5年前から陰性腎臓病という病気を患い、体質改善のためケア滞在をしているたかちゃん。
今日は、ケアをスタートしてから10日が経ったということで、いさどんと話をする機会を持ちました。
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いさどん:
10日が過ぎてみてどうですか?
たかちゃん:
体調は特に変化はないですね。悪くなっている個所はありますが。
いさどん:
どこがですか?
たかちゃん:
膝ですね。膝のつまりや心臓のあたりに痛みがあります。
いさどん:
それは医療的にはどういうことなんですか?
たかちゃん:
西洋医学的にはわからないという世界になってしまいますが、
東洋医学では、腎機能が衰えると心臓や肺、泌尿器の機能が落ちてくるので、
そういう弱っている個所に症状が現れてくると言われています。
自分の体に合わないものを食べたり、化学物質系のものを浴びたりすると、膝がつまってきます。
いさどん:
症状が悪くなったり良くなったりするということは、
良くなったら良くなったでいいばかりとは限らないし、
悪くなったら悪くなったで好転反応ということもあるし、
ちょっと様子を見てみないとわからないですね。気分的にはどうですか?
たかちゃん:
気分的には落ち着いています。
病気というものに捉われたくないので、土いじりを通して前向きに気持ちを持たせてもらっています。
いさどん:
気持ちとしては前向きに出来ているということですね。
10日もいれば、ここでの生活にも大分慣れてきたと思います。
ここにたかちゃんのケア記録があるのですが、「自分の正直を出すのが下手」と書いてあります。
これは、たかちゃんのような陰性の人の特徴です。
この世界は陰陽でバランスが取れているのですが、
陰性が強ければ陰性現象が起きることになっています。
そこで自分をちょっと押してみて、陰性から中庸の方へ持っていくようにすると、
違和感があるかもしれませんが、その違和感を押していくと新しい世界を体験することが出来ます。
僕は人の心のバランスを見るのですが、心のバランスというのは体のバランスでもあります。
「病気」は「気が病む」と書き、「病体」とは書きませんからね。
たかちゃんも自分のペースでいいのですが、
ちょっと自分を押してやるということをやってみたらいいと思います。
沢山負荷をかけるとストレスになりますが、
ちょっとだけ負荷をかければ、そんなにエネルギーを使わないで新しい自分が見えるようになります。
心の病気でここに滞在する人には、「最初の1週間から10日くらいは
とりあえず自分のペースで過ごしてもらったらいいですよ」と言うのですが、
そのあたりからはこちらが課題を提案します。
あなたは心の病気でここに来たわけではないのだから、
自分をちょっと前に押してやる程度で自己表現出来るといいですね。
実はたかちゃんは自己表現がすごく好きなんです。
個人的には沢山話をしているし、色々な考え方を持っています。
ところが、全体の中ではそれを共有しません。
たかちゃん:
色々と考えてしまうもので。。。
いさどん:
そうそう。たかちゃんを客観的に観察すると、そこではバランスを欠いているということです。
つまり、言いやすいところでは沢山話すけれど、
自分が苦手だと思うところでは極端に言わないという癖があります。
たかちゃんは自分のバランスが崩れていることに気づき、
どこでも必要に応じた自分を表現していくということが大切です。
それを「言われたからやる」ということではなく、「自分でやってみよう」となると面白くなります。
やっていくと新しい世界が見えてくるので、「これって結構悪くないな」ということになります。
たかちゃんは、多少意識があるのかもしれませんが、自分の中に違和感を覚えているはずなんです。
たかちゃん:
違和感だらけですよ。
いさどん:
自分の心のアンバランスというものは、知らない間に自律神経などに影響しています。
それが何かの形で内蔵にも影響していきます。
たかちゃんの病気は微妙でわかりにくい病気ですよね。
もし、自分の心の微妙なアンバランスが腎臓病として現れているのだとしたら、
心のトレーニングの結果、面白い答えが出るのかなと思っています。
病気の状態に対して「元気」という気が元通りの状態は、
自然体で、何も負荷がかかっていない無理のない状態のことです。
元気になると、体も自動的に元に戻るようになります。
自動的に自分を歪んでいた方から正常な方へ戻そうとする働きが現れてくるのが、
一番いい解決方法です。
西洋医学だったら物理的にこういうふう、
東洋医学だったらこういうふうと捉えるのだろうけれど、
僕は医学の視点ではなく、体も心の表現と見ます。
たかちゃんのケアがスタートしてから10日程日にちが過ぎたし、
自分でもそういうことを感じているのかなと思い、今日伝えられたらいいと考えていました。
僕があなたの病気に対して思っていたのは、
確かに物理的な病気ではあるけれど、これは精神的なところから作用しているということです。
今の話を聞いて、どう思いますか?
たかちゃん:
精神性からくるということについては、自分ではよくわからないんです。
今まで物理的な症状が大変でしたから。
心のトレーニングをやっていくことによって、
本当に自分の症状が好転するのか未知の世界ですからね。
いさどん:
未知だからこそ、挑戦してみる必要があると思います。
極端な話それが見当違いだったら、やる意味がありません。
たかちゃんは自分の中で決めつけるところがあります。
それが陰性的に決めつけていくと、行動せず確認しないで決めつけていくことになります。
バランスのいい形というのは、「とりあえずやってみないとわからない」ということです。
それが陽性だと「これは絶対!」ということでどんどん進んでいってしまいます。
そうすると、アクセルを踏みすぎてしまい、
違っていたらまたその分戻らないといけなくなってしまうんです。
一番バランスがいいのは、「とりあえずやってみよう、
答えを見てそこで判断すればいいや」という心の持ち方です。
それが気楽というものです。
たかちゃん:
「とりあえずやってみよう」というのは、とりあえず今、何をすればいいんですか?
皆の前で今日話すということですか?
いさどん:
今日話せとは言っていません。
それはこちらが強要することではありません。
受身の側に立って、「じゃあ、何をすればいいんですか?
今日やるということですか?」と決めつける癖が出てきています。
たかちゃん:
皆の前で自己表現していくことによって、症状が緩和されていくということですか?
いさどん:
それは行ってみないとわからないことです。
「なるほど。それは新しい取り組みですね。
でもどうなるかは、行ってみないとわからないですね」と、
答えを求めようとせず、否定もしないという状態で行くのがバランスがいいですね。
答えを見ずにわからないからNOと言う人もいれば、
答えを見ないのに「こうだ」と決めつけて暴走する人もいるように、
自分の癖が未来を決めているわけです。
だから、今僕が話していることを自分自身で確認してもらいたいと思っています。
先に進んでみて、「あの時は言われていることがよくわからなかったけれど、
こういうことだったんだ」と気づけたらいいですね。
音痴な人はいません。
練習すれば皆リズムに乗れるようになると言われています。
それと同じで、あっちへ行く心の癖がある人が、こっちへ行けないということはありません。
たかちゃんは、今はどちらかと言うと話好きだし、
理論的なことも考えるし、色々な考えも持っています。
ただそれを、一部の人にしか出していません。
一部の人に出すということは、出しやすいところに出してしまうから、
ある意味では研鑽していくということが出来ません。
他の人の意見と混ぜ合わせたり、
取り入れることをしないから物別れに終わることもあります。
これは人生のマイナスになります。
受け取る時には受け取り、混ぜ合わせる時には混ぜ合わせ、
自分を主張して認めてもらう時には認めてもらうということが出来るようになると、
これは人生にとってプラスとなります。
そういった微妙な心模様が自分の体の状態となって表われているのだとしたら、
あなたのアンバランスな心の癖が難しい病気として表われている、という見方が出来ます。
たかちゃん:
そういうことをやっていかないと、結局体が治っていかないということですか?
いさどん:
西洋医学でそれを治すことは出来るかもしれません。
例えば鬱だったら脳の分泌物が足りない場合、
それを補うことによって治すことが出来るかもしれません。
でもそれは、あくまで根本から治したわけではないので、その種はまた違う形で出てくるものです。
たかちゃんの場合、その種が今体の病気として出ています。
「エネルギー消費」というのは、一人の人間が消費するエネルギーが10あるとしたら、
マイナスに10表現する人もいれば、プラスに10表現する人もいれば、
プラス5マイナス5で表現する人もいます。
それをなぜ全部マイナスに表現するのか、なぜ全部プラスに表現して暴走するのか、
プラスとマイナスのバランスを取ったらいいのにと思うかもしれません。
でも、それもあまり賢い方法ではなく、
10というエネルギーの消費能力があるとしたら、
必要な時にはマイナスに10出せるし、プラスに必要な時にはそちらに10出せるということが、
最大限にそのエネルギーを活かしていることになります。
それが、自分の癖の持っていき方を理解出来ている人であり、
冷静に自分を捉えられている人ということです。
その人の能力を最大に発揮していくことが出来ます。
しかし、それが出来ない人というのは、自分の癖のままに生きているということになります。
知らない間に癖が出てくる状態で生きているから、
「何だか知らないけれど、また同じところへ来たな」とか、
「また人間関係が同じように行き詰まっているな」ということになります。
それは、自己コントロールが効いていない状態です。
自己コントロールが効かない状態で生きている人のことを
「不器用」と言ったり、「賢くない」ということになります。
自分の癖を上手にコントロールしている人は、「あの人賢いね」と言うことになり、
単に大学で勉強が出来て賢いというのとは違う賢さがそこにはあります。
同じことを同じようにくり返す人はいますよね。
本人にはやっている意識がない状態です。
僕はよく「Mの精神」と言いますが、
自分が苦手だと思う方へ積極的に進んでいくことが大切です。
ただ、積極的にといっても、自分が苦痛になるほど積極的になる必要はありません。
出来る範囲でそこへ向かっていき、
そのうちにその快感がわかると、苦痛な方へ苦痛な方へ自ら進んでいくようになります。
そして新しい自分が見えてきます。
どうですか?これは思ったこともなかった話でしょ。
でも、そういう世界があるんです。
その延長に、この難しい病気に対して何かいい答えが出る、と僕は思っています。
ただ、あなたの中に起きていることだから、誰も治してあげることは出来ません。
たかちゃんは、意外と自負心があるのか、
自分で考えたことは色々とやってみるけれど、人の話はあまり聞きませんね。
耳では聞くけれど、結局自分で考えたことを行動します。
そういうことにも気づけるといいですね。
たかちゃん:
沢山話は聞いているはずですが。
いさどん:
「聞いているはずだ」と言うのだけれど、
自分を活性するような話ではなく、自分と共鳴するような話を好んで聞く傾向があります。
いいですか?そこがポイントです。
今までのたかちゃんの癖として、
自分と共鳴するような人とは好んで会話するし聞くのだけれど、
自分が変化していくような話になると。。。
たかちゃん:
そういうところはありますね。
いさどん:
自分が嫌だなと思う方へ自分を持っていかないと、人間というのは変わっていきません。
結局、自分壊しですから。
今まで自分の思うがままに生きてきて今の状態があるのだから、
それを変えようと思ったら、今までの自分を壊さないといけないのは当たり前のことです。
自分を壊すことに喜びを感じるくらいじゃないと、いい答えは出ません。
たかちゃん:
結論から言うと、僕って我が強いということですよね。
いさどん:
そうですね。だから、自分で自分を磨いていくということです。
たかちゃん:
そうですね。ここは自分磨きにはもってこいの場所ですよね。
いさどん:
健全なる精神に健全なる肉体が宿ります。
たかちゃんは、西洋医学から東洋医学まで今まで色々な健康法をやってきました。
しかし、それで答えが出なかったということは良かったと思います。
もし、そこで答えが出ていたら、あなたは心磨きというところに行き着きませんでした。
その手前で満足して終わっていたかもしれませんが、
その代わり、問題事の種は残っているわけですから、
また違う現象として自分の前に現れることになります。
だから、治療法が有効でないというのはいいことです。
マジックのような話ですが、
「あれがいいんじゃないか、これがいいんじゃないか」と外に答えを求めることをやめ、
内に答えを求めていく時が来たのかなと思います。
ぜひ、何らかの手ごたえを掴んで帰っていってもらいたいですね。
心の手ごたえを掴むと、体調も良くなっていくものです。