16歳のお誕生日に3人の旅立ち

3月19日の夜、
3ヶ月の生活体験を終了した
ひーちゃん&みーちゃんと、
2ヶ月の農業体験を終えたカトケンの
いってらっしゃいコンサートが開かれました。
その2日後の21日は
木の花ファミリー16回目の誕生日ということもあって、
感慨深いコンサートになりました。
今回のブログでは、
3人の旅立ちの言葉と
いさどんからの贈る言葉を紹介したいと思います。

ひーちゃん:
僕たちが暮らす石川県の「いちの谷村」は、
雪深く孤立した集落なので
僕とみーちゃんでは越冬できないだろうと思い、
冬の間ここで生活体験をすることにしました。
正直ここに来る前は、
寝て食べられるところがあればいい
としか思っていなくて、
木の花の精神性を最初から
求めて来たわけではありませんでした。

とは言っても、いちの谷村で
エコビレッジを始めるということで、
その勉強はしたい。
農業についても自分たちは素人なので学びたいと、
どちらかというと、心の面よりも
現実に生活するために必要なことや
今後自分がしたいことを学ぶために来ました。
まあ、軽い気持ちだったわけです。

ただ、そうは言っても、
11月の始めに初めて1泊させてもらった時に、
「なんか、ここいいな、また来たい」
と思ったのは確かです。

12月に来てみて、最初の1ヶ月は
皆さんとの生活に慣れるのに一生懸命で、
がむしゃらに何も考えずにやってきました。
そして、1ヶ月経った年明けくらいから、
ここの心磨きというものを
意識するようになりました。
自分の正直を全部出し、
全てを共有して一つの家族として
やっていくということが、
日々の暮らしの中で
僕の感覚としてわかってきました。

そうすると、素晴らしいところだなと思う反面、
今までの自分の在り方とのギャップに辛くなり、
1月の後半から2月の始めは、
「3ヶ月まであと何日かな?」と
指折り数えているようなところも正直ありました。

でもそういった時期が過ぎ、
淡々と日々の生活をしていく中で、
皆さんの愛や場の空気、場の力によって、
ここにいるのが当たり前で
自然という感覚になってきました。

今はいちの谷村に帰るんだ
という思いもありますが、
ここも僕とみーちゃんのホームという感覚です。
「いちの谷村に帰ります、いってきます」と言いながら、
「またすぐここに帰ってきます」という思いでいます。

ここでの3ヶ月というのは、
今までの人生の中で一番濃密な時間でした。
こんな素晴らしい体験が出来て、
本当にありがたいなと思います。
いちの谷村に行ってどうなるかわかりませんが、
やるだけやってみようという思いでいます。
皆さんも遊びに来て下さい。
どうもありがとうございました。

みーちゃん:
ひーちゃんが言っていたように、
私もここに来るまでは、
エコビレッジというものが
どんなものなのか全然わかりませんでした。
でも、ここに来てみて
皆さんと生活しているうちに、
自然と自分の中に
染みついてきたように感じています。

いちの谷村に帰ったら、
ここのように心のある
村づくりをしたいと思っています。
そのためには皆さんの助けが必要ですし、
私自身も心を磨いていきたいので、
厳しい眼で応援して下さい。

また、いつでも遊びに来たいので、
その時は「お帰り」と言って下さい!
いちの谷村にも皆さん帰ってきてもらったらいいです。
その時には、「お帰り」と言いますので、
これからもよろしくお願いします。
ありがとうございます。

カトケン:
僕がここに来た時には、
もう自分を変えないとどうしようもない
という状況でした。
すがるような思いでここに来ました。

今眼をつぶると、
色々な人の言葉が聞こえてくるような感じです。
その時の自分にとって旬な言葉が
常に自分に吸収されているようで、
みんなの愛が伝わってきているな
という実感がありました。

ここに来るまでは、
「この社会は何かおかしいな、
何か変だな、何か足りないな」
ってずっと思っていました。
自分の中では心や愛が大切だと
ずっと思い続けていました。
ここに来てそれが嘘ではなかった
ということがわかったので、
すごく良かったです。
本当にありがとうございました。

いさどん:
僕も今カトケンが言ったように、
「この世の中は何か変だ、
今の人の在り様は変だ」
というふうに思っていました。
この世界には色々な生き物がいますが、
人間というのはそういった中で
最も性の悪いものではないか
と僕は思っていました。

自分たちが何かを得ようとする結果、
まわりのものや大切な家族、
自分すら壊してしまう。
自分の領分というものをわきまえず、
わがままや傲慢というものの
極みだろうと思っていました。

ところが、心を勉強していきますと、
問題事はそんなに悪いことではない
と思うようになりました。
病気でも何でも問題事をもらうと、
そこから勉強することが出来ます。
自分の中にその原因の種があることに気づき、
反省し、それを改めることが出来ます。

人間以外のものはそういうことが出来ません。
そういう意味では人間は尊いものです。
そうやって反省し改め、
学んで成長していくのが人間の特徴です。
学んで成長していくために
欲の心も与えられているんだと思うと、
人間であることは悪いことではありません。

僕はもう30年近く、
世の中の人たちの相談を受けてきました。
成功している人、
やることが何でも上手くいく人はいいのですが、
生きていると、
なかなかそうばかりはいかないものです。
何をやっても行き詰まっていく人、
不器用で自分のやっていることが
自分の禍になっていく人たちに、
なぜそうなっていくのか
ということを伝えてきました。

その結果、成功してきた人たちだけが
良い人生を生きているわけではない
ということに気づきました。
成功してきた人たちは、
今の自分の状態に問題点を感じないので
自分の心を改めるということをしません。
そして、もっと成功したい、
もっと物が欲しい、沢山あったらいい
という心になります。

そうすると、自由で
好き勝手に生きているようですが、
実はお金や物に縛られ、
不自由で狭い世界に生きていることになるのです。

私たちがこういう生活を始めてから、
3月21日で16回目の誕生日を迎えます。
志を持ってここを始めた人たちは、
これから何が起こるのかわかりませんでしたが、
この生き方は世の中にとって大切なことだと信じ、
それに人生を賭け、ここまで歩んできました。

最近は、ここのことを学びに
色々な人たちが訪れます。
でも相変わらず、
ここを訪れるほとんどの人たちが、
自分の考えとここの生き方が合うかどうか、
ここを自分が認められるか認められないか
といった観点から
私たちを見ているように思います。

しかし私たちは、
自分がこの生き方を好きか嫌いか、
認められるか認められないかということよりも、
自分の心が受け入れにくいことでも
大切なことだという想いで歩んできました。
自分たちのためというよりも、
世の中のために大切だからということで、
こういった生き方をしてきたのです。

今のように世の中の仕組みが
色々と行き詰まってくると、
ここへ学びに来る人たちが多くなってきます。
特に、体や心の病気を持っている人たちが
学びに来るようになりました。

通常、いってらっしゃいコンサートは、
体や心の病気を克服し
社会に戻っていくケア卒業生のために
開かれるものです。
しかし今日のコンサートは、
心やこういった生き方を学ぶために
長期間滞在をしていた
3人の旅立ちを祝うコンサートです。
これは16年間で初めてのケースです。

ひーちゃんは、
どことなく心もとなく
半分ケアみたいだと思っていたのですが、
今日の話を聞いていたら、
物事を道理で掴み、
自分の道に落とせる人になってきました。
成長したと思いました。

みーちゃんは、
外観は女性だけれど、
心は男性っぽくて拘りがあり、
決めつけるところがあると思っていましたが、
最近は、相手の心をちゃんと見て
自分の心を引いたり押したり
調整が出来る人になってきました。
大変バランスが良い人に成長したと思いました。

カトケンは、
学校の先生になりたいという割には、
先生になるどころか、
その前に社会で通用するような
しっかりした考えを持っていない
と思っていましたが、
今の話を聞いていたら、
この人の中に大事というのが
しっかり落ちてきたと思いました。
その大事が落ちた人は、
人の見本になれると思います。

そうやって一人一人が、
自分の心の中におみやげを持って
ここを卒業していくことが出来ると思うと、
新しい時代が訪れたと思っています。
ここを旅立って社会で
それぞれの道を歩んでいく
ということでもあるのですが、
皆が兄弟であり家族であり、
どこへ行っても
自分の家があるような
社会をつくりたいと思っています。

一般の社会でそんなことを
考えている人は少ないのですが、
どこへ行っても自分の家が
あるような世界が出来たら、
皆が笑って暮らせます。
今のようにあくせくしなくても、
もっと少ないお金や物で
幸せに生きられるようになります。
そうしたら、国も健康になるだろうし、
地球も喜ぶだろうと思っています。

そういった心を学び
巣立っていくということは、
まさしく木の花のメンバーが
世の中に散っていくということだと思います。
こういったことを昔、
皆と話し合いました。

「私たちはここで皆と仲良く
生涯を暮らすばかりではないよね。
この心が大切ならば、
いつでも役割として
日本中そして世界中へでも広まって、
この心を伝えられる。
ここの家族から離れたとしても、
同じように新しい
素晴らしい家族が出来ていく。
それならば、
どこに行ったっていいんじゃないの?
地球が家なんだから。」

この心が世の中に旅立っていき、
その結果広がっていくという
スタートの年なのかなということをふと感じて、
今日は記念すべき日だと思いました。

一人一人が
自分にふさわしい花を咲かせ、
それがつながり、
世の中に沢山の花が咲き誇っていく。
これから木の花、梅や桜、桃が咲く季節になりますが、
私たちも皆で美しい“個の花”を咲かせていきましょう。
今日はありがとうございました。


ちよちゃんの心の報告・前編

3月2日から有機農業ヘルパーとして
滞在していたちよちゃんですが、
今は農業のお手伝いよりも
自分の心を立て直す方が大切だと気づき、
ケア滞在に切り替えることになりました。
心身共に健全になろうと
一生懸命取り組んでいるちよちゃんは、
ほぼ毎日のように大人会議で
自分の心の動きを報告してくれています。
今回のブログでは、
ちよちゃんの報告・前編を
皆さんとシェアしたいと思います。

3月5日
昨日、いさどんと面接をして
今日からケアをスタートすることになりました。
私は今まで適応障害と診断されたり、
躁鬱だと思っていたのですが、
いさどんから、「病気じゃなく、
心のボタンの掛け違いだから
薬を飲む必要はないよ」と言われ、
それならやめようと思い、
薬を預かってもらうことにしました。

いさどんから自分の心の癖を
見つめるようにアドバイスされたので、
早速今日きくらげの作業をしながら
自分の心を見つめてみました。
病気に逃げる癖、雑なところ、
わからないのにやる癖、
限界までやるのに心配症、
すぐ諦める、どうしたらいいのか迷う癖など、
いろいろ出てきました。

今までは筋道の通る生き方をしてこなかったから、
人間関係が上手くいっていなかったことにも気づきました。
これからは、小さなことでも
皆の意見を聞く耳を持っていきたいと思います。

いさどん:
今までこの人は
一生懸命やるのだけれど見当違いで、
エネルギーが報われないがために、
辛く生きてきました。
一生懸命はいいのだけれど、
見当違いだと元も子もないから、
もうちょっと生き方の精度を上げていきたいね、
自分を知るということが大切と
昨日の面接で伝えました。
早速真面目に取り組んでくれて、
一生懸命変わっていこうとする心は
とても良いと思います。

今まで一生懸命でも
的を得ていなかったということは、
自分に優しくなかったということです。
自分のためになる生き方をするということは、
人のためにもなるということです。
ケアをスタートしてたった一日ですが、
まずは順調だと思います。

3月6日
作業中、飽きてきたので
散歩しようかどうか一瞬考えましたが、
今ここで散歩に行ったら
今までと同じだと思って、
草取りを続けました。
続けていくと細かい草を
黙々と取ることが出来たので、
良く頑張ったと自分をほめることが出来たし、
達成感も湧きました。

畑作業を一緒にしていた皆さんに、
以前私が自己啓発プログラムを買ったことや、
元主人との出来事を話したら、
「ちよちゃん、愛されているね」と言ってもらいました。
自分以外の目線から
元主人のことについて考えられたし、
自分の心を話せたので心が楽になりました。
今までは、やってしまった自分を責めていたんですが、
それが笑いに変わっていったので進歩したなと思いました。

皆に色々と言ってもらって皆から愛されていると感じ、
今日も沢山幸せです。
「本気で変わろうという気持ちがあれば変われるよ」
というアドバイスに励まされ、
勇気が持てました。
ありがとうございます。

3月7日
作業中疲れてきた時に、
「休んだ方がいいですか?」といさどんに聞いたら、
「また楽な方へ行こうとしている。
現実をしっかり生きなさい」と言われたことで、
今に意識を向けて感謝して生きようと思いました。

畑作業をしながら、
「雑に扱う癖があるから
丁寧にやることを心がけるといいよ」と
以前いさどんに言われたことを思い出したら、
注意して物事を進めている自分に気づきました。
ものを慎重にしっかりと捉えることを
心がけていきたいです。

3月8日
本当は昨日報告しようと思っていたのですが、
今日報告することにして
良かったなと思っています。
というのも、昨日は
良い気づきがいっぱいあってありがとうとか、
幸せだなと思っていたから、
自分は上手くいっているんだと思っていました。

でも、今日ひろみちゃんから、
「前向きに考えることと
楽観的になることは違うよね。
だから、人の意見を聞く時は
しっかりと受け取らないとね」と言われました。
その時に、「昨日ではなく、
今日発表することになったのは
このことだったんだ!」と思いました。

午前中、ハウスのゴミ拾い作業をする前は、
細かい作業で大変だなと思っていました。
でもやってみると、
だんだんハウスが綺麗になってきて、
自分の乱れていた心もこうやって
少しずつ良くなっているんだと思うようになり、
楽しくなってきました。
作業しながら歌っているひろみちゃんの姿にも癒され、
明るく頑張ろうと思いました。

ここに来る前は一日中
寝ていることが多かったのですが、
今日の午後、疲れて2時から3時まで寝てしまった時に
「1時間も寝てしまった!」という意識に
変わっていることに気づきました。
気をつけたら変われるんだと思って、
皆さんのお手伝いを
もうちょっと増やしていこうと思いました。

いさどん:
かっこ悪いところを出して
良い話というのは一番いいですね。

3月15日
1週間自分の心を見つめていたら、
不安や恐怖、
受け入れられない自分、
壊れていく自分、
もやもやが晴れない自分、
そのままでいいのかなと思う自分など、
自分の嫌なところが沢山出てきました。
電話でお父さんとお母さんと妹の声を聞いたら、
家に帰りたくなって、
すごく行き詰ってしまいました。

でも今日、離婚した主人に
今の自分を見せたらどうだろう?と思いました。
「もう帰った方がいいんじゃないか」と
思っている自分では、
幸せになるために離婚したのに、
何のために離婚したのかわからないなと思って、
やっぱりしゃきっとしようと思いました。

いつもぎりぎりまで寝ていたいという気持ちから、
もうちょっと早く起きて何かしてみよう、
1時間早く起きて散歩してみよう
という気持ちに変わりました。
今日一日明るく過ごせるように、
と思って起きることが出来ました。

この1週間、
自分が落ち込んでいて辛かったのですが、
今日その壁を壊すことが出来たのだと思います。
今までは恐れや不安で
「出来ない」という壁をつくっていたのですが、
それを壊して何でもやってみようと
思えるようになりました。

いさどんに、「私はこれから
ミラクルを信じようと思います」と報告したら、
「そうか、やっとわかったね」とほめて下さいました。
「ミラクル、神秘、神様の秘密は毎日訪れる。
それを感じるか、感じないかで
人生は豊かになる」と教えて下さいました。
自分はこれからミラクルを起こしていくんだ、
ということを真っ直ぐ信じていこうと思います。

いさどん:
ミラクルというのは、
自分の概念、枠を超えたものに
出会った時に起きるものです。
自分の考えを手放し、
いただく心になっていると、
当たり前にミラクルが起きてきます。

自分の状態が見えてきても
落ち込まなくていい。
良い自分でありたいということに拘っていると、
自分の良くない部分が
見えてくると落ち込みますが、
見えてきてよかったと思うことも出来ます。
これから、自分の色々なところが見えてくるのだから、
その度に落ち込んでいては
立ち直るのに時間がかかります。
自分の中にあるものが見えてくるだけだから、
それをしっかりと見るところからスタートです。

3月16日
今日は土ふるいの作業をしている時に、
カトケンから「もっと力を抜いて
やるといいよ」と言われたので、
今日は力を抜くことを意識してみました。
今まで私はドロドロした環境にいて、
ドロドロしている自分をすごく汚く感じ、
とても人に見せたくない、
人前に出たくないと強く思っていました。

でも、「何でも正直に出すといいよ」と
一緒に作業をしていた人から言われたので、
これからはドロドロしている自分でも
大人会議で報告しようと思っています。

もう一つの気づきは
いつも自分のことばかり
考えていることが多いから、
他人のことも考えられるようになりたいと思いました。

いさどん:
ドロドロしている自分に気づき、
報告したり、それを取っていくということは
いいことだと思います。
自分のことばかりというのは、
損得で物を考えているということです。
自分の損得だけを考えるということは、
偏った見方になるし、
結局損ばかりということにもなります。
相手のことも考え、
相手と自分のバランスが取れて
徳になるということに気づくことが大切です。

3月17日
今日は苗の草取りや
苗の土入れをしている時に、
苗を折らないよう丁寧に
作業をするように言われました。
食事の後のお皿洗いもそうなんですけれど、
一つ一つの作業を丁寧にしていると、
自分の心がだんだん綺麗に
なっていくような感じがしたので、
これからもそうしていきたいです。

午前中は、他の人の話でも
自分のことを言われているような気がして
パニックになりかけていました。
「やっぱりまた来た」と思って
午後の作業は休んだ方がいいのかな
とも思ったんですけれど、
立っていられない状態ではないし、
自分は自分、他人は他人という
見方もしないといけないと考えました。
そうしたら、パニックにならずにすんだし、
午後の作業にも出れたので、
これからは体が反応したとしても、
そういうふうに考え
行動していこうと思いました。

いさどん:
良い話です。
そうやって自分の心の動きを
客観的に判断出来るようになると、
パニックを起こさず
自分をコントロール出来るし、
他人とのキャッチボールも
上手に出来るようになります。

みほちゃん:
ちよちゃんは一生懸命すぎるくらい
丁寧に除草作業をしていたので、
そんなことを考えていたなんて
全然知りませんでした。

いさどん:
自分の心を正直に出すことによって、
よりお互いをわかり合えます。
これはすごく大事なポイントです。
自分がわかっているから
他人もわかってくれているはずと思って、
自分の心を出さないと、
全く別のことを相手が思っている場合もあるし、
自分も相手が考えていないことを
勝手に思うこともあるので、
いつも正直に自分の心を出すことが大切です。

3月19日
今日は体の疲れがどっと出ていて、
ひろみちゃんに「作業に行きます」
と言ったものの、
正直寝ていたいと思っていました。
寝ていたいという自分の癖が
出てきているのかなということと、
辛いなと思いながら作業をしていて、
すっきりしない自分は
どうなんだろうと思いました。

先週も作業を出ずに
寝ていたいと思う時期があって、
今週も今そういう時期が
来ているんですけれど、
まこっちゃんから、「それを越えると
また変わっていけるステップになるのだから、
大事に過ごすといいよ。
今はきついかもしれないけれど、
乗り越えられたら自信を持てるよ」と言われ、
辛くてもやってみようという気になりました。

昨日から両親が来ているのですが、
今までは他の人には言えても、
両親には相談することが出来ませんでした。
でも、今日想っている気持ちを
素直に両親に言ってみようと思って、
「今日実は、体がしんどいから
作業やめたくなったんやけど」
と正直に言いました。そうしたら、
「今、みんなに想っていただいているんやで、
しっかりせんと。変わるって言ったら変わるんや」
と言ってくれて、
両親ともしっかりと話すことが出来ました。
自分がまた変われたなと思ったので、
明日からも頑張ろうと思います。

いさどん:
コメントが正直で良いですね。
自分の問題点も出しながら、
その問題点に潰れることなく、
そこを克服しようというのは、
力強い考え方になってきています。
誰でも自分の好きなこと以外は
やりたくないと思うものですが、
その時に自分を押して
やっていくというのが逞しさです。
そこを出来ないとしてしまうひ弱な自分でなく、
逞しい健康的な自分を
自分の意志で選んでいるちよちゃんは、
順調にケア期間を過ごしていると思います。

2週間ぶりにちよちゃんに会ったご両親も、
ちよちゃんが明るくなって変わってきたと
喜んでいらっしゃいました。


一番のテーマは正しい自己認識

今日は、ケアを卒業した
みずほちゃんがファミリーを出発します。
1ヶ月ぶりにみずほちゃんに会ったお母さんと
いさどん、そしてみずほちゃんが
出発前にお話する機会を持ちました。

いさどん:
みずほちゃんには1ヶ月ほど
ここにいてもらいましたが、
最初はなかなか難しいなと思っていました。
この人の心の構造は
複雑なものですから。
気持ちがぶれたり、
駆け引きがあったり、
人のことを悪意にとったり、
被害妄想だったり。

しかし、ここのところ
素直な考え方になってきました。
自分の中に悪意にとる部分と
善意にとる部分があるとしたら、
物事を善意に受けとることが
出来るようになってきました。

これがどれほど身についているかは、
一度社会に出て
確認してみないとわからないことですが、
ここに訪れた時からすると、
ずっと良い状態になったと思います。
今後自立していくために、
しばらく家に戻って
社会に出るためのトレーニングを
してもらったらいいのかなと思っています。

お母さんから見て、
みずほちゃんはどうですか?

お母さん:
大分変わりましたね。
以前家で生活していた時は、
ひと声かけるにも、
「過敏に反応しないかな」と思ったり、
すごく気を使っていました。

みずほちゃん:
全然知りませんでした。

いさどん:
人が気を使っていても
自分が気づかないということは、
人が気を使っているのを
隠しているのかもしれないし、
自分が鈍感なのかもしれないけれど、
自分が人のことを考えていないから
気づかないということが大いにあります。

人の気持ちを受け取りながら、
コミュニケーションをとっていくことが大切です。

お母さん:
ここに来てしばらく会話していても、
要らない気を全く使わなくていいし、
すごく接しやすくなりました。
何を言っても、
以前のような過剰反応を起こさないし。
気に障るということがないだろうなと思うから、
思っていることを言えるし、
それが素直にすっと入っていくので、
すごく素直になって
要らない考え方がなくなったんだなと思いました。

いさどん:
この人は、持たなくてもいいような考えや、
相手に対して事実とは違うような
想いを持っているから、
そういった余分なことは持たず、
シンプルにストレートに
相手のことを受け取ったらいいよ
というように話してきました。

みずほちゃん、
大分余計な考えを持っていたと思うけどどう?

みずほちゃん:
自分が分裂していたので、
ちょっと記憶が曖昧なんですけれど、
そうだったなと思います。
今はすっきりした感じです。

いさどん;
それがどのくらい本物なのかというのを、
社会に戻って確認することが大切ですね。
昨日、一昨日、
この人が自分のことを分析している時には
非常に良い状態でした。
ここのところ、安定してきているなと思っています。

自分の中に癖がある
ということを知ってもらうのが、
今回の一番のテーマでしたが、
自分の癖を自分で
「私はこういう状態でした」と言えるようになり、
随分進歩したと思います。

お母さん:
本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
どうもありがとうございました。

みずほちゃん:
本当にありがとうございました。
お世話になりました。


みずほちゃんの卒業コンサート

昨晩、1ヶ月間でケアを終了した
みずほちゃんの卒業コンサートが
開かれました。
まずは、みずほちゃんのリクエストである
♪光に向かってが木の花合唱団によって
披露されました。
この詩は鞍馬寺のお祈りの言葉で、
ここの心と同じだと感じた
みかちゃんが歌にしたものです。
その後、みずほちゃんと
いさどんのあいさつが続きます。

♪光に向かって

只ひたすらに心磨きて 神へと向かわん

天を覆う雲は厚くとも 太陽は常に大空に在る
風が来て雲を払えば 黄金の光が燦然と輝く
人の心に吹きすさぶ八風を 
苦悩の雲を吹き払う風として
真実を観る智慧の光を迎えよう

智慧の光が輝く時 
宇宙生命に生かされている万象を観る
あなたも私も花も鳥も 
みな共に生かされているこの世界
万象が織りなすいのちの相
宇宙に懸かる金色のいのちの羅網
遠い昔から受け継いできたいのちの絆
私もその中の一つのいのち
たがいに手をつなぎ 響き合ういのち
あなたも私も木も水も 
みな共に厳然と生かされている

慈愛の温もりに抱かれて
智慧の光に照らされて
豊かな活力に満たされて
今ここに生かされていることの嬉しさと有難さ
この歓びと感謝の輪を拡げよう
あなたも私もあの人もこの人も 
たがいに光合い照らし合う
明るい未来を信じ希いながら
一日一日を宝石のように大切に生きよう

全ては尊天にてまします

みずほちゃん:
今日の午前中に
もう一人の人格と話すことが出来まして、
今まで二人いた自分が
やっと一つになりました。
今やっとリアリティを持ってここにいまして、
変な話ですけれども、
正気になって初めて、
「あ、私分裂病だったんだ」
と気づいている感じです。
「正気に戻れて良かったな、
帰ってきたな」という感じでいます。
皆さん、暖かく見守って下さいまして、
本当に感謝しています。
ありがとうございました。

いさどん:
最近思うことがあります。
人間は誰もが幸せになりたい
と思っているのに、
その持っている想いが、
人を幸せにするばかりではありません。
それをどうやって伝えるのか
難しいと思っています。

一人一人、
自分の幸福観というのがあって、
それを叶えようと
自分を行き詰まらせてしまう。
固くなってしまって、
頑なになって、
行き詰まりの方に
自分を持っていく人がいます。

今、鞍馬寺の祈りの言葉の歌を聞きました。
それを聞いていると、
そこには自然というものの
正直さ、美しさ、
全く駆け引きのない姿があり、
それに倣いなさいということを
この詩では言っています。

それに対し
人間は自分を幸せにしようとして、
わざわざ企んだり、
偽りを言ったりするような
濁りが心の中に沢山あります。
それを綺麗に取ると、
この世界にあるひとつらなりの絆、
命の仕組みが現れてきます。
それが宇宙の姿であり、
私たちはその生命の仕組みの中で
それにふさわしく生きていくことが
大切なのだと思います。

体の病気をもらうことも
心の病気をもらうことも、
美しくひとつらなりになって
調和しているこの世界の姿から
自分が外れてしまった時に、
私たちに気づきを与えるために
起きる現象なのです。

そういったことに気づいていない人、
気づいていないからこそ、
行き詰まりの方に
自分を持っていってしまう人に、
わかりやすく伝えられるように
考えています。
それが相手に伝えられたら、
体の病気にしろ、
心の病気にしろ、
いとも簡単に治るのだと思っています。

今日、みずほちゃんの卒業コンサート、
こうやって私たちと縁が出来たのだから、
いってらっしゃいということで、
またいつでも帰ってくるための
見送りのコンサートでもあります。
初めてこの人に会った時、
「心に濁りがあるな、
駆け引きの心があるな、
そして悪意に物事を受け取る人」
と彼女の心に色が沢山ついていると思いました。

それをどうやって
伝えようかと思った時に、
受身の人ならば
伝えやすいかもしれないけれど、
この人は受身ではなく、
強く自分を表現する人だから
伝えにくいなと思っていました。

しかし、ここ何日か
急に話し方が変わってきました。
様子が違ってきたなと思っていました。
昨日、ケアスタート1ヶ月の面接をしました。
その時に、「この人はものが見えてきたな。
今まで自分に訪れてきた行き詰まりの原因が、
自分の中にあるということに
気づいてきたな」と感じました。

人は、問題事の種が自分の中にある
ということに気づくと、
自分の内を見ることが出来てきます。
その時に初めて、
自分自身を改めていく歩みが
出来るようになります。
自分の内に種がある
ということに気づいていないと、
外を見て外に原因を求め、
自分の内を改めることをしません。

「病気」は「気が病む」と書き、
外ではなく自分の内に問題があるのです。
自分の心に歪みがあったり、
色がついている状態が、
「病気」という状態です。
だから、自分の内を見て、
自分の中にある色や癖を取っていくことによって、
この世界の仕組みが正しく見えてくるのです。

そうすると、人は
自分自身のことも他人のことも
正しく捉えることが出来るようになります。
正しく捉えないと、
いくらものを考えても
それは違う方向に向かってしまいます。
幸せになろうと思っても、
心が歪んでいたら、
自分を苦痛にする方が幸せだ
と思って進んでしまいます。
これは当たり前のことなんですが、
人はそこに陥り自分を混乱させてしまいます。

どんなものも「幸せになりたい」と
思うことから始まっているのに、
自分の眼や姿勢、
自分の中にある歪みが
自分を混乱の方に導いてしまいがちになります。

みずほちゃんがさっき言っていた、
「私って分裂病だったんだ、
心が分裂していたんだ」ということは、
正しくものを見る自分と
歪んで見る自分とが二人いて、
分裂していたということです。
素直に正直にものを見ていくと、
一つになれます。
そして健康な状態になっていきます。
だから、良いことに気がついたなと思いました。

でもこれは、
1ヶ月間の期間があったから
そうなったのではありません。
1ヶ月かからなくても、
気づけば3日でも、1日でも、
その話を聞いて「そうですね」と
気づけば1時間でも、1分でも、
あっという間に健康になれます。

ただ、今までの歩みや
心の癖が沢山あれば、
多少時間はかかるかもしれません。
しかし、どんな人でも
気づけばたちどころに健康になります。

このことを忘れず、
幸せも不幸も発信源は
全て自分の中にあることに気づけば、
真っ直ぐ正直に生きていくことが出来ます。
そして歪んだ自分が出てきた時には、
自分で「素直に素直に」と
その自分に対して言葉をかけて歩んでいけば、
今までと違う良い人生が訪れます。

ここは「世のため人のため」にあるところですから、
ここで学んだ人はまずは自分のために、
健康に生きていってもらいたいと思います。
そして、健康になったら、
自分の健康を世の中に広める、
つまり、世の中のために生きてもらいたいと思います。

いつも卒業ということになると、
「おめでとう」というよりも、
「卒業してくれてありがとう」という想いでいます。
これをみずほちゃんにも伝えたかった。
そして、そういうふうに生きてほしいと思っています。
人が幸せに生きることは、
その人の喜びであるかもしれませんが、
その前に僕自身の喜びであるということです。
卒業ありがとう、そしておめでとう!

(ここで、卒業コンサートでは
毎回卒業者に贈られる、
♪とびきりの花が歌われました。)

♪とびきりの花♪
一緒に大地の上で 空を見上げていようよ
一緒に大地の上で 夢を描こうよ
一度きりの人生だもの とびきりの花を咲かそうよ
何べん生まれ変わっても この人生は一度きり

あなたに会えて良かったよ この広い空の下で
生まれてきて良かったよ この青い星の上に

一緒に大地の上で 空を見上げていようよ
一緒に大地の上で 夢を描こうよ
みんなの心の中にある 大きな夢を描こうよ
決して消えることのない 極彩色の夢を

あなただけの大きな花が 大地の上に開いたならば
この星はどんなにか 美しくなるだろう 
美しくなるだろう 美しくなるだろう 美しくなるだろう

いさどん:
今、気がついたことがあります。
ここにケアで訪れる人は、
問題があったからこそ来るわけです。
問題事があると、人は喜べません。
しかし、こうやって
自分が問題事の奥にある種を知って
卒業するということは、
ひょっとして問題事がなく生きている人よりも、
大切なことに気づけるチャンスが
与えられたのではないでしょうか。

だから、問題事があることは
良くないことだと皆さん思うかもしれませんが、
実は問題事があることによって、
この世界の本当のことに
目覚めることが出来るのです。
問題事があることによって
本当の生き方が出来るのならば、
問題事はありがたいものです。

病気になるのは辛いことですが、
その病気の奥にある
病気を与えたものの心に
私たちが気づいたならば、
この世界は本当に素晴らしい世界です。
この世界を美しくしていくために、
この世界は問題事をつくっているんだなということに
♪とびきりの花を聞いて思いました。

さっきの鞍馬寺の祈りの詩も、
とびきりの花も、
本当に真実を表わしていて
素晴らしいなと思いました。

「嫌だ嫌だ」と思っていた問題事が、
自分を救ってくれる。
そのことによって、
問題事のない人よりも幸せになっていく。
このカラクリを私たちは
もっと知るべきだと思います。
そういうふうに皆が気づいて
生きていけたらと思っています。


正直・素直・信じる

昨日の大人会議での
みずほちゃんの報告を受けて、
今日はいさどんと
ケアスタート1ヶ月後面談の時間が持たれました。
今回はその時の様子を
皆さんともシェアしたいと思います。

いさどん:
まず、みずほちゃんから
質問があればどうぞ。

みずほちゃん:
昨日から気合いを入れて、
今日も元気に過ごせました。
私がここでケアを受けようと思った動機は、
躁鬱だとか自分の人格が
沢山あるような気がしたり、
もともと自分の中にある
「怖い」という感情を
どうにかしたいということだったんですけれど、
その怖い感情も思いこみだった
ということがわかりました。

いさどんに
「病院に行きたい」と言った時に、
「それは逃げで、駆け引きの心だよ」
と言われて初めて、
それが自分の問題点で
あったことに気づきました。
言われる前までは
それが問題点であるとは
思っていなかったので。
これからは、何を目的に
ここにいたらいいのかというのを聞きたいです。

いさどん:
あなたにはなかなか
わかりにくいだろうと思うのだけれど、
自分が何かを考える時に
強い癖がついています。
例えば、まず最初に怖がって、
引いて、自分の色をつけて人を見る。
時にはわざとちょっと
いじわるしてみようというような、
本来なら不必要な心が働くこともある。
意味もなく怖がるという癖も
あるということ。
怖がることも、
ただ単純に謙虚に怖がるのではなく、
怖がることによって相手を攻撃する。

場合によっては、
怖がっている方が加害者になって、
相手が被害者になることもあるのです。
そういった心の癖があるということを
理解するのが難しい。
知らない間に出てくるようなことだし、
相手が感じて初めて
わかるような微妙なことだから。
普通はそこまで分析出来ないから、
なかなかわからない。

では、これをどう処理したら
いいのかと言ったら、
まずはいかに正直に自分の心を出すか。
自分の心を正直に出せば、
「これはこういうふうに違うんじゃない?」とか、
「これはこういう心から出ているんじゃないの?」と
人から言ってもらえるから、
それを自分の中で
理解していくということが必要です。
「確かに自分の心の根っこのところには、
そういう心があったな」と振り返ることで、
不必要な心が少しずつ取れていきます。

あなたは雰囲気としては、
控え目でおとなしい感じがする人ですが、
心の中ではそうではないところがあって、
そのギャップが人を驚かせる。
だから、なるべく表に出すものと
内にあるものが同じ方が、
人には信頼される。
そうでないと、
「あの人はよくわからない人」
ということになってしまい、
自分にとってマイナスになる。

今後、家族を持ったり、
職場でも色々な人間関係が出来てくる時に、
そういった心の癖は
人間関係を壊すもとになる。
それが最終的には
自分の信用を落とすことにもなりかねないから、
気をつけないといけないことです。

常に正直に
眼の前の人と接していくというのが、
人に好かれ、
人生に良い流れが訪れるコツである。
心が歪んでいれば歪んでいるほど、
流れは複雑になってくるから、
人にも自分にもわかりにくい。
ここでは、「正直、素直、信じる」
という言葉があるように、
正直や素直をモットーに生活しています。
それが一番大切です。

みずほちゃん:
私の中では愚痴を言っているという
感覚はありませんでした。

いさどん:
そうそう、そこなの。
自分が知らないで
やっていることがあるのです。
知らないからこそ、
伝える側も伝えにくい。
知っていれば、
「ああ、そうでしたね」ということなんだけれど、
知らなければ、
「えっ、そんなはずはありません」って
反論するようなことにもなります。

みずほちゃん:
裏表がないか、
自分の心をしっかり
観察していくということですか?

いさどん:
裏表もそうだけれど、
大切なのは、
自分の中で攻撃的な心や
相手を非難する心が出てくれば
自分でわかるはず。
そういった時に、
それが非難なのか、
相手に対して正しく伝えようとしているのかを
吟味する必要がある。
それが非難や悪口になっているようでは、
元も子もない。

人のことを言っているようで、
実は自分の値打ちを落としている。
人と対立するのではなく、
正直にありのままを伝えていくということを
しっかりと身につけることが大切。

わからなかったら、
常に正直でいること。
何となくニュアンスを変える、
変則表現をすることはしない方がいい。

みずほちゃん:
今までは、
「こういうふうに思われたい」と
柔らかい言い回しに変えていました。

いさどん:
そうやって
自分の心の癖に気づいていけば、
正直の出し方がわかってくる。
例えば、正直だからといって、
正直にどんどん怒りをぶつけるのが
いいわけではない。
相手の言葉に対して
ちょっと引っかかりを感じたら、
「そのことに対して
自分はこういうふうに不快に感じるんだけれど」
と怒りではなく、
情報伝達として伝えることも出来るはず。
そういう心の出し方を
身につけることが大切。

今後については、
自分の性格的なものを
見つめる段階だから、
ケアを卒業ということにして、
ここでもう少し
生活体験として滞在してもいいし、
外で働いてもみるのもいい。
これからどう生きていくのか
というのは考えているの?

みずほちゃん:
家に帰ってまずはバイトをして、
ケア滞在費を親に返し、
社会で生活していきたいと思っています。

いさどん:
そうだね。
借金をきれいにしてから
新たな道を探るということでいいと思う。
今後は安定した生活を送る
ということを目標にして、
出来れば自立できるような
しっかりとした職を
見つけられるといいよね。

みずほちゃん:
実は調理師免許を持っているんです。

いさどん:
そういうものを活かしていけばいいよね。
では、とりあえず1ヶ月を
区切りにして卒業ということで、
今後は自分で方針を立てて挑戦してみる。
心構えで大事なのは、
正直に生きていくということ。
駆け引きするような心では、
被害者のつもりで
加害者になっていることもあるし、
自分の立場を悪くすることもあるから
気をつけることですね。

まだ卒業するには
心もとないなと思っていたけれど、
今の感じからすると大丈夫だよ。
大体自分の心の癖を
把握出来てきているから、
後は実践でどれほどやれるか、まずはやってみましょう。