自分の中から湧き出る思いがあれば

1月6日から心と体の体質改善のため
ケア滞在中の19歳のりおちゃんが、
ここに来てからもうすぐで丸3ヶ月になります。
滞在前3ヶ月で20kg増えた体重を元に戻し、
とりあえず二桁まで体重をもっていくということも、
ケアの目的の一つでした。
最初の2ヶ月間は
順調に1ヶ月10kgペースで体重も減っていましが、
3ヶ月目に入ってからは横ばい状態でした。
そんなりおちゃんと、同居している叔母さんといさどんの
3ヶ月面談の様子を今回は紹介したい思います。

いさどん:
りおちゃんの場合、
今のところ何かが問題というよりも、
生活の規律を整えていくことが大切なのですが、
この人はマイペースで、積極的に取り組んでいこう
という意欲がなかなか見られません。
体重についても、
そんなに食が進む方ではないと思うのですが、
その割には体重も落ちていきません。
ただ、無理やり減らしていくというのも問題ですから、
体を動かしながらバランスのいい生活の中で
体重が落ちていくというのが理想です。

小学校の低学年くらいまでの食が
こういった体質に影響します。
しかし、実際にそうだからと言って、
バランスのいい体にならないというわけではありません。

りおちゃんの気持ちとして、
自分を前に押していくというのが
なかなか見られないですね。
だからと言って、
「こうしたらいいよ、ああしたらいいよ」と
まわりの人が伝えても、
この人の中には自分の意志でやっていきたい
といった思いがあります。
もうちょっと積極的に取り組んでいかないと、
これ以上ここにいてもなかなか成果は上がらないです。

当初、体重が20kg減ったことに関しては
何とかなったにしても、
それ以上のこととなると、
よほど本人が自分の生活スタイルなど
色々なことに対して自覚して取り組まないと難しいです、
という話は前回の面談の時にしました。

外で積極的に農作業をやろうとしても、
やはり体力を使う仕事となると、
それなりの体が出来ていないと難しいんですよね。
だから、どうしても軽作業ということになってしまい、
今のところこれ以上の成果は
なかなか望めないという状況です。

とりあえず、4月5日で丸3ヶ月です。
前回、「これからどうするの?」と聞いたら、
「4月5日でここの滞在に区切りをつけて、
半年くらい叔母さんのところにいて、
10月から大阪へ行って友達と一緒に住む。
それまでの半年間は
アルバイトでも見つけて仕事をする」と言っていました。

りおちゃんは幼い時に両親がいなくなり、
小さい頃から孤独だったからなのか、
自分の考えで何でも進めていき、
まわりの考えを聞いてそれに合わせていく
ということがあまりありません。
自分のやりたいこと以外のことはやりたくない
という傾向は見られると思います。

でも、自分のやりたいことをやった結果、
今の状態になっているのですから、
自分がやるにしても自分の健康体を保て
規律ある生活リズムを身につけていくことが必要です。
その意味がりおちゃんには
まだよくわかっていないのかなと感じています。

今後どうしていくのがいいのか、
ご家族の方と一緒に話し合ってみようということで、
今日はお越しいただきました。
前回りおちゃんと話した時には、
「作業でも何でも前向きにやってみようよ」
と声はかけたので、一応はやっているんだよね。

りおちゃん:
午前と午後両方とも
作業に出るようにしています。
実は、あの後一人で考えたり、
ファミリーの人たちと話をしていく中で色々と考えました。
大阪に行くのは変えない。
それは自分で決めたことだし、
友達にももう言ってあるし、
どうしても一緒に住みたいからそれは変えない。
でも、この間いさどんと話をした時に、
「大阪に行くまで半年もあるね」って言われたから、
半年をちょっと削って、
もうちょっとここで皆と一緒に作業をしたいなと思いました。

だから、自分の性格が変わるまでもうちょっとここにいようかな、
と色々な人と話をして思ったんです。

いさどん:
自分で思ったの?

りおちゃん:
はい。

いさどん:
そうやって自分の中から湧き出てこないとね。
ただ言われているだけでは、
ここにいても成果は出ません。
やはり自分で自分に負荷をかけていかないと。
「こうしたらどう?ああしたらどう?」と人から言われても、
自分の中で「そうだね」と思う心があってやるのと、
ただ言われてやっているのでは
成果が全く違います。

今初めて、その話を聞きました。

りおちゃん:
ちなっぴとよく同じ作業になって、
色々話をしてくれて。

いさどん:
ちなっぴも昔は体重が多かったけれど、
ある時からすごいエネルギーで
自分に負荷をかけるようにして、
今はバランスの良い人になりました。
ちなっぴは思い立ったらどこまでもやりきる人です。
りおちゃんは頑固者ですが、
良く言えば自分が思ったらやりきれる人なのだから、
そのくらいの気持ちでやれればいいね。

これから大阪に行って仕事をしていくにしても、
まわりの評価によって自分が表わされていくわけだから。
しっかり規律を持って生きていくということが、
生きる上での大切なポイントです。
そこのところに気づいていかないと。

今、話を聞いてみてどうですか?

叔母さん:
今、「もうちょっとここで頑張ってみたい」
と自分から言ってくれてすごく嬉しかったんです。
もし、ここにいるのが嫌になっているのだったら、
今日にでも連れて帰ろうかと思っていました。
ここにとっても迷惑になるだけでしょうし。

私がここを選んだのは、
りおの体が痩せて
細胞を活性化させていくということもそうなんですが、
ここには色々な人たちがいるので、
若い時に3ヶ月であっても、
そういう貴重な出会いを経験すれば
いずれは役に立ってくれるんじゃないかと思ったからなんです。

農作業は自分がやりたい
と思ったことではないかもしれない。
でも、規則ある生活を身につけるとともに、
自然からも作業からも人からも得られるものを得て、
自分が今いる環境を
積極的に活かしてほしいという思いがあったんですね。

そうは言っても、
本人が気づかないとダメですよね。
本人に気づいてほしいとずっと思っていたのですが、
今のりおの言葉を聞いて、
ようやくそうなってきたのかなと。
今、滞在予定の3ヶ月が終わりに近づいていますが、
今から短くても
そういう信頼のある交流があるといいと思います。

やっぱり、りおは小さい頃から孤独だったんだと思います。
心から安心して信頼出来る関係をまだ持てていないし、
自分をさらけ出していくことをしてこなかったんだと思います。

私たちは、りおが自立するまで
見守って応援していきたい気持ちはあるので、
本人に「ここでもうちょっと学びたい」
という気持ちあるのであれば、
ぜひお願いしたいと思います。
心からそう思っているのであれば
本当に素晴らしいことだと思うし。。。(涙があふれてきます)

いさどん:
この間話した時は、
「このままにしておくと、
洞窟にこもっている熊みたいな生活が変わらないから、
そろそろはっぱをかけないといけないのかな」と思っていました。
その時は人に言われてむっとした感じだったので、
「怒っているの?」と聞いたら、
「怒っていません」と言うのだけれど、
そういうふうに見えたんだよね。

最終的には、自分のことだから
自分のことは自分で出来るようにならないといけません。
ここにいても
いつかは旅立っていく時が来るのだから。
もし、りおちゃんにここで
もうちょっと頑張ってみる気があるのなら、
真剣に取り組んだらいいよね。

親子関係が難しいから、
友達にしか本当のことを言えないという人がいますが、
この人は本当の心を表現する関係を
築いてこなかったように思えます。
自分のことは自分でやっていくということは、
ある意味では強い意志なのかもしれないのですが、
ある意味ではなかなか人の言うことを
採用できないということになります。
言われると壁をつくってしまうようなところがあるのかなと、
このところ特に思っていました。

そういう意味では、
ここでも今までお世話になっていた
叔母さんたちにもそうですけれど、
そういう人にこそ自分の心を開き、
柔らかい人間関係をつくっていくことが大切です。
人間関係には縁の切れる人間関係と、
絶対縁の切れない人間関係があります。
そういうものを大事にしていかないといけません。

叔母さん:
この子は反発すると結構きついんですけれど、
相手がいさどんなら大丈夫ですね。
いさどん自身がむかつくこともないだろうと
安心していたんです(笑)

いさどん:
こちらには何もありませんね(笑)。
ただ、他の人であれば
自分の感情を露わにする人もいますが、
実はそのくらい本当を出してもいいんです。
りおちゃんは自分という中に入ってしまっています。
本当の気持ちをもっと出すといいんです。

僕らとしては何があっても、
この人が「良い人生を生きてよかったね」
と思えるような人生を
これから歩んでくれればそれでいいんです。
それが目的ですから。

叔母さん:
本当にそうですよね。

いさどん:
自分にとっては良いことであっても、
相手との関係においては
自分にとって良いことが
相手にとっても良いこととは限りません。
そうすると、そこでお互いに
良くない人間関係が出来ます。
一人でいると問題がないようだけれど、
いつかは家族を持ったり
大事な人間関係をつくっていかないと
いけない時が来ます。
そういう意味では、
自分の心を正直に外に表現していくことが大切です。

それから、
バランスの悪い自分の心の持ち方にも気づき、
改められるところは改めていくという作業をしていかないと、
そのつけは必ず自分に戻ってきます。

それにしても、
自分の中から意欲が湧いてきて本当に良かったですね。
ずっとマイペースだったから。

叔母さん:
自分からそういう思いが湧くのは初めてです。
りおも望んでここに来たわけではないけれど、
やっと自分からここを選んで、
ここの良い所を吸収しようとしてくれているかなと思うと
本当に嬉しくて。。。(涙がとまりません)

いさどん:
じゃあ、これから本気になってやってみるか?

りおちゃん:
はい。

いさどん:
そうしたら、
長くここにいたって成果が上がるものでもないから、
1ヶ月、思い切り
自分の気持ちも体も絞ってみるということでやってみよう!
この1ヶ月で変身するぞ!


素直が一番!

今回のブログでは、
2月22日からうつ病のため
ケア滞在をしているまいちゃん(23歳)の
最近の様子を紹介したいと思います。
まずは、3月27日の大人会議での報告です。

まいちゃん:
お父さんがケアスタート1ヶ月の面談でここに来てから、
もう1週間が経とうとしています。
お父さんがここに来た時に
一番印象に残っている言葉は、
お母さんが「私が完璧に治る姿を見たい」
と言っていたということです。
そのことを自分の中で
ものすごくプレッシャーに感じていて、
「完璧な姿ってどんなのだろう?」って思っていました。

今は家族がバラバラなので
仲良くなったらいいなと思っているんですけれど、
それに対しても
自分が板挟みになっているような気がして
しんどくなってきました。
作業にもあまり身が入っていないし、
集中出来なくて、
色々と難しく考えてしまっている自分がいました。

でも、「これって自分の癖なのかな」と思いました。

昼ご飯の時にまり姉やいさおちゃんと話していた時、
「親の言葉は気にしなくてもいいんだよ。
自分が楽しく生活出来たら」と言ってもらえて、
「そうだな、まずは
自分が楽しく生活出来たらそれでいいんだな」と思いました。

今は色々な人に助けてもらっているし、
いつかはそれに対して
恩返し出来たらいいなと思っています。
「恩返しって何だろう?」と思ったら、
やっぱり自分が幸せになって
元気に生きていくことだと思うので、
毎日楽しく生きようと思っています。
意外に簡単に答えが出たので、
すっきりしました。

自分の癖というのも、
新しく発見出来たので良かったなと思いました。

いさどん:
そういう柔らかい発想が出来たら完璧だね。
誰かに言われても、
「けど、私には出来ません」と言うのが
こういった病気を持っている人の癖ですが、
素直に人の言うことを取り入れていていいと思います。
素直が一番!

そして今朝、
作業に行く前のいさどんとまいちゃんの会話です。

いさどん:
まいちゃん、いい顔になってきたね。
あとは抵抗力をつければ大丈夫。
世の中は、まいちゃんのことだけを
考えている人ばかりではないから。
これから卒業に向けて、
上手に人とキャッチボール出来るように練習していこう。

まいちゃん:
比較的調子はいいのだけれど、
気持ちに波があるかな。

いさどん:
僕にも波はある。
人間には波があるものだよ。
まいちゃんは自信がないから、
「社会に出てやっていけるんだろうか?」
と不安に思っているのだけれど、
明るく考えれば明るい未来を
引き寄せることが出来るからね。

でも、いい感じだね。

まいちゃん:
まだ断薬の影響で
夜も1時間おきに起きてしまうけれど、
眠くても一応朝は起きて、
作業に行こうと思っています。

いさどん:
そうやってリズムが取れてきたら、
夜はちゃんと眠れるようになる。
やっぱり苦労しないといけないよ。
苦労して築きあげていったことを
自分が記憶していれば、
リズムが狂いそうになった時に
「そうだった、そうだった」とすぐに元に戻すことが出来る。

そのためには、
苦労を味わいなさいということだよ。

まあ、順調です。


貧乏神も厄病神も神のうち

今日の午後、
「生きているのが辛くて自殺したい」
とおっしゃる64歳のちよこさんが、
いさどんに相談するためファミリーを訪れました。
「自分に何かがとりついているのであれば、
お祓いして下さい!」と訴えるちよこさんに、
いさどんはこんな話をしました。

ちよこさん:
精神がすごく不安定で
いらいらして眠れないんです。
何かが私の中にいて、眠ろうとして眼をつぶると、
それがいつも私をおびやかすんです。
本当にパニックになってしまって、
いくらお清めしてもらっても全然よくなりません。
辛くて辛くて仕方がないので、
この苦しさから逃れるために
ずっと死ぬことばかり考えています。

私はマイナス思考で
何でも悪い方に解釈してしまうんです。
だから、きっと悪い霊も
私の体の住み心地が良いと思うんです。
私に何かついていたら、
お祓いしてもらえないでしょうか?

いさどん:
仮に何かがあなたについているとして、
そういったものと自分が合っているということを考えたら、
対策としては自分が明るく
前向きに生きればそれですむことです。
お祓いするとかそういう話ではありません。
ところが、日常の出来事が上手くいかないと、
多くの人は原因を別のところに逸らそうとして
そういう発想になってしまいます。

死のうとしている理由ですが、
何か得体の知れないものが自分の中にいると感じる以外に、
生きていく上で死にたいと思うような別の理由はあるんですか?

ちよこさん:
別にないです。
元気になって、
家族にもお料理してあげたり、色々したいんです。
でも、体が言うことを聞きません。

いさどん:
それを出来るように
トレーニングしたらいいんじゃないでしょうか。
「出来ない、出来ない」と言って
やらなければそのままです。
まずは自分が一つ一つ努力して、
自分の気持ちを切り替えていくことが大切です。

ただ、あなた一人が
いきなりそれをやろうと思ってもなかなか出来ませんし、
今まで慣れ親しんだ家族に
協力してもらうのもなかなか難しいかもしれません。

ちよこさん:
娘だって、「こんな眼に見えないものを
どうしていいかわからない」と言っていますし、
霊能者のところに行こうとも思ったんですけれど。。。

いさどん:
仮に霊能者のところへ行っても、
元々あなたの中にそういったものが
住みつくような体質があるのだとしたら、
またそういうことが起きるでしょう。
だから一番良い方法は、
そのついているものの居心地が悪くなり、
ついているものが自ら退散するような人になればいいんです。
それが特効薬ですし、
そうしたら薬もいりません。

暗くなり取り越し苦労をして、
考えなくてもいいようなことや
事実と違うことまで考えたところで、
実際その通りにはなりません。
考えることで、自分のエネルギーを沢山使って
辛い思いをしただけ損な話です。
もったいないエネルギーの使い方をしているのだから、
一生懸命やる割には実を結ばない結果になってしまいます。

お祓いしたからといって
心の中身まで変わるわけではありません。
自分に積み重ねてきた人間性がねじれて汚れているのなら、
そこを綺麗にして整えていく作業が必要です。
仮にお祓いしてもらっても、
次にまた何かあった時に、
またお祓いでとってもらわないといけないことになってしまいます。

僕も昔はお祓いみたいなことをしていた時期もあったのですが、
これは間違っていると思い、
今はそういうことをしません。
代わりに、その人の心の状態を整え、
心の環境を良くするお手伝いをしています。
心が健康になれば、
そういった不健康をもたらすものが仮にいたとしても、
自然と居心地が悪くなって去っていくものです。

僕がこういった時によく話す話ですが、
木の花の敷地の角のところまでは
厄病神も貧乏神もついてくるのです。
敷地の中にあなたが入ってくると、
彼らはあそこの角であなたのことを待っているんです。
あなたがしばらくここにいてだんだん良くなってくると、
僕があそこの角まで行って
暇そうに立っている厄病神と貧乏神に聞くんです。
「あなたたちはそこで何をしているの?」と。

そうすると、
「お宅に10日ばかり前に来た人がいるでしょ。
あれは私たちの友達で、
私たちは今まで仲良くしてきたんです。
私たちはここから中へ入れないから、
あの人が出てくるのを待っているんです」と言うから、
僕がこう言うんです。
「あの人はダメだよ。
もうあなたたちと付き合いたくないってここへ来たんだから。
付き合いたくない証拠に
あなたたちが入れない所へ入ったんだから、
待っていても無駄ですよ。」

そうすると彼らは、
「いやいや、あの人と私たちは長い縁だから、
絶対切れるものではないと信じています。
固い絆で結ばれているのだから、
いつまでも待っています」と言って
「なあ」と厄病神と貧乏神が二人で相槌を打つのです。

そこで僕はこっちへ戻ってきて、
「今あそこの角へ行ったら、
あなたの古い大切な友達だというのが、
あなたとまた一緒に暮らせるのを待っていると言っているけど、
どうするの?」と聞くと、
「ここに来てみてよくわかりましたが、
あの連中は私を病気にさせたり、
財布の紐を緩くさせてずっと苦労させてきたんです。
私は二度とあんなものと付き合う気はありません!
あんなものは絶対嫌です!」と言うんです。

そこで僕がその人に言うのです。
「それだからあなたの了見は間違っているのです。
あの人たちの名前をもう一度言ってみなさい。
下に何がついていますか?
厄病神様と貧乏神様です。
つまり、あの人たちも神様です。
神様というのは、
上の方の神様から下の方の神様まで、
高い神様から、
人を騙したり病気を与えたり貧乏にしたり、
中には人殺しに導くような神様もいます。
この世界の出来事全ては神様が表しているのです。
その一つ一つが神様の働きなのです。

そして、全て合わせて一つの神様です。
その色々な部分が出てきて、
私たちの心にふさわしく与えられているのだとしたら、
上の方の大きな神様から、
「おまえたち、
あのじとじとしているもののところへ行って教えてやってこい」と
厄病神と貧乏神があなたのもとへ派遣されてきた
と考えることが出来ます。

つまり、厄病神と貧乏神が悪いのではなく、
元の神様が私たちに悪い心があることを教えるために、
自分たちの心の鏡として彼らを派遣しているのです。
「おまえたち、あそこに行って病気の風を吹かせてこい。
あのものも辛く痛い思いをしたら、
『これはいかん』と改心するようになるだろう」と。

あの神様たちは大きな神様に頼まれて、
自分のまわりに対立や病気、
貧乏の風を吹かせてくれているのだとしたら、
あなたにとっては自分を知るチャンスです。
そこから自分を切り離して
成長させるチャンスだと思いませんか。
そうしたら、
厄病神だって貧乏神だって神様なのですから、
嫌だというのではなく、
どんな神様だって大切にしないといけません。

良いことばかりが起きると
人間は勉強しないものですが、
困ったことが起きれば
「何でだろう?」と反省し勉強するものです。
自分の中に良い心があれば良いことが起き、
悪い心があれば悪いことが起きるようになっているのだとしたならば、
自分の心を教えるために
彼らは私たちのもとに来てくれています。

だからあの角のところへ行って、
「長いことお付き合いいただいてありがとうございました。
あなたたちは長いこと
私の心に気づきを与えてくれていたのに、
私が勉強することをしなかったものだから
気づけませんでした。
あなたたちは、私の心の姿を教えるために
病気や貧乏を与えてくれていたんですね。
おかげでようやく気づくことが出来ました。
これからは卒業して生きていけそうです。
ありがとうございました。
やはり神様はありがたい!」とあそこの角で言ってごらん。

そうしたら厄病神も貧乏神も、
「私たちはあなたと縁が深く
絆が切れると思っていませんでした。
私はありがとうとか感謝とか
そういう言葉が一番嫌いで、
そういうことを言われると
もうここにはいられない!」と言われて、
たちどころにしゅるしゅるしゅると天に戻っていく、
そういうものだと思いませんか?とよく話をするんです。

それで、ちよこさんのお話を聞いていると
事情はわかるのですが、
そういったものにふさわしい自分だったということを学び、
おかげで自分の心を知り成長できたと
感謝出来る心になると、
厄病神と貧乏神の役割がなくなって
あなたから去っていくという仕組みになっているんです。

こういうことは
病気の問題ではなく心の問題ですから、
心の体質が変われば
体の体質も人生も変わっていくものだと思っています。

実際にここには、
うつ病や心や体の問題を抱えた人が訪れますが、
信じて取り組む人にはすぐに答えが出ます。
薬もいらなくなります。
ちよこさんも、こういったことを
自分の心がつくっている幻覚として取り組み、
そういったものを打ち払うだけの精神力を養っていけば、
すぐに健康になります。

ちよこさん:
でも辛くて、
やっぱり安定剤を飲まないとおれなくなるんですよ。

いさどん:
安定剤を飲まないといられない時には
安定剤を飲めばいいんですよ。
それを「安定剤を飲まないとダメだ」とか、
「飲んではダメだ」と思うこと自体、
もう心が病んでいる状態です。
飲まないといけない状態の時には素直に飲めばいいんです。

しかし、ずっとそれに頼って
生涯を送るようなことではいけませんから、
少しずつでも治していこう、
良くなろうとする心があれば、
安定剤を飲んでもいいと思います。

ちよこさん:
でもね、
もう本当に辛くて辛くてたまらないんです。

いさどん:
そこで、「でもね」と反論するということは、
「そんなことを言われて
そうすれば良くなるかもしれないけれど、
私はこういう状態が好きなんです」
と言っているようなものです。
「嫌でたまらないのです」と言いながら、
10年も20年も引きこもっている若者や、
「あの息子は困った、困った」と言いながら、
息子を引きこもらせている親というのは、
世の中によくいます。
やはり、どこかでけじめをつけないといけません。

ちよこさん:
パニックになって気持ちが耐えきれなくなると、
いてもたってもいられなくて死にたくなって。。。

いさどん:
でも実際に、パニックというのは
何か事が起きているわけではありません。
自分の心の中だけの問題です。
そこで死ぬと、死んだ後も
永久にその状態でいないといけないんですよ。
そうしたら、その方が辛いですよね。
だから、そういった形で
死ぬということは一番馬鹿な発想で、
自分が嫌だと思う方向に
余計行くことになるということです。

ちよこさん:
だからそれほど辛いということなんです。
本当は死にたくはないんですけれど。。。

いさどん:
気持ちはわかります。
死にたくはないんだけれど、
死にたい気持ちになるということですよね。

ちよこさん:
本当は天命を全うして、
最後には自然死のようにしていきたいんです。

いさどん:
そうしたら天命を全うして、
「色々あったけれど、
おかげで沢山勉強させてもらって良い人生だったね」と
死ねるように持っていきましょうよ。
心が切り替われば、
そんなに難しいことではありません。

ちよこさん:
そうやって簡単に言うけれど。。。

いさどん:
そうです。簡単だからです。
その気持ちになったら簡単ですが、
難しいのはその気持ちになれないからです。
自分一人では
自分を客観的に観ることは出来ないし、
家族もそういった手伝いは出来ない。
お祓いしてもらっても、もちろん治らない。
お医者さんも薬を出すだけです。
でも、もしあなたが僕のことを信じてくれるのであれば、
僕はお手伝いをします。
ただし、行動するのはあなたです。
その上で僕を信じて
僕に賭けてくれないといけません。
信じてくれたら、
新たなあなたが現れて次の行動につながります。
そうしたら、あっという間に良くなります。

ちよこさん:
夜、眠れない時にはどうしたらいいんですか?

いさどん:
その時には、
「今、私はこういう状態なんだ」と過ごしてもらえたらいいです。

ちよこさん:
それは我慢するということですか?

いさどん:
我慢するということではありません。
我慢というのは、
「嫌だ嫌だ」と思ってやることです。
そうではなく、上手な付き合い方は、
「今、自分はこういう状態のところにいるんだ」と味わうことです。

例えば怪我をしたら治るまで痛いですよね。
その時に、怪我をして痛いのを嫌だと言っても、
痛みは逃げていきません。
「嫌だ嫌だ」と思えば思うほど痛みは強くなるのです。
でもそこで、なぜ自分が怪我をしたのかを振り返り、
「不注意だったし、
心の持ちようも冷静ではなかった。
だから神様は、こういう怪我を与えてくださった。
この痛みをしっかりいただき、
今後怪我をしないようにしていかないといけないな」と思い
ありがたい気持ちが湧いてくると、
嫌だと思っていた時よりも
痛みは確実に小さくなります。
そして、心が前向きだと怪我の治りも早いのです。

だから、眠れない時には
眠れないまま過ごしたらいいんです。
ここで問題なのは、事が起きる前に
「そういうふうになったら、どうすればいいんですか?」と
聞いてくるちよこさんの癖です。
確かに、今まではそうだったかもしれません。
でも、もしここで
あなたが僕に賭けるというのであれば、
私たちはあなたの人生を変えるために
お預かりするわけです。
あなたは一日、二日、三日と確実に変わっていくわけです。

ですから、
それは日にちが経って変わっていったあなたが、
その時その時に考えればいいことです。
あなたの癖は今のこの状態で、
「もし私が1週間ここにいて、
こういうことが起きたらどうしたらいいんですか?」と聞くことです。
1週間経ってみないとわからないことを、
あなたは既に悪く考えているのです。
まず、そういった考え方を改めないといけません。

賭けるというのは、今までは
自分一人でやってきても良くならなかったのだから、
それを何とかしてくれる対象に賭けるということです。
だから、僕の言うことを
素直に聞いてくれないとなかなか治りません。

僕がここでケアを引き受ける条件は、
「このままではいけない、何とかしよう」という心と、
「あなたに賭けますから、
よろしくお願いします」という心を持っていることです。
人の言うことを信用しないし、
このままで治す気が無い人には、
「あなたにはもうちょっと苦労が必要ですね。
その気になったら、また来てください」と言います。

ちよこさん:
私の場合はどうでしょうか?

いさどん:
あなたの場合は、
もう十分こりごりしていますからね。
その気があるのならお手伝いは出来ますので、
気持ちよくこういうことを卒業して、
良い人生を送っていただきたいと思います。
あなたが健康になることは
世の中のためにもなりますし、
神様も意地悪して
こういうことをしているわけではありません。
「気づけ、気づけ」と
その人にふさわしいものを
与えて下さっているわけですから、
早く勉強して次のところへ行かないといけません。

全てありがたい
と思えるようになれば大丈夫です。
そのうちに、そういうことも懐かしくなり、
それこそ良くなってくると
皆に話して聞かせるようなことにもなります。

ちよこさん:
そうなったらいいんですけどね。

いさどん:
「そうなったらいいんですけどね」という言葉の裏には、
「私にはならないですよ」という心が働いています。
物事は因果応報といって、
良く考えれば良いことが起きますし、
悪く考えれば悪いことが起きるようになっています。
痛い思いをするのはつまらないことですから、
もう少し賢くなって痛くなる前に、
「今、私の悪い癖が出たな。
このまま行くと
また悪いことが起きるのだからやめとこう」と思うと、
神様も「そうか、
痛い思いをせずに学ぶようになったか。
それが私の求めている心だぞ」
と言って喜ばれるわけです。
そして自分も喜べる。
それが人生の目的ですから、
もうちょっと賢く生きましょうね。

ちよこさん:
わかりました。
わかっているんですけど。。。

いさどん:
ここでは「けど」はご法度ですよ。
「けど」は二心ですから、
嘘をついているのと同じです。
これは僕のためではなく、
あなたのためにならないからです。
ここでは、「わかっているんですけれど、
やれないんです」と言うと、
「わかっているのならやればいい。
やれないはいらない」と言われます。
それだけのことです。
そうすればたちどころに良くなります。
僕と話していると、
ちょっと楽になってきませんか?

ちよこさん:
はい。ちょっと楽になってきました。

いさどん:
この調子でいけばいいんですよ。
僕の調子に乗せられていけば良くなります。
でも、僕の調子に乗せられただけではダメです。
それは僕の力ですから。
それを自分で練習し
マスターして自分のものにしたら、
どこにいっても「けど」は言わなくなるし、
賢く生きていけます。

はい!そこで「けど」と言わない!
今言いかけたでしょ?

自分の心の種を知って変えさえすれば、
あっという間に良くなります。
自分がいただいた心の種は、
長年自分が育ててきたのだから、
自分で取り去っていきなさいというのが、
この病気を通して伝えたい神様の意志です。

ちよこさん
でも自信がないんです。

いさどん:
それは当たり前です!
自信がないから、
ここに来ているんですよ。
僕には治す自信がありますが、
これはキャッチボールですから、
こっちに治す自信があっても、
僕が投げたボールを受けとめなかったら、
ボールは向こうにいってしまいます。
受けとってくれないとダメですよ。
そうすれば絶対に良くなります。

最初は死にたいって話だったのに、
こうやって話していくと何となく面白いでしょ?

ちよこさん:
そうですね(笑)

いさどん:
そうやって笑って、
問題事も笑っていくと、
笑いが厄病神を追っ払いますから。
その調子でいけばいいんですよ。
ところで、やる気はあるの?

ちよこさん:
はい。

いさどん:
それならやりましょう。
あっという間に良くなって、
こんなバカバカしい人生はやめて、
気持ちのいい人生を始めましょう。
この調子で笑いながらやれば大丈夫ですから!
自分が暗くなるようなら、
人のペースに乗って
明るくなるようにすればいいんです。
そして自分のペースにすればいいのだから。
結構楽しい時間だったでしょ?

ちよこさん;
はい(笑)

いさどん:
半分とは言わないけれど、
3分の1くらいは良くなったようなものですよ。
この調子でいきましょうね。

将来、こういったことも
思い出にしていかないといけません。
「昔、私はこういうふうだったんですよ」と。
ここへ病気で来て
健康になって社会に戻っていった人が沢山います。
僕が卒業していった人に言うのは、
「病気を克服したということは勲章です」
ということです。

人間は自分のことばかり考えて
生きているものですが、
世のため人のために生きて初めて
価値を積んでいくことが出来るのです。
以前のあなたと同じように
苦しんでいる人が世の中には沢山います。
それを克服した人は、
「私もそうだったんだよ。
だから心配せずに
こういうふうにするといいよ」と伝えると、
徳積みになるし、
人を救えるんです。

だから、今のこの悪い状態というのは、
神様が良い役割を与えようとされているのに、
あなたがそれを学んで克服しようとしなければ、
その役割は出来ず
勲章はもらえないということになります。
そして、神様の中でも
厄病神や貧乏神と
仲良く付き合っていくということになります。

厄病神も貧乏神も
「ここは居心地が悪いから」と言って、
しゅるしゅると昇天していくような姿勢を
あなたが取れば簡単です。
そうすれば、心も体も自然と元に戻ります。
あとは信じてやっていきましょう。
結構楽しかったでしょ?

ちよこさん:
はい、そうですね(笑)

いさどん:
そうそう、笑っていかないとね。
笑いが一番!
でも、「笑いましょう。
ありがとうと言うのがいい」と言って、
おかしくもないのに笑ったり、
何にもありがたくないのにありがとうと言うのは
何も効果はありません。
心から笑えて、ありがたい
と思えるような心を取り戻していきましょうね。


ちよちゃんの心の報告・中編

3月2日からここに滞在し、
5日から心の体質改善のためケア滞在をスタートしたちよちゃん。
ちよちゃんの心の報告・前編」に続き、
今回はちよちゃんの大人会議での心の報告・中編を紹介したいと思います。

3月20日
今朝両親が帰って気が抜けたのか疲れと腰の痛みが来て、
正直作業を休んでゆっくり寝ていたいという気持ちになりました。
でも、「今日まで頑張ってきたのだからもう少し頑張ってみよう」と思い、
作業に出ることにしました。

まこっちゃんに、「一生懸命やって一つ自分を越えられると、
変わっていく自分を楽しめるようになるよ。
何か問題が起こっても、
『変わるチャンスをもらってありがとう』と受け取ると、
変わる楽しみを持てるよ」と言われ、
その言葉を頭に入れて草取りをしました。

あまりにもだるく腰も痛かったので、
「午後は帰って休もう」と思いましたが、
みほちゃんに「午前作業に出られたのだから
午後も行けるよ」と言ってもらいました。
今日は、沢山の人の言葉で一日を終えることが出来ました。

そして奇跡が起きました。
あれだけ腰が痛く足がしびれていたと思っていたのに、
しゃきっとして全然痛くない自分がいて、
何でも気の持ちようだと気づきました。
今は、まだ気持ちがすっきりせず、もやもやしていますが、
一つ一つやっていったら何か見える日が来るのではないかな、
と思って小さな一歩を喜んで歩みます。

いさどん:
「ダメなんだ」という自分から、
何かアプローチしてみたら違う自分がいた、という新しい自分との出会いですね。
怠ける自分がいるということについては、
そういう自分がいるのなら自己責任でどんどんやってみればいいと思います。
ただし、嫌だなと思う自分がいつもついてまわりますが。

3月22日
影やネガティブな方ばかり見ている自分から、
苦しいことも善きことのためにあるという光の方に
眼を向けられる自分に変わってきました。
今起こっているもやもやも、
いずれすっきり晴れる日が必ず来るのだと信じられるようになりました。
今までだと疲れたとか腰が痛いとか色々なことを考え、
もやもやしながら作業をすることが多かったのですが、
今日は眼の前の作業だけに集中出来る自分がいました。

今日は種植えをしたのですが、
勢いあまって別のところに種が飛んでいってしまいました。
でも、最初に置いた種と今飛んでいった別の種を
冷静に見分けることが出来たので、
やればちゃんと出来るのだと思いました。
これからもごちゃごちゃと色々なことを考えず、
眼の前のことに集中していこうと思います。

影から光の部分に眼を向けられる自分に変わったなと思った時に、
いさどんを見たら頭がすごく光っていて(笑)、
後光が射しこんでいるようで、前向きに考えられるなと思いました。
沢山エネルギーをいただきました。いさどん、ありがとう!

皆からのコメント:
笑いで報告を終えるなんて余裕が感じられて素晴らしい!
どんどん顔が変わってきているね。その調子でやっていきましょう。

3月25日
最近体調が悪くてしばらく大人会議に出られなかったのと、
「皆さんが日々進歩しているな、自分の癖を手放しているな」と思った時に、
「じゃあ、自分がどうなんだろう?」と思ったらわからなくなってしまいました。

昨日作業をしながら皆さんと話をしていた時に、ある方がいらっしゃいました。
「見ない顔だね」と話しかけられので、
「心のケアでここに来ました」と言ったら、
「自分で『心のケアで来た』って言うぐらいだから、よっぽど重症なんだね」
と言われてショックだったんです。
自分は順調にいっていると思っていましたから。

正直、「あなたに言われたくありません」とカチンときている自分もいました。
以前の私なら言われたショックで寝込み、
何日も、時には1週間もぐるぐると頭で考え、
落ち込んでしまう自分がいたのですが、
「ショックだけど、何かを学ぶ課題なんだろう」と前向きに捉えることにしました。

始めはたまらず和子ちゃんに聞いてもらいましたが、
話すと少し気持ちが落ち着いてきました。
なかのんに、「調子どう?」と聞かれたので、
「このことから何を学べばいいのか考えているんだ」と相談しました。
話しているうちに、
何かを言われても動揺しない自分になるための課題なのだと気づきました。

ひろみちゃんや皆に、
「ちよちゃんが立ち直っていくことが皆に力を与えられるよ」と言っていただいて、
こちらも自信と励みになりました。ありがとうございます。

3月27日
昨日のことなのですが、
自分の中で自分の問題だと思っていたのと、
事も事なので、皆の前で話すのはすごく考えました。
でも昨日、話の流れでかずこちゃんに相談することがあり、
かずこちゃんから「いいことだけ言うのではなくて、
本当に辛かったことを皆に言う方が楽になれるよ」と
アドバイスをもらったので、思いきって言おうと思います。

ここに来たばかりの頃、何でも悪い方に考える癖と、
過去にあった辛かったことと今がごっちゃになってしまって、
皆を信頼するよりも恐怖心に捉われて
身動きが取れなくなっていた時がありました。

中学校時代にいじめられていたこともあって、
男性不信になっていた時に、
追い打ちをかけるような出来事がありました。
10年前、男性に乱暴をされたことがありました。
皆さんはそうではないと信頼しているつもりでいるのに、
その時の恐怖心が蘇ってきて
怖くて眠れない時期がここに来てからもありました。

自分の中では10年前のことだし、
人にも話せるようになっていたので、
大分消化していると思っていたのですが、
まだ根強く残っていたんだなとわかりました。
それと、何でも怖がる自分の癖がまた出たなと思いました。

今日、かずこちゃんやちなっぴ、みほちゃんに聞いてもらえて、
皆に言えたことで、今まで心の中で重かったことが軽くなりました。
明日からまた一歩踏み出せると思います。
これからは前向きに考えて、
昔あった怖いことと今を一緒に考えてしまう癖を手放そうと思いました。

いさどん:
こうやって一つ一つ自分を変えていくということです。
皆の言うことを素直に取り入れ実行しているから、
いい感じでやっていますね。
顔の色が綺麗になってきました。
来た時は顔色が赤くて、薬が残ってこもっているような感じでしたが、
今は薬が取れてきたという顔になってきました。

ちよちゃん:
自分でもわかります。
ここに来る前は何も考えられなくて、ぼーっとしていました。

いさどん:
今は、しっかりと考えられるようになりました。
病気になる前よりも、
しっかりとした捉え方が出来るようになったのだと思います。

ちなっぴ:
今日ちよちゃんと、ケア相談で来ていたゲストの親子と
一緒のテーブルでご飯を食べたのですが、
ちよちゃんは自分が過去に入院したことや
薬を飲むことを卒業出来たことをとても嬉しそうに二人に語っていました。
ちよちゃんは良い宝物を持っているな、
過去の経験をもとにして次の人に伝えていく役割を与えられているんだな、
と思って嬉しくなりました。

ちよちゃん:
ありがとうございます。
宝物という言葉がすごく胸に響きました。
今までは、拭いきれない傷、
悔やんでも悔やんでも消えない傷と思って
ずっと辛かったんです。
でも、それが宝物に変わる瞬間があるんだと思ったら、
今の言葉で胸が一杯になりました。

いさどん:
宝物という表現もありますが、僕は勲章と言います。
勲章は、立派な功績を残した人に与えられるものです。
自分が生きた結果が
世のため、人のためになった人に与えられるものです。
ちよちゃんの経験が既に人のために活かされていて、とても素晴らしいですね。

3月28日
昨日は、ずっと抱えてきた心の傷を皆に聞いてもらって、
また一つクリアになれた気がしました。
皆さんが、いつも私が安心して話せるように心を開いてくれて、
いつも真剣に考え向き合ってくれてありがとうございます。

今日は、きくらげの作業で、
ちいままさんやりおちゃんと一緒でした。
色々な話をしながら、沢山の人と出会って
つながっている私は幸せだな、という気持ちが出てきました。

昨日、自分の過去からの思いを手放して明るい気持ちになり、
今日思いきって元主人のお姉さんの娘が卒園式だったので、
元主人に電話してみることにしました。
留守電だったので、「卒園おめでとう」とメッセージを入れました。

今、元主人の視点で、
今までの自分を客観的に見ることが出来るようになりました。
病気に逃げてどうすることも出来ないと思いこんでいた自分、
自分から良くなっていこうという気力が全くなかった自分が見えてきました。
元主人が、「俺がどんなに頑張っても、ちよを楽にすることは出来ない。
どんなに頑張ってもダメなんや」と泣いていたことを思い出し、
彼から深い愛をいただいていたことに気づきました。
だから、本気で変わろうと決心しました。

共通の友人にも、木の花ファミリーの「いさどんブログ」に
私のことが載っていることを報告しました。
彼のお姉さんも、私のことを心配していると聞いていたので、
「今は生まれ変わって、楽しく過ごせているよ」と伝えました。
「声がすごく良くなって明るくなったね」と言われ、嬉しくなりました。

今日、お風呂でゆみちゃんと一緒になった時に、
「昨日、よく話したね。辛かっただろうけど、
心にしまっておくより話せた方が心が楽になれるから良かったね。
ここは安心出来る場所だから、
これからも手放していくといいよ」と言われました。
皆に話せて一日一瞬生まれ変わっていることを実感するようになりました。
皆さんのおかげです。本当にありがとうございます。


ケア卒業生けいこちゃんのインタビュー

去年の9月14日から1ヶ月のケア滞在、
その後1ヶ月半の生活体験をしていたけいこちゃんが、
先週末木の花に帰ってきました。
けいこちゃんがうつ病になった経緯から、
滞在の振り返り、そして近況についてのインタビューを、
皆さんともシェアしたいと思います。

ようこ:
まずは、けいこちゃんがうつ病になった経緯から話してもらおうかな?

けいこちゃん:
もともとうつ病になりやすい気質があったと思うんですが、
うつ病と診断されたのは10年前のことですね。
ある日突然、自律神経がおかしくなって動けなくなってしまいました。
今思うと、元夫がつくった借金を返すために、
ものすごく忙しい日々を1年間過ごしたことがきっかけだったと思います。
その過労とストレスでうつ病になったんだと思います。

うつ病が発症した2年後に、
自殺念慮が強くなり2ヶ月間入院し、
この時から抗うつ剤や精神安定剤を飲むようになりました。

ようこ:
入院中の2ヶ月はどういう毎日を過ごしていたの?

けいこちゃん:
薬を飲んでほとんど寝ている状態でした。
最初の1ヶ月は個室だったのですが、
あとの1ヶ月は相部屋になり
他の精神患者さんと仲良くなって昼間に散歩したり、
一緒に行動することが多くなりました。

ようこ:
自殺念慮が強くなって入院したということだけれども、
入院中の心の状態はどうだったの?

けいこちゃん:
多分薬のせいで、ほとんど考えられなかったですね。
病院側が考えさせないというか。
でも、退院したら前以上に自殺念慮が強くなり、
状態が悪化していました。
退院することがすごく恐ろしくて、
「社会に馴染めるだろうか。
ちゃんとやっていけるだろうか」とすごく不安で、
そういう思いを拭い切れないまま退院してしまい、
またひたすら寝込んでしまいました。

ようこ:
退院してから木の花に来るまでの8年間は、
ひたすら寝ている毎日だったの?

けいこちゃん:
長いこと寝込んだ後に、
「働かなくちゃ」という焦りから少し気合いが入り、
ちょっと就職活動をして働いてみる。
でも、張りきりすぎて続かなくてまたやめる。
そういう繰り返しが何度かありました。
そしてその繰り返しから抜け出そうと
完全に仕事をしない期間を設けたら、
そのまま2年くらい引きこもってしまいました。

ようこ:
ここに来るまでは、薬を飲む以外に
うつ病に対して何か治療を受けたことはあるの?

けいこちゃん:
カウンセリングも受けたし、1年半前には
「内観療法」という民間でやっている治療法も1週間受けました。
一日中、一人の人、例えば母親なら母親のことをずっと考えて、
今まで母親にしてもらったことや、してあげたことを
ひたすら思い出すという作業をしました。

ようこ:
それでうつ病に効果はあったの?

けいこちゃん:
内観道場にいた1週間の間はあったと思います。
ありがたい、頑張らなきゃという気持ちになれて。
でも内観する、自分の心と向き合う、
過去を思い出すという作業がとにかく辛くて、
持続出来ませんでした。
同時に断薬も勧められて取り組んでいましたが、
副作用もひどく、1ヶ月後にはまた薬を飲むようになりました。

ようこ:
薬を飲むことでは、どういう効果があるの?

けいこちゃん:
副作用として、心と体と頭が
別々の方向に行っているという分離感があり、
頭は痛いし、ぼーっとするから集中出来ないけれど、
薬を飲まないよりはずっといい。
薬が切れてきたなと思うと、怖くて不安で、
いてもたってもいられなくなって飲んでいたのを覚えています。

薬には筋肉の弛緩作用があるので、リラックス効果はあります。
その反面、体がだるくなったりこわばったりするけれど、
薬がないと緊張したりパニックになったり、
ものすごく警戒するという症状が出ていました。

ようこ:
カウンセリングはどうだった?

けいこちゃん:
保健士さんや心理士さんからカウンセリングを受け、
時々お話を聞いてもらったりしていました。
話を聞いてもらって気は楽になるのだけれど、
アドバイスはあまりもらえないので、
問題の解決にはならなかったですね。
ただ、話しづらいことでも話せる人がいるという安心感はありました。

ようこ:
薬を8年間服用し、
内観療法やカウンセリングを受けながらも、
うつ病が良くならなかったということで、
ここの自然療法プログラムを受けることになったんだよね。
ここのことはどうやって知ったの?

けいこちゃん
去年の2月頃、インターネットで
「うつ病」、「自然療法」で検索したら、ここのことを知りました。
薬には限界を感じていたので自然療法に興味がありましたし、
有機農業にも関心があったので、
自分が考えていることとここは近いなと思っていました。

でも、私は疑い深い性格なので、
ここが発信している情報からではなく、
外部の色々な人の訪問体験記を読んで
ここについて判断したいと思ったのだけれど、
どうも今一つわからない。
だから、これは自分で見るしかないと思って、
9月14日にここを訪れることにしました。

ようこ:
2月頃ここのことを知ってから9月に訪れるまで
半年くらいの期間があったのだけれど、この間は何かあったの?

けいこちゃん:
実は、8月の末に東京で
最新医療の治療を受けに行こうとしたんです。
強い電磁波を頭に流し、無理やり血流を良くするという治療法で、
電気ショックが進化したようなものです。
それを受けにいこうとものすごく気合いを入れて東京に行ったのですが、
主治医の先生が診察中にあくびをしたんですね。
それで、私はすっかりやる気を失ってしまったんです。
そこで、今まで行こうか迷っていた
木の花に行くしかないということで訪問に至りました。

ようこ:
その電磁波療法ってちなみにいくらぐらいするの?

けいこちゃん:
トータルで2ヶ月くらい入院して50万くらいします。

ようこ:
それを1回受けると、うつ病が治ると言われているの?

けいこちゃん:
それが効く人でも60%で、しかも60%のうち、
再発するのがほとんどだそうです。
それを主治医さんから聞いたら、すっかり嫌になってしまいました。

それで、「これが最後かな」という思いで木の花に来たんです。
来たのはいいけれど、本当に私は疑い深い性格なので、
「私は絶対ここにはだまされない」と思っていたのを覚えています。

ただ、自分がこの病気になったのは、
何となく自分が呼びこんだものだとは漠然と思っていました。
自分の元々の性格、気質がこういう病気となって現れたんだと。
それをいさどんに、
「自分の中にある種が原因ですね」と明確に言われたことで、
ここに賭けてみようという気になりました。

今までのカウンセラーさんには、
いさどんのように何かを指摘されたことはなく、
「それであなたはどう思ったんですか?」とか、
「それであなたはどうしたんですか?」と言われるだけでした。
私がアドバイスを求めれば、
「ゆっくりしたらいいんじゃない?」とか、
「あまり気を揉まないようにね」と当たり障りのないアドバイスはしてくれましたが、
根本の解決策はもらえませんでした。

だから、「いさどんは今までのカウンセラーさんとは違うぞ、何ものだ?」と思いました。

ようこ:
実際ケアをスタートしてみてどうだった?

けいこちゃん:
来たばかりの頃は、びくびくおどおど、
ぐずぐずめそめそしているような状態で、
自分も他人も信じられないし、
自分も消えてしまいたい、
皆も消えてしまえばいいと思っていました。
とにかく辛かったというのを覚えています。

家にいる時は寝てばかりの生活だったので筋肉も弱っていたし、
座っているのも辛い状態で、
なにしろ普通のことがまともに出来ませんでした。
大勢の人の中で色々なものを見たり聞いたりするのも辛く、
頭が一杯になって混乱するので、
しばらくの間は耳栓をしながら食事したり、大人会議に参加していました。

ようこ:
大勢の人の中にいるのがストレスと言いながらも、
けいこちゃんが部屋にこもっていたという印象はなかった気がするけれど。

けいこちゃん:
ここに来るまでは昼夜逆転した生活を送っていたから、
それを直すきっかけにしたいと思っていました。
とりあえずお昼頃までには起きて夜に寝る。
夜まで寝ないようにするために、仕方なく皆の中にいたんです。
ここに来るまでは夕方起き出して夜に寝て、
1日15時間くらい寝ていましたから。

だから最初は、午前の10時頃には起きて
食事のお手伝い等出来ることをするようにしていました。
10日後にはここでの生活にも慣れてきたので、
朝起きて農作業にも出られるようになりました
こうして徐々に規則的な生活リズムが出来てくるようになり、
この頃から減薬にも取り組み始めました。

ようこ:
そしていさどんから、
「減薬から断薬を目標に、自分を信じてやっていこう」という話もあって、
2週間後には断薬したんだよね。

けいこちゃん:
はい。実は私より10日遅れて、
あっくんと快児くんがケアをスタートしたんですよね。
彼らは来てすぐに断薬して、
辛そうながらも不眠ながらも、作業には出ていた。
その姿を見て、「私もやめなきゃ」と思ったんです。
「後から来たのに先を越された!
私は何をやっているんだろう」と思えたのは、本当にありがたかったですね。

ようこ:
けいこちゃんは断薬しながらも、
引き続き規則正しい生活を送り1日中農作業に出ていたよね。

けいこちゃん:
すごく楽な作業にしてもらっていたんです。
断薬中は、体がこわばって、
眼を開けていられないような症状が出たり、
心と頭と体の分離感がありました。
2日目頃そのピークが来て、
ピークを越えたな、嬉しいなと思っているうちに、
いつの間にか1週間後には症状がなくなっていたという感じです。

だんだんすごくいい感じでここに巻き込まれていって、
もっともっとここのことを知っていきたいとか、
色々なことを聞いていきたいという気持ちが出てきて、
自然に耳栓も外れるようになりました。
自分の中では、「なんか変わったな、不思議だな」というふうに思っていました。
ここは善意の中で皆が暮らしている、
すごく信頼できると思うようになり、
どんどん安心して自分の身も心も委ねていけるようになりました。

ここにいて、自分の説明出来ないもやもやとした気持ちを持っていると、
自然と他の人がタイムリーにそれをわかりやすく伝えてくれて、
そうやって自分の心を理解していくことができました。
日々作業をしながら、自分で心の癖に気づいたり、
皆からのアドバイスで自分に問題のあるところを直していきながら、
心身ともに健康になっていったように思います。

ようこ:
その後も順調にケア期間を過ごし、
見事1ヶ月でケアを卒業することになりました。
その後も「自分の心の癖をどんどん見つけていきたい」ということで、
1ヶ月半の生活体験をしたよね。
それはいつ頃から考えていたの?

けいこちゃん:
ケアをスタートしてから1ヶ月になろうとしている時に、
「そろそろいさどんと話をすることになるだろう。
もしかしたら卒業かもしれない」と思っていました。
でも、自分としてはこのまま社会に出るのは中途半端な気がしていました。
外で働くことに対する自信のなさや、
自分には先案じする癖や心配性なところ、焦る癖があるので、
そういった心の癖をしっかりコントロールできる自分になりたいと思ったんです。

病気はもう治ったし、また自分が病気に戻ることはないだろう。
あとは、自分に病気をもたらした心の癖を理解して、
自己コントロールできるようにマスターできたらいいなと思い、
引き続き滞在することにしました。

ようこ:
けいこちゃんのうつ病が治った一番の決め手は何だったと思う?
ここに来る前に飲んでいた薬でも、
内観療法でもカウンセリングでも治らなかったわけだよね。
ここの何がうつ病を完治させたのかな?

けいこちゃん:
安心感ですね。
本当に疑い深い私でも、ここは疑う必要がない環境なんです。
最初は、日々の生活の中でも大人会議でも、
皆がお互いに対して色々な指摘をしているのを聞き、
「なんて厳しいことを言うんだろう。
そんなに言わなくてもいいんじゃないの」と思っていました。
でも、皆がものすごい時間とエネルギーをかけて
相手に伝えているのを目の当たりにした時に、
皆の中にある善意がわかってきたんです。
「善意なんだ、安心していいんだ」と思えるようになったのが、大きかったですね。

あとは、自分を見ていくということもポイントだったと思います。
大人会議で皆が自分の心をシェアしているのを見て、
「これは自分にもあるな」と自分を重ねて振り返ったり、
「自分だったらどうだろう?」と思っていくうちに、
自分の心について客観的に見られるようになり
自分の頭の中でぐるぐる考えを巡らせないですむようになりました。

病気だった頃は、
自分には色々な癖があることを頭ではわかっていたんですが、
自分のことを否定的にしか見られず
「わかっちゃいるけどやめられない」という感じでした。
しかし、ここに来てからは、
自分を受け入れることですごく楽になれることを知り、
「自分を見つければ変われるんだ」と思えるようになりました。

ようこ:
例えば、どういう自分を見つけたの?

けいこちゃん:
取り繕っている自分や
人に評価されたい、認められたいという自分、
目立ちたがり屋な自分などですね。
心配症な自分やすぐ不安に感じる自分については、
「これは大きな癖だな、ちょっと解決が難しいね、けいこちゃん」と
肩をたたいてあげたくなるような感じですが(笑)。

日々作業をしながら、
自分の心の気づきをまわりの人とシェア出来たり、
アドバイスをもらえたことも大きかったですね。
「気がついて良かったね」という皆からの言葉も励みになりましたし、
皆から言ってもらったことはとりあえず何でも受けとめてみようと思っていました。

「安心感」と「自分を見ていくこと」、そして「皆からの言葉がけ」の3つが、
自分のうつ病が良くなったポイントだと思っています。
皆の言葉というのは、直接自分に対するものも、
皆が他の人に対して伝えるものも、その両方が役に立ちました。

自分の癖が出た時に、「あっ、出たな」と
自分ですぐ気づけるようになったのは大きな収穫です。
出る前に気づくようになるのは、まだ難しいですね。
でも、癖が出てから自分が気づくまでの時間は確実に短くなってきています。

ようこ:
「自分の心を見ていくのが楽しくなってきた」と言うけいこちゃんは、
ここを卒業してからも確実に良い方に向かっているね。
けいこちゃんはケアを卒業してからの4ヶ月半、
ご両親と一緒に暮らしているんだよね。ご両親の反応はどう?

けいこちゃん:
「すごく話しやすくなった。
ご飯を一緒に食べて、片づけも一緒にやって、
その後一緒に同じ部屋でテレビを見ているのが信じられない!」と両親が驚いています。
「笑顔が出るようになってすごく嬉しい」と母親が泣いていたこともありました。
うつ病が発症してからの10年くらいはそういうことがありませんでしたから。

以前は私が過剰に反応するので、
両親ともすごく私に気を遣っていました。
当時は、自分が過剰反応をしているという意識はなかったのですが、
向こうが気を遣っているのはわかっていて、
「ほっといてくれればいいのに。
とにかく私はいないものと思ってほしい」と思っていました。

でも今は、すごく穏やかに皆で暮らしています。
規則正しく暮らせていますし、
半年近く薬を飲まなくてもすごく良い状態を保てています。
ここで沢山のことを学ばせてもらい、
親が死ぬ前に良くなって本当に良かったと、とてもありがたく思っています。

ようこ:
11月30日にここを出て、
12月10日頃にはお兄さんの経営しているお店でアルバイトを始めたんだよね。

けいこちゃん:
実はここを出る前に、将来に対する不安が出てきていたんです。
でも、「不安はあるけれど、どうなるか楽しみにしていこう」と
いう気持ちになれたのは、ここのおかげだと思っています。
全て自分が種を播いているのだから、
良いイメージを持てば良いふうに返ってくる、
自分を信じることが大切ということをここで学びましたから。

働き始めてみて、お兄ちゃんは
私がすぐに休みたい、早退したいと言い出すのではないかと懸念していましたが、
「今のところ一度もそういうことがないからびっくりしている」と言っています。

最初は自分の癖で必要以上に張り切りすぎてしまいましたが、
最近は慣れてきて良い感じにやれるようになりました。
これからは、もう少し働く時間も増やしていけたらいいなと思っています。

ようこ:
けいこちゃんは10年近くうつ病を患っていたんだよね。
けいこちゃんがうつ病になったことで学んだことは何かな?

けいこちゃん:
誰でも色々な癖を持っていると思うのだけれど、
私は現象として病気というわかりやすいものをもらいました。
そういうわかりやすいものをもらって良かったなと思っています。
これが病気として現れず、
自分の心の種に気がつかないで生きていたら、
もっと大変なことになっていたかもしれない。
ここで気づけて、修正出来て本当に良かったと思っています。

ようこ:
そうだよね。その心の種が病気として出るか、
人間関係のトラブルとして出るか、交通事故として出るか、
金銭的な問題として出るかの違いだけだから。
けいこちゃんの場合は病気として現れ、自分の学びとなったんだね。

けいこちゃん:
その渦中にいる時はもちろん、ものすごく苦しかったんですが、
こうやって治ってしまえば本当に良かったと思います。
人間関係でも何でも、
自分の本質、心の中にある種を
自分に見せてくれるものなんだなと今は確信しています。

だから、もしこれから具合が悪くなったとしても、
「自分の心を見る」という処方箋があるので、
ある意味安心して具合が悪くなれるような気がしています(笑)。
「心を見る」というのは何にでも効く、困った時の処方箋!と思っています。

ただ、自分一人で自分の心を見るのには限界があるし、
人からいただいた言葉の方が、
「そうか、じゃあすぐやってみよう!」という気にもなれます。
だから、お休みの時にここに帰ってきてこことつながりながら、
心の学びを実践していこうと思っています。

実は、ここを出てからの方が木の花の存在を強く感じています。
「木の花的にはこれをどうするだろう?」ということをよく考えます。
いさどんや皆からいただいた言葉を思い出し、
ブログや大人会議の議事録をヒントにしながら、
日々心の学びを実践しています。

ようこ:
今、うつ病の人が眼の前にいたとして、
けいこちゃんならどういうアドバイスをする?

けいこちゃん:
「自分を見ていったら?」と言います。
でも、うつ病の人はある程度自分の悪いところはわかっているんですよね。
それに捉われて自分を否定してしまい、
どんどんネガティブスパイラルに入っていき、
しまいには自殺してしまうという状態なんだと思います。
そう考えると、自分を見ていくというのは酷かもしれないですよね。

ようこ:
自分を見ていく見方が重要なポイントだよね。
自分を否定的に見るのではなく、逆に楽観的に見すぎるのでもなく、
客観的に見ることができればいいんだよね。
けいこちゃんの場合は、ここでケア滞在をすることによって、
客観的に自分を見ていくことをマスターすることが出来た。
ここで滞在するということは、その一つの手段だと思う。

最後に。10年前にうつ病の真っ只中にいた頃の自分に何て言ってあげたい?

けいこちゃん:
ここまで行き詰まっちゃったのね(笑)。
そうなる前に気がつけば良かったね。
でも気づけなかったからこそ、木の花と出会って
心を学ぶことが出来たのは本当に良かったと思っています。
うつ病でも社会のどんな問題事でも、
皆が木の花のような暮らしをしたら、簡単に解決すると思います。
すごくシンプルに、皆がつながり、調和して生きていければ。

ようこ:
つながるからこそ、安心できて、
疑う心や不安な心、ネガティブな感情が消えていくんだものね。

けいこちゃん:
つながるから、自分のことも他人のことも同じように思えるんだし、
そのことに皆が気づけばいいと思います。
私はここに来てそのことに気づくことが出来たので、
これからそういった心をまわりの人にも伝えていけたらいいと思っています。
今日は色々と話せて良かったです。
またすぐに帰ってきます!