今なぜ「1ヶ月間の真学校」をやるのか

2月15日から3月14日にかけて開催中の木の花塾「1ヶ月間の真学校」では、日々受講生たちの中に変化が生まれています。今、なぜ、「1ヶ月間の真学校」をやるのか。その意味について、いさどんが語りました。

*「1ヶ月間の真学校」の様子は下記ブログにて公開しています。ぜひご覧ください!
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 「1ヶ月間の真学校@木の花ファミリー」
 
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グローバル・エコビレッジ・ネットワーク(GEN)が、創立20周年を記念する本を出版するにあたり、その中で世界の20のエコビレッジを紹介するので木の花のことも取り上げたいという話がありました。
そこで依頼された記事をこちらから送ったのですが、みちよちゃん(前GEN理事)によると、その内容がスピリチュアルで哲学的なものであり、他にもスピリチュアルな内容の記事があったため、あまりそういった内容に偏りすぎてエコビレッジがスピリチュアルに偏った場所だと思われては困るというあちらの編集方針によって、今回は掲載を見送られることになったそうです。

今、1ヶ月間の真学校に14名の受講生が学びに来ています。彼らは、何かしら今の西欧的な物質至上主義の社会に疑問を持ち、新しい生き方を求めている人たちです。そういった人たちが、歴史的にも時代の変遷を担ってきました。
今、いろいろな意味で地球が行き詰まっている中で、そういった人々が増えてきたということは、地球上に暮らす人間の生き方を変えなければいけない時が来ていることの証ではないでしょうか。

今の地球の行き詰まりの一番の原因は、人間が自分という自我に囚われて、もっと大きな世界観の視点から外れていることです。
地球は、ひとつの命です。そして、宇宙の星と星との関係も、実は生命的なつながりの調和の中にあります。しかし、人々はそういった捉え方をせずに、人間の考えだけで暴走している状態です。今の産業界や世界を推進している人々の考え方では、人類は地球に問題をもたらす生命となってしまう時が来ています。

一方、これまでのエコビレッジも、その存在の意義を見失い始めています。それはどういうことかと言うと、活動を広げてメジャーになろうとする動きの中で、西洋的発想の人々の作った組織は、スピリチュアル性を抑えようとするのです。
けれども、西洋的な情報に偏ったエコビレッジ・デザイン・エデュケーション(EDE)のような教育プログラムをやってそこで知識を得ても、特に日本の場合は、そこから実際にエコビレッジを立ち上げる人がなかなか生まれません。生まれないどころか、エコビレッジらしいエコビレッジが消えていってしまうのです。

本当に地球のことや生命のことを考えて生きていく人を育てるには、僕はある意味イスラム教の神学校を意識して、真実に目覚めるためのプログラムとして「1ヶ月間の真学校」を立ち上げました。それはイスラム教の神学校というわけではなく、世界観を広げ、真実に目覚める場です。
受講生があらかじめ求めているような情報ではなく、彼らの思考が及ばないような情報を提供することで、一人ひとりの意識を引き上げていきます。それが本来の情報提供です。彼らにとってはそれまでに考えたこともなかった世界ですが、聞いていくと道理の通った当然の話であることがわかってきます。

人類が地球上で調和的に暮らしていくためには、どうしたらいいのか。多種多様な生命が地球上で持続可能に生きていくことを、今もっとも阻害しているのは人類であるというところに、私たちは至っています。ならば、私たち自身がそのことに気付くことです。人類は生命の長として、自分たちだけを特別視せずに、新しい世界観のもとにこれまでの生き方を変えていくという役割を担っているのです。

GENの編集局は、本の内容がスピリチュアリティに偏り過ぎないようにということで今回掲載を見送ったとのことですが、世界の主だったエコビレッジはみんなスピリチュアリティから始まっています。そのスピリチュアリティを失っていくということは、生命力を失っていくということです。もともとの精神性を忘れて、世界の主流になっている地球環境問題の方にエコビレッジを位置付けていますが、今エコビレッジの活動自体が広がらなくなってきています。
今回の編集をしている人々には、世界のエコビレッジがスピリチュアリティに偏っている団体だと思われたくないという意向が働いています。そういった世界の風潮とは逆に、精神性を重視しているものが健全であり、だからこそこういった生き方をやり続けていけるということを示す時が来ていて、それはまさにこれからというところなのですが、今までの世界の傾向に合わせてその部分をカットするのです。

今、真学校を始めてみて、受講生のマインドコントロールが進んできたなと思います。そのマインドコントロールとは、一般的にイメージされるような人間の思惑によってなされる洗脳ではありません。
その人の枠の外にある情報を提供することによって世界観を広げ、視点を高くすることで、今の社会がどういう状態なのか、その社会に疑問を感じているとはどういうことなのかということに目覚めさせて、自分がこれからどう生きることが、自分にとっても地球にとってもいいことなのかということを考える力を身に付けていくのです。
それは、自らの心の性質を客観的に捉えて自分でコントロールしていくこと、つまりマインドコントロールであると言えます。そのコントロールによって、自分にも他の生命にも、地球全体にとって健全な世界を創っていくのです。それが尊い生き方です。

人々はまだ、エコビレッジ業界の人達も含めて、20世紀型の豊かさの延長線上に幸せを求めています。ところがそれでは、この宇宙の中で地球だけに生命があり、人間はその中でも特別な存在として宇宙や地球生命への責任があるということが、いつまでたっても理解できないのです。大切なのは、エコビレッジを創るよりも、そういった広い世界観に目覚めることなのです。

今回の真学校の受講生たちは、今の世界の在り方に疑問を持っています。それは、時代が移り変わっていく時になくてはならない目覚めです。
事実として、今、若い世代が生きることに希望を失っています。産業をどんどん推し進め、それが自分自身を破壊しているのだと気付かずに欲望を広げていくようなおかしな社会に希望を見出せずにいるのです。生命力という意味で、新しい形で人々に希望を持たせる必要があります。

今はイスラム国の台頭が話題になっています。イスラム教の神学校という教育の中からイスラム原理主義が生まれてイスラム国の台頭につながっていますが、地球上の在り方として、今も、未来も、ああいったことがずっと栄えていくということはあり得ないでしょう。
けれども、それを脅威に感じている人たちはそれをつぶそうとしています。そのつぶすことも一つの自然の働きとして捉えられますが、ではなぜ今の時代にイスラム国が台頭してきたのかということを本当には振り返っていません。

イスラム国は、今の世界の主流であるモノカネ主義の結果、人間が地球環境をこのような状態に追いやってきたことの歪みとして生み出されたものです。その歪みが生んだものを単なる悪者としてつぶしたら、なぜそれが発生したのかという本当の意味を理解しないまま、社会が進化しないことになります。そうやって自らを振り返ることのない自分主導の善悪二元論的な発想が、まだまだ世界にはびこっているのです。
イスラム国が現れた意味を理解したら、人類は今の地球上での在り方を変える時が来ていることが観えるし、時代も変わるように進んでいっています。エコビレッジ業界は、自分たちが持続可能な暮らしを提供できる代表だと考えているかもしれませんが、そうやって何かを所有していると、世界全体の潮流に乗り遅れる可能性もあります。また、自らの思惑によって表現に制限をかけていては、多様性からも外れてしまうのです。

戦争の影響で日本は本当のスピリチュアリティを失ったために、なかなかそういったことが浸透していきませんが、世界的にもまだ今のような風潮が人類社会を支配しています。
だからこそ、この真学校をやっていかなければならない。そして、一人ひとりの目覚めが本当に必要になってきていると思います。

人はいずれ、必ず死にます。
そして死を境に、全ての人が、スピリチュアルな世界へと迎えられていくのです。
  
 


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