人は変われる

昨夜、9月14日からケア滞在をしていた、
けいこちゃんの卒業コンサートが行われました。
8年間のうつ病を見事一ヶ月で克服し、
その後は「今度は自分の心の癖を直していきたい」
ということで、一ヶ月半の生活体験をしました。
この二ヶ月間のけいこちゃんの変身ぶりは、
いさどんブログでも紹介してきましたが、
本当に素晴らしく、目を見張るものでした。
今回は、卒業コンサートでの
けいこちゃんのあいさつを
皆さんともシェアしたいと思います。

けいこちゃん

来たばっかりの頃は、
ここがどういう所かもよくわからなくて。
ホームページで下見はしていたんですけれど、
実際行ってみようと一大決心をして、
やっと重い腰を3カ月後くらいに上げて、
ここへ来ました。

来たばっかりの頃は、何というか、
びくびくおどおど、
ぐずぐずめそめそしているような状態で、
自分も他の人も信じられなくて、
自分も消えてしまいたい、皆も消えちゃえばいい、
みたいに思っていました。

座っているのも辛い状態で、
ご存知の通り、寝てばっかりの生活だったので、
筋肉も弱っていたし、
なにしろ普通のことがまともにできませんでした。
今も、まともだとは思っていないんですけれど。

いろんなものを見たり聞いたりするのも辛くて、
ここに来てからもしばらくは耳栓をして、
食堂の隅にいたり、ミーティングも耳栓をして、
なぜか出席していました(笑)

ここに来ても、
まだ疑いや信じられない気持ちで、
すごく身構えていて、なかなか心が開けなくて、
治りたいのに治したくないという、
そういう葛藤がありました。
すっかり自信もなくしていたので。

でも、なんとか治りたいと思ってあがいて、
ずっと、暗いトンネルの中にいて、
なんとか光がほしいなと思って。
道しるべがすごくほしかったです。

ここに来て、
だんだんすごくいい感じで巻き込まれていって、
だんだんここのことを知っていきたいとか、
いろんなことを聞いていきたいという気持ちに
変わっていって、
自然に耳栓も外れるようになって、
なぜか眼鏡まで外れるようになって(笑)
それが自分の中では、
「なんか変わった、不思議だな」
というふうに思っていました。

ケアとして来たおかげか、
あまりがんがんと指摘されることもなく、
すごくいい形で
ソフトランディングさせてもらったなと思いました。
最初の入り口がすごく良かったのか、悪かったのか、
わからないけれど、
だんだん、ここはすごい善意の中で暮らしている、
すごく信頼できるなと思って、
どんどん安心して
自分の身も心も委ねていけるようになりました。

道しるべも、藁をも掴む想いだったんですけれど、
なんか、ここで羅針盤とか
北極星を見つけたような気持ちになりました。

ここにいて、自分の説明できない
もやもやとした気持ちを持っていると、
自然と他の人がタイムリーに
それをわかりやすく表わしてくれて、
何というか、すごく必然性を感じて、
沢山学ばせてもらったなと思います。

どうして薬をやめられたのかというのは、
本当に簡単には説明できないんですけれど、
すごく思っていることは、
とにかく嬉しいし、ありがたいし、ここは素晴らしい。
それが私にとっては、何よりの真実ということです。

ここの良さを、
私のまわりの身近な人や、
心の病気の知り合いにどんどん伝えていきたいな、って。
心の病気の一経験者として、一サンプルとして、
皆に利用してもらいたいなと思っています。

一般社会は、いろんな誘惑や雑音が多いし、
まだまだ自分の問題や不安や心の癖はあるけど、
一朝一夕に直していけることではないので、
まずはコツコツ目の前のことをいただいて、
やっていくしかないと思っています。
そうしていけば、よいほうに導かれると信じて
やっていこうと思います。

何か困ったことがあっても、
それは解決できる課題だし、
いただいているからありがたく受け取って、
逃げずに取り組んでいこうと思います。

ここの印象を簡単にイメージするとしたら、
違うのかもしれないんですけれど、
ここはすごく高度な
レクリエーションコミュニティだと思いました。
親のいる実家よりも、ここが実家のような、
心の実家のような気がしています。

とにかく、皆に
ありがとう、ありがとう、ありがとう!
ここに出会えて本当によかったです!
まさに、苦しいことも悲しいことも、
良いことのためにあるんだと思います。
心の中では、
皆にハグしているような気持ちになっています。
本当は、沢山伝えたいことがまだあるんですけれど、
すごくまとまらなくてもどがしいです。

ここを去ることは去りますが、
ここの生活を伝えていきたいし、
自分自身もできるだけ続けて生きたいと思っているので。
例えば菜食とかもできるだけ続けたいなと思っているし、
心の学びも自分なりにやっていきたいなと思っているので、
実家の沼津は木の花ファミリーの
沼津支社だと思ってやっていこうと思います(笑)

それでは、ちょっくら、沼津支社に出向してきます!
ありがとうございました。

いさどん

毎回卒業式になると、
ケア担当主治医としてお話をさせていただくのが、
とても名誉なことだと思います。
その度に、僕らの生活に対する勲章が、
一つずつ増えていくなというふうに思います。

今、けいこちゃんの話を聞いていて思ったのは、
けいこちゃんがまわりの者たちを信じられなかった。
だけど、結果、信ずるということは
いいことだなと思います。

決して疑うことなかれ。
疑いを持って生きたら、
疑いの世界が自分の前に現れる。
信ずる者には、信ずるに足りる世界が現れる。
まさしく、名言だなというふうに思いました。

私たちも、一般社会で生きていて、
こういう世界があるよと風の便りで聞いたら、
「え、そんなのあり?
なんか裏があるんじゃないの?」
って思ったかもしれません。
そういう意味では、ここにいて、
それを日々目の当たりにしているということは、
とても幸せなことだなと思います。

ただ、私たちは、
偶然ここにいたのではないんですね。
自分がそのことを大切と思って、
この世界にたくさんの価値観がある中で、
あえて自分の意思でこの価値観を選んできた。

だから、大事なことは、
自分が何を考え、どんな行動をするのか。
その種が自分の中にあって、
その種をいつも吟味すること。
その種が芽生えてきた時に、
自分に何をもたらすのか、
ということを常に吟味している。
そのことが大事だなと思います。

日々の自分をよく観察していくこと。
一つ一つの行いを、
自分はなぜやっているのか観察していくと、
その結果が自分に何をもたらすのかがよくわかる。
そうしたら、自分で自分の行動を修正できる。
そして、困ったことを回避していける。
困ったことが起きないような生活ができる。
もっと言えば、困ったことが起きないのではなくて、
非常に豊かに生きていける。

毎回卒業式で想うのは、
ここに来て病気が治る人は沢山います。
でも、うつ病や病気が治った人の中で
卒業を迎えられるのは、37%です。
まだ、全員は卒業できません。
病気が治っても、病気の種がある。
その種に取り組んで、
自分の中にある病気の種を取り去っていく。
つまり、性格まで自分の中にメスを入れて、
自分の意思で変えていく。

これは、可能です。
そのために人間は、生まれてきて生きている。
そのために、いろいろなことが起きている。
そこのところまでメスを入れて健全にするために、
人間はそのために生きているのですから、可能なんです。
だけど、自分にとらわれていると、
なかなかそうはいかない。

けいこちゃんは、
病気というところまできて、
本当に見事に卒業を迎えました。
病気の種どころか、
心の種も自分で観ることができた。
「病気はこれで治ったよ」と言っても、
「いやいや、
私はもうちょっと心を磨いていきたい」
という自分の意思から、
ケア終了後もここにしばらく滞在した。
そこの部分も、今日のコメントを聞けば、
本当に健全な人になったなと。
これこそ、けいこちゃんに
けいこちゃんの人生を任せていいなと思います。

これからは、
こういった人々にこの世の中を任せていいなと思います。
そういう点では、
この世界は信ずるに足りるところだと思います。

そして何よりも、私たちが生きていると、
いろいろな問題に出会う。
人生の「ささくれ」みたいなもの。
それは痛くて辛くて嫌なものですね。
でも、それがいいものだということがわかると、
それがあってこそ、
私たちは育てられているんです。
問題事やささくれがいいものならば、
私たちはその他の何を疑う必要があるのかといったら、
この世界は本当に信ずるに足るところだなと思います。

そういった善意の心を自分たちが持ち続けて、
人生を生きる。
この世の中の見本として、
良い社会を引き寄せていく。
まさしくそれが、私たちの役割だと思います。

いつも、
「卒業おめでとう」という言葉と同時に、
「卒業してくれてありがとう」
というのが僕の気持ちです。
ありがとうございました。

「人は変われる」
メンバーからもご家族からも、
「別人のようになったね」と言われるけいこちゃんを見て、
心からそう思います。
それも、けいこちゃんの中に
「よくなりたい、変わりたい」
という求める心があったからこそ。
けいこちゃんは皆の言うことを素直に受け取って、
あっという間に、どんどん良くなっていきました。

ありがたい、ありがたいと言いながら、
笑顔で木の花を出発したけいこちゃん。
いってらっしゃい、けいこちゃん。
木の花沼津支社出向、皆で心から応援しています!
本当に本当に、いい出会いでした。


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