから、あの戦争を終わらせるために、日本に原子爆弾を落としたのです。ドイツはその頃にはもう降伏していましたから、原子爆弾を落とす必要がありませんでした。でも日本は、なかなか降伏しませんでした。だから、原子爆弾を落としたアメリカの人たちは、「あの時に原子爆弾を落とさなければ、アメリカ軍が日本本土に上陸することになり、もっと多くの人が死んだだろう。だから早く戦争を終わらせ、死ぬ人を少なくするために原子爆弾を落とした」と言うのです。
日本でも原子爆弾の研究をしていましたね。もしも日本が先に完成させていたら、日本はそれをどうしたと思いますか?

みのり:
アメリカに落とした。

ジイジ:
アメリカに落としただろうね。飛行機の性能の問題もあるから、実際に落とせたかどうかはわかりませんが、アメリカに落とすことを目的としてその爆弾を作っていたことは確かです。そこにあるのは、原子爆弾を相手よりも早く作ったかどうかの違いだけで、どちらも相手の国のたくさんの人がいる場所で、それを爆発させようとしていたということです。
では、何のためにそんなものを作って、人がいる場所で爆発させるのでしょう?原子爆弾を誰もいないところで使っても、意味がないですね。あれはやっぱり、たくさんの人がいる都市で、人が作ったたくさんのものが壊されないと意味がありません。そもそも、戦争をするのは何のためですか?

みのり:
資源の奪い合い。

ひみこ:
幸せを手に入れるためとか。

なお:
領地を広げる。

みこと:
自分たちの強さを見せつけるため!俺たち強いだろう~って。(みんな:笑)

みかこ:
この番組の中では、エネルギーの奪い合いだって言っていたね。

ジイジ:
奪い合って、その資源を手に入れたらどうするの?

あきよし:
楽に生きる。

みのり:
お金を手に入れる。

ジイジ:
資源がたくさんあったらみんなが豊かになって幸せに生きられると思って、そのために戦争をするの?戦争というのは、他の国へ行って、その国の人をやっつけて資源を奪ったり、その人たちを使ったりして、いろいろなものを奪うことだよ。

みかこ:
実際に戦争をしている国だけではなく、戦争を仕掛けてそこに武器を売ってお金を儲けている人たちもいた。

ジイジ:
そういう人は、第二次世界大戦の頃は今からするとまだ少なかったのでしょう。でも明治維新の頃や、そのもっと前の戦国時代にも、外国の人々が日本に武器を売ってお金を得ていました。
第二次世界大戦は、日本が真珠湾を攻撃したからアメリカはその仕返しとして日本に宣戦布告し、最後には原子爆弾を落としてやっつけたということになっています。しかしその前からずっと、経済戦争というものがあったのです。今は戦争の代わりに経済を発展させて貿易をしていますが、これは形を変えた戦争です。
今、香港に住んでいるある人が、香港は中国の支配が進んで自由がなくなるから、早く外国に行きたい、できれば木の花ファミリーで暮らしたい、と言ってきています。もしかすると戦争が起きるかもしれないと、とても不安を感じています。実際に、中国は今東シナ海や、もっと南の南シナ海にまで軍事展開を進めています。もしも戦争になったら、中国があの辺り一帯を支配するでしょう。そういう状況が、今実際に起きているのです。

毎年夏になると、戦争のテレビ番組をたくさんやりますね。それは8月15日が終戦記念日だからです。日本が降伏して、人類史上最も悲惨な戦争が終わった日です。
今年は、戦争が終わって75年が経ちました。番組では皆、「戦争はよくない」ということを言います。原子爆弾で家族がみんな死んでしまったとか、自分も大やけどを負って大変な思いをしたとか、そういう話がたくさん出てきます。今日は、日本の戦後の賠償がまだ十分ではないということを取り上げた番組をやっていました。戦争に行った人たちやその家族には、戦後に国からの補償がありました。原子爆弾に被爆した人たちにも治療費などが支払われました。でも、例えば静岡県で空襲を受けた人たちには補償はありません。第二次世界大戦中には、日本全国のおよそ200か所で空襲があり、たくさんの人たちが亡くなりましたが、兵隊ではない民間の人々には補償がなかったのです。
当時、日本はほとんどの家が木造でしたから、たくさんの人を効率的に殺すために、アメリカは建物を焼き払う焼夷弾という爆弾を使いました。そして実際にたくさんの人が亡くなりました。それでこの時期になると、戦争で被害にあった人たちの話がたくさんテレビに出てきます。そして補償がなくても生きてきたと言います。国は兵隊やその家族には補償をしましたが、民間人への補償をするほどの力はありませんでした。もしもそこまでやったら、ものすごくたくさんの人々に補償しなければならなかったでしょう。同時にそこには、民間の人々は国民として政府と共に戦争を進めた、という考え方がありました。兵隊に行った人たちは国に雇われて戦場に行ったということで、家族も含めて補償が支払われましたが、国民は国と一緒になって戦争を進めたのだ、ということです。また、日本は外国でも戦争をしましたから、戦後は外国にもたくさんの賠償金を払わなければなりませんでした。賠償金とは、戦争に負けた側が、戦争の責任を取ってお金を払うということです。ですから国は、自分の国の民間人にはお金を払いませんでした。
この時期になると、「あの戦争で私たちは不幸になった」「アメリカが原爆を落としたからこうなってしまった」「戦争がなければよかった」という声がたくさん聞こえてきます。それはどういうことかと言うと、「自分たちは被害者だ」という立場に立っているということです。

ほとんどの人が、「戦争は絶対にやってはいけない」と言います。そう言っている人たちやテレビの番組を観ていると、「自分たちは悪くなかった」と言っているようにも観えます。しかし、考えてみましょう。アメリカはなぜ、兵隊ではない日本の民間人がたくさんいるところへ爆弾を落としたのか。爆弾だけではなく、機銃掃射と言って、民間人が乗っている列車などを戦闘機から機関銃で攻撃しました。人々が驚いて列車から降りて逃げようとすると、それを機関銃で一斉に打ち殺すのです。なぜアメリカは、民間人まで殺す必要があったのでしょうか?
それは、アメリカから見れば、当時の日本人は民間人でも、男も女も大人も子供も一億総動員で戦争に臨んでいたからです。学生たちは学校に行かず、鉄砲の玉を作る工場で働く武器の生産者でした。若い女の子たちは、アメリカ兵を殺すために竹槍で人を刺す訓練をしていました。そして本土にアメリカ兵が上陸したら、一億総玉砕と言って全員が死ぬまで戦おうと言っていたのです。
このドラマでは、まだ小学生のような女の子が「早く結婚して子供を産んで、お国のために捧げます」と言っていましたね。当時の日本では、兵隊が必要だから、女の子は1人5人は子供を産んで、大きくなったら兵隊にしてアメリカをやっつけようと言われていました。今の子たちが「今日どこどこでご飯食べる?」というような会話の代わりに、「早く結婚して子供を産んでお国のために立派な兵隊を育てましょう」ということを真面目に話していたのです。
それは敵国からすれば、たとえ若い女の子であろうが子供の男の子であろうが、みんな兵器と同じでしょう?ところが人々は、当時の状況を振り返り、「政治家や教育者たちが子供たちをそんな風にしてしまったんだ」と言って、政治や教育のせいにするのです。ジイジはそれを聞いていて、「違うな」と思いました。つまり、あの時代には、そういった政治家や教育者の話に「そうだ!」と賛同する人々がいたということです。

あの時代に、世界は戦争をしていました。そしてその時代には、それにふさわしい心の人たちが生きていたのです。今は日本は戦争をしていないと言いますが、でも実は、世界中で戦争は起きています。先日、超高性能なミサイルが開発されたことがニュースで報道されていました。広島の原爆よりもはるかに高性能で、1発打ち上げるだけで10発以上に分裂し、しかも飛行機で運ばなくても自分で宇宙空間にまで上がっていって、そこから正確に目的地へ向かって飛んでいくというのです。それに対して、「そんなものを作るのはやめようよ」という声が取り上げられることはありません。それどころか、そのミサイルを迎え撃つためのミサイルをさらに開発しようとしています。それが1発でも落ちたら、大変なことになるというのに。
バカじゃないのか。でもこのドラマの中では、京都帝国大学に通う頭のいいお兄さんが、一生懸命爆弾の開発をしているのです。頭が良くて考える方向を間違うと、そういうことになるのです。
今日はあきよしとなおが来たので、ジイジは二人に「しっかり勉強しなよ」と言いました。勉強は何のためにすると思いますか?

あきよし:
頭が良くなるため。

ジイジ:
頭が良いとはどういうこと?

あきよし:
勉強ができる。

ジイジ:
じゃあ勉強は何のためにするの?

なお:
社会に貢献できる人になるため。

ジイジ:
でも戦争の時代には、あの物理学者のお兄さんは、原子爆弾を作って日本の国に貢献しようと思っていたんだよ。
社会に貢献すると言っても、社会が狂っていたら、その社会に貢献することは間違ったことをすることになります。今の社会はどうですか?みんな勉強していますが、何のために勉強していますか?

みこと:
いい会社に入ってお金持ちになるため。

ジイジ:
じゃあお金持ちになってどうするの?

みこと:
ぜいたくな生活をする!必要以上のものをたくさん買うとか。

ジイジ:
戦争が終わって、日本やアメリカのような資本主義の国の人たちは、それをやってきましたね。

ともこ:
事業を起こしてもっとお金を稼ぐ。

じゅんぞう:
不安のない暮らしをする。

ともこ:
政治家に献金して国を動かすとか。

ジイジ:
けっこう悪だくみだね。(みんな:笑)みんな笑うけど、戦争が終わった後、そういうことをいいことだと思ってやってきたんでしょう?戦争にはもうこりごりだと思って、社会を良くしよう、豊かになろう、たくさん物があって自分の好きなことができて言いたいことを自由に言えて自分の願いが叶う社会を創ろう、と言って、今の世の中ができたんだよ。
ドラマの中では、女の人が「戦争が終わったら教育が大事だ」と言っていましたが、そうやって教育をしてきた結果、今の世の中はどうですか?

みのり:
良くない。

あきよし:
お金がないと生きていけない。

ジイジ:
お金がないと幸せになれない、お金があれば必要のないものまで買って幸せになれる、それが豊かさだと言って、今や海の中はマイクロプラスチックという回収できないゴミでいっぱいです。そして地球温暖化で、記録的な雨が続いたかと思えば、今は記録的な猛暑です。9月になれば今度は台風が押し寄せてくるでしょう。それはみんな、人間のせいです。
去年から今年にかけて、アマゾンでもオーストラリアでもシベリアでも大規模な森林火災がありました。シベリアの火災では永久凍土が溶けて、さらに温暖化が進むと言われています。
そんな中で、もうこんな生き方を続けていてはいけないね、自分さえ良ければいいという考えは捨てなきゃいけない、みんなで仲良くしなければいけないね、だって地球という一つの家に暮らしているのだから、という考えになる人は、なかなかいません。今、世界でも大きな力を持っている国であるアメリカと中国は、とても敵対しています。そして日本もアメリカと同じです。
日本は核爆弾を持っていないでしょう?でも、実際は核の力で国が保たれているんですよ。何故かと言うと、アメリカがたくさんの核爆弾を持っていて、そのアメリカの仲間になることで「日本に何かあったらアメリカの核が攻撃するぞ」とアメリカの核の傘の下で守られているというのです。

みのり:
じゃあ非核三原則は嘘ってこと?

ジイジ:
非核三原則は、日本としては核を持っていないというだけの話で、実際はアメリカとの国際条約の下に、核によって日本は守られている、ということになっています。だから、日本は核兵器禁止条約には署名していません。唯一の被爆国でありながら、核兵器を禁止しようという条約には賛成しないのです。

子供たち:
え?なんで??

ジイジ:
おかしいでしょう。何故なら実際はアメリカの核に守られているから、核がなくなっては困るのです。日本人の中でもいろいろな人がいますから、核は無くすべきだと言う人もいますが、政府としては核に反対しない立場だということです。
それでね、なぜ勉強する必要があるのか。勉強するということはどういうこと?

みのり:
知識を覚える。

ジイジ:
知識をたくさん知るということは、ものを知るということでしょう?たくさんのものを知るということは、考える時にそれだけたくさんの情報があるということです。そしてたくさん考えるから、脳が活性化されます。そうすると、より考えられるようになるのです。
そこで「どうせ私は勉強ができないから、好きなことだけやっていればいいわ」となると、脳はどんどん衰退して、物事を考えない人になります。自分の好きなことだけに頭を回して、後は何も考えなくなるのです。科学者の人たちは頭が良いですね。コンピューターやAIを駆使してお金儲けをする人たちも、すごく頭が良いです。そしてその考えを実現しています。でも今は、それが良い世の中を創ることにつながっていないでしょう?だから不安だらけの世の中になっているのです。みんなお金のことばかり、自分が得することばかり考えている。最終的には自分の国の利益、即ち国益というもののためだけに世の中が動いています。
今日、あきよしとなおにこんな話をしました。自分の家があって、家族と一緒に住んでいるとします。自分の部屋は1階にあって、2階にいるなおが気に入らないから爆撃してやろう、とは思わないでしょう?2階を爆破したら家に穴が開いて、自分の部屋にまで雨漏りするようになります。それは極端な話ですが、一つの地球で暮らしていながらいがみ合っているとは、そういうことです。でも21世紀になって今もまだ、人間たちはそういうことを地球上でしているのです。バカみたいでしょう?

しっかり勉強をするということは、頭が良く働くようになるということです。そうしたら、いろんな情報が入ってきた時に、ただぼーっと聞くのではなく、「それってこういうことじゃない?」「どうしてそうなったのかな?」という思いが浮かんで、いろんなことを考えられるようになります。「本当にそれでいいの?」ということを考えられるようになるのです。
これからは、そういう人たちがたくさん出てこなければなりません。でも今は、お金とモノのことばかりで、物事を考えているようで考えていないのです。幸せといえば、お金があって豊かに生きられることだと思っています。だから地球温暖化が進み、環境が汚染され、他の生き物がどんどん死んでいくのです。でも本当は、他の生き物がみんな健康で生きているからこそ、人間も健康で幸せに生きられるのです。
人間は能力が高いのだから、本来は地球規模で全体のバランスを考え、行動できるものでなければいけなかったのです。けれども、文明の発祥から現代につながる約6500年間の歴史は、そうではありませんでした。これから人間が本物の価値を見出し、本当に良い世の中 ──── 人間だけではなくすべての生命にとって良い地球創りをする時代が、宇宙的には既にやってきています。
そういうことをパッと感じ取れる能力が大切です。ドラマにアインシュタインの話が出てきましたが、彼は人類史上最高の頭脳を持った人と言われています。原子爆弾は、太陽のメカニズムを利用した兵器だと言われていましたね。太陽のメカニズムとは、宇宙の仕組みです。太陽は核融合を続けて光を発し、私たち生命の命のもとになっています。その、私たち生命にとって神様のようなエネルギーを、人間が賢くなって科学的に分析し、爆弾にしてしまったのです。そして今も、その爆弾によって世界の平和が保たれているのです。

おかしいでしょう?平和というのは、相手をやっつけたり物を壊したりしない世界のことです。平和を保つためになぜ爆弾が必要なのか。どうしてこんなことになったのか。これからどうしていったらいいのか。人間は今、考える必要があります。
人間以外にもたくさんの生命がいますが、では動物や植物が考えているだろうかというと、考えて生きてはいません。何で生きていると思いますか?

みのり:
本能。

ジイジ:
そうだね。本能で、とても真剣に生きています。本能とは、命として生まれた時に一番初めに必ず持っている能力です。「自分だけいい思いをしたい」というような余計な思考はそこにはありません。本能とは、余分なもののない美しい能力です。それに対して人間は、どうやってお金を稼ごうかというような余分なことばかり考えています。そうやって余分なことばかりに思考が回っていると、人のことを考えなくなるのです。
地球は、本能のままに生命が生き、それが循環する美しい世界のはずでした。しかし人間がそれを破ってしまったがために、美しくない星になってしまいました。だから今、毎日が異常気象になっています。コロナウィルスも蔓延し、人々は将来が不安で仕方がありません。
だから、考える人になることが大切です。その考える時に、方向性を間違ってはいけません。では、何を基準にするべきか。それは、なぜ地球があるのか。そしてそこに生命があることによってこの世界に美しい循環がもたらされているとしたら、宇宙の中でも特殊な存在である私たち生命は、その大本の原理に基づいて生きるべきなのです。

この「太陽の子」というドラマでは、今から75年前に戦争があった時に、人々は自分の国のことだけを考えていました。自分の親や奥さんや子供がいたら、その人達を守るために、僕はアメリカの兵士をやっつけますと言っていたのです。兵隊さんだけではなく、普通の女学生や子供たちでもそう考えていました。そしてみんなで協力して国が一丸となり、兵器を作って戦争をしていたのです。
そうすると、被害者はどこにもいませんね。自分は被害者で酷い目にあったから補償をしてほしいと今も訴える人々がいますが、あの時代を生きていた人たちは、みんなでその状態をつくっていたのです。
今、日本で戦争をしている人はいません。だから平和な世の中になったと思っているかもしれませんが、実際には出世競争だったり経済戦争だったり、それどころか海外の戦争に加担しています。戦争は、強い国が自分の国の利益を上げようとして、その思惑の下に対立が生まれることですから、日本人も実は戦争をしています。ただ自分たちが直接やっていないというだけのことです。そういうことも含めて考えられる人にならないと、本当に世の中のためにはなりません。

ジイジは最近、ちょっと怒っています。人間はどうしてこんなにバカになってしまったのでしょう。
ちょっと考えればわかることでしょう?だって大人は子供たちに、「みんなは一人のために、一人はみんなのために」と教えて、みんなで仲良くしなさいと言うのです。それなのに、スポーツでは相手を負かして自分だけが賞金を得ようとして、スポーツの世界ですらお金のことばかりです。どこか狂っているでしょう?
その狂った世界を元に戻したい。そう思って、ジイジは毎日生活をしています。そして今ここにいるみんなは、そういうことを大事だと思う人たちだろうと思います。大切なのは、みんなが本当にその気になることです。特に子供たちは、これから未来を生きなければなりませんが、このまま放っておくととても住みにくくて大変困った国になるどころか、地球全体がそうなります。だからそれを、今から改めていかなければなりません。

何よりも、いずれ誰もが、必ず死を迎えます。その時に、自分は良いことをしていると思っていたら実は世の中を悪くしていた、という人は、魂として良くない状態で旅立つことになるのです。
いつか死を迎えた時に、ああ、自分はいい人生を生きた、本当の意味で世の中に貢献をして、悔いは何もない ──── そう思って旅立てる人に、みんなにはなってもらいたい。そう願っています。

 


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