今年6月、香港のとある地方で開発から環境を守る活動を続けているコミュニティのメンバー10名が、コミュニティの健全な運営にとって大切なものは何かを学ぶために、木の花ファミリーに1週間滞在しました。その後、メンバーの1名はさらに2か月間木の花ファミリーに残って学びを続け、帰国後に、コミュニティ内で報告会が行われました。
報告会は、「体験の全体シェア」「小グループに分かれてのディスカッション」「質問とまとめ」の3部構成で行われ、参加者からは以下の8つの質問があがりました。
1:宇宙観とは何か。
それはエココミュニティに必要か?我々は、同じ考えに至るまでそれについて話し合うべきか?
2:どうしたら変化できるのか。その定義とは。
3:各メンバーの役割をどのように定義するか?各メンバーの役割とは何か?
4:我々はなぜ一緒にいるのか?自分自身の個性を保ちながら、コミュニティ全体の団結を意識するにはどうしたら良いか?
5:コミュニティとは家のようなものだが、世代を超えたメンバーのニーズをどうしたら満たすことができるのか?満たされていないことについて振り返る必要がある。
6:メンバー間の共振と一体感はどのように表現されるのか?
7:メンバーの成長を促す話し合いやミーティングは、どのようになされるのか?
8:組織におけるトラウマ。
この中で、「最も深めたい問い」として参加者から一番投票が多かったのが、4番の「我々はなぜ一緒にいるのか?自分自身の個性を保ちながら、コミュニティ全体の団結を意識するにはどうしたら良いか?」という質問でした。
この報告会の内容は木の花ファミリーにも共有され、それを聞いたジイジは、4番目の質問に対し、以下のように回答しました。
生命の原点としてのコミュニティ
コミュニティは、そこに参加している人々の総意によって運営されるべきです。全体性と個人の意識が共通したものになった時に、コミュニティの理想に辿り着くでしょう。
その見本はどこにあるのかと考えてみると、それは地球生態系であり、また、現代の人間には実際に理解が難しいかもしれませんが、宇宙の実態はそのようになっているのです。ですから、わからないこともあるかもしれませんが、よく考えて、みんなで語り合って、自分のためではなくみんなのための場として結論を出していくようにしましょう。
人間は優秀であるがために、生きることの理論を組み立てて考えますが、その理論が個人個人の目的だけに沿うものであっては、本当に優れた世界はなかなか生まれてこないものです。まずは、誰もがわからないこの難題を、みんなで一生懸命考えて、そして、答えを出していきましょう。誰かの考えに乗るのではなく、みんなで創る場所、それがコミュニティの理想であり、地球の理想であり、宇宙の理想なのです。
あなた自身も、その大いなる世界に生かされており、その仕組みはこの世界の根本原理である愛によって成り立っているのです。その生命の原点に立ち還れば、全ては善きことのためにあることがわかるでしょう。