皆さん、I love you.

4月3日ヤマギシの豊里実顕地にて、出版記念コンサートが開かれました。「Welcome to アースファミリー」「星々の会合」「この世界をつくっているのは」と木の花楽団のオリジナルソングが歌われ、コンサートの中盤にさしかかってきた頃、いさどんから皆さんに次のような挨拶がありました。(なお、いさどんの挨拶、ようこからのコメントは春日山実顕地のよしこちゃんがテープおこしをしてくれました。よしこちゃん、どうもありがとう!)

《いさどんの挨拶》

皆さん、こんばんは。(会場より「こんばんは。」)去年の11月に来て以来、もう5ヶ月ほど経ちました。随分ご無沙汰したと思っています。ただ、この地球に一緒に生きていましたから。ですから、私たちはこの瞬間を共有して、たったひとつの時間、そのたったひとつの過去から未来への流れを生きている、ということで共に生きています。その時々に亡くなる人はありますが、その亡くなった人も魂の世界にいて、またいつかここへ戻って来ます。私たちがその間も生きていたら 先に亡くなった先輩も私たちの子や孫になってまた生まれてくることになり、この世界を私たちはひとつのものとして共有していることになります。

というわけで、今日はお久しぶりの挨拶に、皆さんにメッセージをお伝えしたくてここに立ってみました。皆さん、I LOVE YOU.(会場、笑。会場より「I LOVE YOU!」「I LOVE YOU,TOO!」) LOVE?(会場より「LOVE!」)ここは日本でしたね。皆さん愛しています。(拍手)
 
一昨年の11月15日でしたね。もとやんたち8人の人が木の花を訪ねて来てくれました。あのとき、「扉が開かれた」と思いました。本当です。嘘は言わないいさどんです。そして、新しい歴史が始まると感じたものです。その後12月に、ヤマギシのボスたち、寛ちゃんと同志、よりどんが来てくれました。その時に僕は伝えたのです「待っていた。遅い。もうとっくに出会っていてもいいはずなのに。何をしていたのですか。振り返ってみれば、10年も前に木の花から皆さんにメッセージを送っていたのです。しかし、そのメッセージには反応がなかった。しかし、いつか必ずつながると思っていた。10年経ちました。やっと来ましたね。」
 
それからあっという間に1年経ちました。1年どころか1年半になろうとしています。私は皆さんに時には辛いことを意識して言ってきました。しかし、その背景にあるのは今、メッセージを伝えましたね。愛しているから。愛しているからこそ・・・ですよ。隣の人のことだったら、どうなったって興味を示しません。しかし、私たちが出会ったのは運命の出会いだったのです。そして、そのことを確認し合いました。・・・ですよね、寛ちゃん。(寛ちゃん「はい。」)強制したみたいで申し訳ないです。(会場、笑)もう一人の人ともここで今日、確認し合いたかったのですが、どうも忙しいようで今日は来られなかったようです。そして、その気持ちは今の僕の中でも全く変わっていません。そうですよね、寛ちゃん。(会場、笑)強制していますね。(会場、笑)これからも変わりません。
 
ただ、この話はその時も確認し合いましたが、木の花とヤマギシのハネムーン、蜜月を完成させるための話ではなかったはずです。私たちはこの世の中に真実を表わしていくとき、この世界に生まれてきて「人間というのはこういった目的のためにこの世界に生きている」ということを私たちが自覚して、自らが誇れる人生を生きること、それが私たちの尊厳というものだと思います。そして、その尊厳に目覚めた人々は、他のすべての生命の頂点としての自覚があるものですね。今日、宇宙の話がありましたが、他の星々もその枠組みの中にあるのです。そして、この地球という特別な星、この星は特別なのです。地球の特徴は現実化、変態・変容、つまり状態が常に変わっていくことです。こんな星が他にあるでしょうか?月へ行ってごらんなさい。30年前にアームストロング船長が人類の第一歩を印した、あの足跡がまだ残っているのです。火星の探査機が何年もかけて火星を探査してまわりました。あの足跡がそのままいつまでも残っているのです。宇宙はものすごくゆっくりなんですね。この地球では、もうじきタケノコが出ます。タケノコが一番伸びるときは一日に60センチ伸びるのです。これがこの世界で一番たくさん、宇宙一変化する生命です。私たちもそうです。生まれた時はあの可愛らしい無垢な姿だったのが、10年経ち20年経ち30年経ち40年経ち、それ以上は言いませんが(会場、笑)、随分変わりましたね。中には妖怪みたいになったりして。(会場、笑)それは、この世界の中で地球が特別な星だということです。そして、その中に私たちはいるのです。たくさん変態・変容を繰り返しながら、多様性として私たちひとりひとりがこの世界に存在しているのです。その私たちひとりひとりが別々でバラバラなのかといったら、私たちはひとつの太陽、ひとつの海のもと、それからひとつの大地のもと、この世界にいのちを共通していただいて、このひとつの大気のもとに共存しているわけです。気に入らない人がいても、「あの人の吸った空気だから吸いたくないわ」というわけにはいきません。隣の国、北朝鮮のキム・ジョンウンさんが吸った空気を吸いたくないと思っても、大気は巡って来るようになっているのです。日本からの空気はアメリカの人々が吸うようになっています。それはこの地球がひとつだからです。
 
皆さん、もう一回メッセージを送ります。愛しています。それはどうしてかというと 皆さんが私だからです。そして、私が皆さんです。どうやってこの星の上で私たちを区別することが出来るのでしょうか。人間どころか他の生命も、言語で対話することが出来ないような植物ですら、私たちに酸素を供給してくれているのです。その世界の中で、私たちは特別にいただいた能力があります。それは自我です。これは尊い能力です。自己実現が出来るのですから。自らの想いを叶えて自らを幸せにしようとすることが出来るのです。人間以外のものでそのようなことが出来るものはいません。宇宙の中でも、この三次元世界にもそのようなものたちはいないのです。ところが、私たちはそれが出来るものなのです。そのようなすばらしい能力をもらっているのに、多くの人は自らのほうだけに意識を向けて、自らの側から見える解釈をし、この世界を生きているのです。これではどうしたら、「あなたは私、私はあなた」という世界が出来るのかと思うのです。それで、時々辛い言葉をヤマギシの皆さんに投げかけてきたのですが、くれぐれも言っておきます。愛しいからです。

しかし、僕はヤマギシの皆さんだけを愛しているわけではないのです。すべての人類、そしてすべての生命、さらに地球そのものを愛しています。地球は奇跡の星なのです。そんな星がどこか他にありますか?あと何年たったら、このような星をこの宇宙で見つけることが出来るのでしょうか。この広大な世界は無限にあるのに、私たちはいつこのような星に出会えるのでしょう。僕は出会えないだろうと思うのです。それはこの地球が本当に特別に創られた星だからです。しかし、私たちはそれだけのことを理解して生きているでしょうか。もしその貴重な出会いである自分自身、そして貴重な他者との出会いを理解していたら、私たちはこの地球上で戦うでしょうか。そこに貧富の差ができるでしょうか。そんなことは当たり前ではないですか。
 
僕は、ヤマギシの人たちにこういうことを言ったらきついだろうな、と思うのです。だからこそ投げかけるのです。それはそこにこそ気付いてもらいたいのですから。僕の身体ひとつとっても、僕の目線があります。しかし、その中には手の目線とか、足の都合とか耳の都合とか、色々な都合があるのです。内臓の都合とかもあるのです。そうすると、その都合都合の主張ばかりしていたら 身体全体の健康は保てません。それを束ねてひとつの秩序、調和を保っている姿が私たちのいのちなのです。それで、私たちはヤマギシの皆さんも木の花の皆も含めた「血縁を超える自給自足の大家族」(新刊本の映っている後ろのスクリーンを見ながら)なのです。この本に表現されている世界はどこにあるのかと思うわけです。木の花ファミリーと書いてありますが、それはちがいます。地球が血縁を超えた自給自足の大家族ではないですか。そこでは人間だけではありません。すべての生命がONENESSというひとつのいのちなのです。いつになったら人類はそのことに気付くのでしょうか。多くの賢明な人々はそのことを「ガイア」という表現で説いてきました。しかし、現実にその生活を日常で表現している人々に出会うことは難しいです。時代は随分進んできました。そして、道理・理論のところでは立派な世界が出来たと思うのです。しかし、まだまだ今の世の中には、この世界の尊さが理解出来た上での地球人類のあり方は表現されていません。それはこれからだと思います。
 
私たちは一昨年の11月にヤマギシの皆さんと出会いました。僕は本当に見えない糸で結ばれた出会いだと思いましたし、今も思っています。しかし、ヤマギシにはヤマギシの皆さんの歩みというものがありますので、それを私たちも尊重しながら、共にありたいと願う心で当然のことを皆さんに伝えてきたつもりです。それは「私の話を聞け!私の言うとおりにしなさい」ということではありません。「共に、本来私たちが歩むべき道を進みましょう。それは私たちに出会う前からの皆さんの立村の精神ではないのですか?」ということを伝えてきたのです。ですから、皆さんのことは今でも、そしてこれからも愛しています。

今回、本が出ましたね。そんな木の花の日常を皆さんに少しお伝え出来るかなと思います。そして、そこにはヤマギシの皆さんが目指してこられた世界と同じ世界があると思うのです。私たちはそろそろその枠を超えて、もうひとつ大きな役割として共に歩んでいきたい。それはヤマギシの皆さんだけではありません。地球人類とすべての生命がその世界を実現出来るように、それを目指していきたい。それが全人幸福の道だと思うのです。今回の出版を記念して、その心をもう一度皆さんと確認出来、再び共に歩み出せることを願っています。

というわけで、たまに来てコンサートをやってさようならではなくて、ここを自分の家としていつか訪れるようになりたい。そんな想いでいます。また、たくさんの話を皆さんとしましょう。ありがとうございました。

《いさどんの挨拶へのようこからのコメント》

数日前からいさどんが、「ようこちゃん、豊里のコンサートではとびっきりの挨拶をするから」と言っていたので、私はそれを聞いてすごくドキドキしていました。今年の2月3日、節分の時に「節目」という投げかけをヤマギシをはじめ議事録やブログを読んでいる方にいさどんが投げかけたことを思い出し、「さあ、今回いさどんはどのようなメッセージを豊里や他の実顕地の皆さんに投げかけるのだろう・・・」と思っていました。

なぜそう思ったのかといったら、今まで私はいさどんと、どちらかと言うとヤマギシの皆さんへのメッセージを投げかけてきた立場なのですが、ただ私は「みんな家族で大事だよ」 と伝えたいだけでした。さきほどいさどんが皆さんに「愛しています」と言ったように、私も皆さんのことを「大好きで愛しています」と言いたいだけなのに、皆さんのことを想えば時には言いたくないことも投げかけてきて、本当はそれがすごく嫌でした。

それで今日、「いさどんはどんなことを伝えるのだろう・・・」と内心ドキドキしていた時に、いさどんが「皆さん、愛しています」と言ったのです。それを聞いて涙がぽろぽろ出てきました。「本当にもうそれしかないな」と思いました。ただそれだけを思ってずっと皆さんと接してきたのに、言いたくないことも時には言ったりして嫌だなと感じていた想いが自分の中で溶けていったようでした。

今年2012年は木の花では「結びの年」と言われています。ですから、影で何かを仕組んだり、一部の人たちとだけ情報を共有するということはもうなしにして、本当にただオープンにストレートに、私たちの中にある愛を結んでいき、同じ志のもとに結ばれた心の家族として接していけたらいいなと思っています。


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