21世紀の扉を開ける「大人サミット」

木の花ファミリーでは、個人の枠を超えて社会全体のために生きる真の「大人」を目指す人たちが集い、地球の未来を真剣に語らう「大人サミット」を開催しています。今回が6回目となる9月14日〜16日の開催に向けて、改めて大人サミットの意義を確認する場が持たれました。話し合いにはファミリーメンバーの他、これまで木の花育ちの高校生として大人サミットに参加し、4月からは大阪の美容専門学校に通っている19歳のれいかや、宗教家として若者の育成に当たる荒さんなど、数名の大人サミットメンバーも参加しました。

★「大人サミット」について詳しく知りたい方は、こちらのページをご覧ください。

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いさどん:
大人サミット当日に、何をするか。サミットのテーマはすでに参加者の中からも出ているので、それがどうなっていくのかは当日に譲りたい。その場で湧き出てきたものをみんなで練り上げて、一つの作品のように仕上げられたらいいね。
今、大人サミットのメーリングリスト上で若者を中心に活発に意見が出されていて、これだけ活発ならもう大人サミットはやらなくてもいいくらいだよ(笑)。ただし、言葉で語っていることを現実に実行しなさい、ということだけどね。

第4回大人サミットでのワークショップ
第4回大人サミットでのワークショップ

彼らの書いている内容を見ると、大人サミットは年齢は関係ないなと思う。経験や社会的地位も関係ない。これまでの参加者は経験や社会的地位のある人が多く、優れたことを語っていたけれど、生活にそれを反映していくのはなかなか難しい現状がある。木の花ファミリーがやっているのは、言行一致を実践していくということ。そして実際に行動する人のムーブメントを創っていくことが大切だと思う。
大人サミットで僕たちが投げかけていることは、視点を上げれば当たり前のことです。だけどそれが、大人サミットの場を離れて参加者が「個」に返った時の現実と距離がある。その距離をいかに埋めるかというのは、個人のテーマというよりも、僕は人類のテーマだと思っています。今の社会は、政治家なら票集めとか、経営者なら経済だとかいうことに視点が傾きすぎているよね。地球規模でものが観える人が少ない。これが今の人類の実態です。

大切なことは大切で、それを譲ってはいけない。人生を紡いでいくには、人の尊厳や価値に関わることを最優先にしたいものです。お金の話などは3番4番でやっていくと、自然と物事はうまくまわるようになっていくものです。

れいか:
私は逆にここから外に出て、ここで学んだことをみんなに伝えようという考えでいるよ。今100人のクラスの学級長をやっているけど、他のクラスよりもまとまりがいいの。だけどそれを先輩に言っても、後輩が先輩に言うものじゃないって言われる。一般社会ではそれが普通なんだよ。だから、自分とも戦わなくちゃいけないけど、社会との関係も考えるようになったよ。

いさどん:
それはれいかが一般社会に出たからで、そこにはそこのルールがあるんだよ。そこは柔軟にやっていくといいね。大切な信念は変えないで、通じないところには柔らかく接する。それは自分を下げることではないんだよ。大人サミットで語られるような意識は、最終的にそれがほんとうに大事だよね、ということになればいいわけで、そこに至るまでのプロセスとしてはそれでいいんだと思うよ。

まり姉:
改めて大人サミットの意義を問う投げかけをメーリングリストに流したけれど、従来の参加者からはほとんど反応がないね。

いさどん:
それは今の人々の実態なのだから、我々が継続していくことが大切だよ。僕は必ず世の中に火が点く時が来ると思っているけれど、本当に火が点くまでは種火だけでも保ち続けておくことが必要で、今の我々は種火の状態だということ。気づいた人たちにとっては重要でも、気づかない人たちにとっては見えていないことで、それが今の世の中の人々の位置だと思えばいいんじゃない。

ひとみ:
今回は、より参加者の主体性を大切にするために外部主導の大人サミットでいこうということになったよね。

いさどん:
本来、大人サミットというのは始めから外部主導で進めようとしたんだよ。だからこそ、火が点くまでは我々が種火を維持していくということだよね。周りが動かない限り木の花が主導でやるけれど、本来は外部主導であるべきものだということは常に投げかけ続けてきたんだよ。これは地球規模の話なのだということを、伝え続ける必要があるんだよ。それをせずに木の花が一方的にやっていては、本末転倒になる。いくら素晴らしいと言っても独りよがりでやっていては意味がないし、逆に火が点かないものに対して怒っていても仕方がないので、それは時代の歩みとして尊重しなければいけない。
現実的には国民はアベノミクスの安倍さんを支持しているわけで、自民党は国民が求めていたことをすっかり反故にしているのに、経済政策だけに踊らされている。政治の世界は国民を愚弄していて騙しているのに、そこが観えない国民だからこそ、ふさわしい政治があるわけです。木の花党を立ち上げるぞ!(笑)だけどそこにヒットしない国民がいる限りは、仕方がないね。
だから我々は、ここで種火を維持しながら、国民の意志がどこかで沸点にくるのを待っているんだよ。そのために、こんなマニアックな生活をしているんだよね。このマニアックな生活は、決して我々の独りよがりの生活ではないはずだよ。これは天との契約においてやっていることだから、個人的な願望でやっていることではないのです。
今大事なのは、これを継続していくこと。毎回、大人サミットはいい場所になっている。これは間違いない。参加者も「すごいところに出会ったなあ」と思って帰っていく。だから、参加しなかった人は損をしたと思うくらい、サミットで話し合われた内容をしっかり発信していったらいいと思う。

ひとみ:
木の花では、生活そのものが大事を優先するようになっていて、基盤が整っているから持続していけるけれど、世の中ではなかなかできないよね。

いさどん:
できないけれど、それぞれの人が関わっている場所を、例えばれいかが今通っている学校を、そういったことの伝わる場所にしていくというのは、長いスタンスで考えれば大事なことだよ。そういった身近なことも含めて、未来の地球についてどう考えるかということがサミットなのだから。

れいか:
その時に、見返りを求めない方針でいくべきだなと思う。

いさどん:
もちろん、答えをどこに落としたいかということは求めない。

れいか:
ここでその話を聞けただけで良かったと思う。何かの拍子に、あの時にこんな話をしていたなと思い出して、それを友達に伝えていったら、今度は友達がそれを支持してくれるかもしれない。

いさどん:
それが種まきだね。いいこと言うね。

れいか:
学級長に選ばれて良かったと思うのは、朝の会が始まる前に、学級長が思っていることを話す場があるの。その後に先生が話すんだけど、先生も理不尽なことを言ったりしないし、私も学級長として思った通りのことを言える。

まり姉:
そう考えると、社会のどこから発信していっても同じことだと思う。木の花からとか、ある会社からとかいう小さな単位から始まって、機が熟してきたら広がってつながり合って、同じ方向を向いていく。木の花の中にいても、個人個人の心磨きにはでこぼこがあって、サボる人もいれば熱心に語る人もいて、いさどんが「なかなかみんなに伝わらんなあ。俺の独りよがりかな」と言いながら見守っている感じと一緒だね。

いさどん:
意欲的な若者も現れ始めているのだから、我々年寄りとしてはこういう場を持ち続けて、若者たちに火が点く時につなげられればいいと思っています。
いつか必ず、「宇宙人」の意識に人々が目覚める時が来るよ。だけど、今の選挙で誰を選んだら国や地球の未来を託せますかと国民に問うたら、いないよね。それで今回僕は投票しないということを選びました。投票したい人がいない、その原因は何かと言ったら、国民の目が開いていないからでしょ。それを開眼させるのが、大人サミットですよ。自分の中の神仏の目を開き、真実に目覚める人が「大人」ということですよ。

まり姉:
荒さんは、若者との関わりについてメールに書いておられましたよね。

荒さん:
ある新聞に、憲法問題に関連して「若者は感覚的に物事を理解しているが、大人の世代は理論や理屈で理解している」というようなことが書かれていました。それを読んで、若者とその上の世代とは話がうまくかみ合わない理由が少しわかったような気がしたんです。感覚で感じている若者にいくら理論や理屈で説明してもわからない。本当に若者に理解してもらいたいなら、「本当にいい社会とはこういうものだ」と感じられるものを創るしかない。例えば木の花のような生活を味わってもらって、今度は自分たちがどのようにしたら自分たちの「木の花」的なものを実現していけるのか、と考えていくようにしないと、いくら理屈で言っても伝わらないと思うんです。

いさどん:
良い社会論は、吐いて捨てるほどあります。ではそれは実際にどこにあるのか、ということですよね。

まり姉:
どう?わたわたは最後に一言何かある?

わたわた:
ほとんど同意です。

いさどん:
そういう意識を持っている人はまだ貴重な存在の部類だからね。本来は視点が広がればそれは当たり前になって闊歩しているはずです。そして大多数がそうなるはずなんだけど、残念ながらまだそこまで人間は熟していないからね。でも、21世紀はその扉が開く世紀だよ。それも早い段階で扉が開くことを、僕は感覚的に感じてる。そのために、我々のような生活も自然発生的に生まれたのだし、そういう意味でも天との契約でやっていることだから、私利私欲はないのです。そのことを知った者の役割と責任上、継続して火が点くのを待つということです。

わたわた:
まともに考えれば当たり前じゃない、というところにみんなが気付いた時に、当たり前の考えを真面目に地道に実践しているこんなところがあったんだ、ということだね。

いさどん:
人生を正攻法で生きることだよね。

わたわた:
社会を見渡すと、「今まで自分たちのしていたことは、何でつながりがなくぶちぶちと切れていたんだろう」というところに気付き始めている人たちはいる。ことさらそこにフォーカスすると、誰かを持てはやすような一過性のムーブメントになったりするんだけど、それも達観して観れば、大きくみんなが気付いていくための小さな種火が燃え始めているんだろうな、と思っています。それがうまくネットワークするとどんなことになるのかということを、少し前倒ししてやってみよう、というのが「大人サミット」だと思う。

いさどん:
エコビレッジという限定されたものではなく、みんなで何かをやろうというムーブメントは、若者たちの中で生まれ始めている。それが本当に言行一致で生活に定着したものになるという意味では、エコビレッジ的生活は注目されてくると思う。我々もエコビレッジの代表と言われるけど、何もエコビレッジを広げるためにこの生活をしているわけではないよね。エコビレッジという言葉だけで表現できる木の花ではないのだから。もしエコビレッジと言うなら地球がエコビレッジで、みんなの家ということなんだからね。
いずれにせよ、火が点かなければ種火を保っていく作業が必要だけれど、その種火も、だんだん1箇所で保たなくてもネットワークでできるようになってきた。それをやりながら、後は社会の動きと連動していくことだよね。ある特定の場所だけが盛り上がって、自己満足で終わるような世界ではいけない。
去年の冬至以降、宇宙は既にそういう時代へとスイッチを入れ替えたのだから、後は人間たちがいつそれに目覚めるか、というだけのこと。これは宇宙的スケールでやっていることだから、間違いないことです。

 

 


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