この世界を創っているのは

今年の7月16日から18日に開催された「第10回大人サミット」では、宇宙的そして歴史的に観ると、この世界がどのように観えるのかについて語られました。大人サミット2日目の午後は、「この世界を創っているのは」という曲でスタートし、その後いさどんは次のように語りました。

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「この世界を創っているのは」を歌う木の花楽団のみかちゃん(右)とちなっぴー

 
《♪この世界を創っているのは》

毎日 毎日 たくさんの出来事の中で
いろんな感情が わたしたちの中にやってくる
どこからかやってくる このたくさんの感情を通して
わたしたちは 心という宇宙を学び続けている
もしそこに 不幸や対立があったとしたら
一人ひとりが その種を自分の中に見つけて
とりのぞいてゆくならば
この世界は変わってゆくだろう
それがこの世界のしくみ
宇宙のしくみ

あなたと関係のない 誰かがこの世界を創り
あなたから 自由や想像をうばい続けているのではなくて
宇宙の光の分身である わたしたち一人ひとりが
この世界を創っている
そのことにみんなが気付いたならば
自分につながる すべてのいのちのつながりを傷つけないそのために
あなたが発する想いのすべてを
今から変えてゆく それだけで
この世界は変わってゆくだろう
それがこの世界のしくみ
宇宙のしくみ

蒔いた種を刈り取るのは 一人ひとりの責任
みんなで蒔き続けた種が 今もこの世界を創っている
心の中 いろんな想いの種を みんなかかえている
何もかも 誰かのせいにすることはできない

ならば
あなたはこの世界に どんな想いの種を蒔きますか
そしてこの世界に どんな花を咲かせますか

lotus

この世界を創っているのは この世界を創っているのは
この世界を創っているのは この世界を創っているのは
わたしたち

 

《いさどんの話》

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今、「この世界を創っているのは」という曲が歌われましたが、今世界中ではテロが頻発しており、「無実の人たち」が標的にされています。一体、わたしたちはどうしたらいいのでしょうか?

先日、バングラデシュでテロが起きました。新興国の発展を支援する善良な人たちがなぜ、テロの犠牲にならないといけなかったのでしょうか?日本のマスコミでは、あのテロで犠牲になった人たちは、発展途上国に貢献してきた社会的に優れた人たちだと報道していました。僕はそのような一辺倒の報道をするマスコミの世界を観て、少し違和感を持ちました。バングラデシュでテロの被害に遭った人たちは、バングラデシュの発展を純粋に願って現地に赴いていたのでしょうか?

今まで日本のODA(政府開発援助)は、日本の国益のために行われてきました。そして、日本政府の方針に従って、日本の企業がそれに関わり、今まで海外に進出してきたのです。つまり、日本のNGOが新興国の人たちに支援する多くは、ビジネスが目的なのです。今回もJICA(ジャイカ)の支援のもとに、企業に携わる人たちがプロジェクトを組み、ダッカの交通網を整理することが目的でした。そして、バングラデシュの人たちも含めてこういった人たちは、日本のように交通が整備された豊かな国になることを望んでいたのでしょう。その多くはお金の豊かさであり、物理的豊かさです。

そして今やバングラデシュは、アジアの新興工業国の発展に続いて高度経済成長を遂げています。日本もそのような高度経済成長の時代には、社会に多くの矛盾をもたらしてきました。そういった右肩上がりの発展を続ける社会では、自らの側を正しいと主張する人たちが争ってきました。その結果、貧富の差が拡大し、貧困がさらに広がりました。そのような状況に反発した人たちが今、ISや過激な人たちに共鳴し、世界中でテロを起こしているのです。ですから、ある日突然テロを起こす人たちが発生したわけではありません。テロを引き起こす背景の社会があり、そしてテロが引き起こされるのです。

それは原因と結果の関係であり、50:50の関係です。しかし、人は自らの立場が正しいと思いたいのと同時に、自らを振り返らないのです。「この世界を創っているのは」の歌の中に「この世界を創っているのは わたしたち」という歌詞がありましたね。今まで人々は、自らを振り返らず、自分に都合の良いように世の中を見てきました。しかし、皆がそういった姿勢を取ると、立場の違いにより対立が生まれるのです。皆さん、そうは思いませんか?

さらに時代を読み解いていくと、僕が若い頃はわかりやすい時代でした。皆が一生懸命努力をし、たくさん働いて、豊かになることがほとんどの人々の目指すところでした。ですから、社会のエネルギーの使い方は一方の方向でわかりやすかったのです。その上、その頃は高度経済成長の真っ只中でしたから、世の中全体のエネルギーが強い時代でした。ですから、人々のエネルギーがぶつかり合うと、それは学生運動のような激しくわかりやすい形で、社会に表現されてきたのです。

そして僕が若者だった頃から今、半世紀が経ちました。1世紀の100年を一区切りの目的だとすると、50年は折り返し地点です。そういった意味で今、振り返ってみると、今の時代はこれまでの時代とはエネルギーの向ける方向が多様になってきています。今の時代は、自らが正しいと思う方向へ突き進み、目標を達成しようとすると、目標が違う人たちとぶつかります。その結果、矛盾が発生し、これほど地球環境がおかしくなっているのです。ですから、思いついたことをそのまま実現すればいいという時代ではもはやなくなったのです。これまでの時代のような安易な確信のもとに進んでいくと、大きな行き詰まりを迎えるのが今の時代です。

皆さんはそう聞くと、今の時代を生きることはたいへんだと思いますか?実は、良いこともあるのですよ♪悪いことの反対には、必ず良いことがあるのです。それは、僕が若者だった頃は安易に行動し、そこで行き詰まっても、またやり直せる時代でした。ところが、今は物事が行き詰まってしまうと、代わりのものを見つけるのがたいへんな時代なのです。ですから、今の時代を生きる皆さんは、自分自身を精密に観ていくことが大切なのです。つまり、こういった時代だからこそ、それだけ精度の高い生き方ができるチャンスが与えられているのです。皆さん、おめでとうございます!

自分は何者であるのか。何のために生きているのか。そして、どのように生きて、いずれどのように終末を迎えるのか。わたしたちは今、そういったことを意識しながら生きていく時代を迎えています。僕が若かった頃のように、ただ一方通行で進めばいい時代ではなくなった分だけ、今は意識が高くなければ物事が行き詰まる時代になったということでもあるのです。

「自分が人類を代表して生きている。」

そのように意識が高くなると、思考のスケールが広くなり、物事はスムーズに流れるようになります。なぜなら、それは自らの感情に囚われていない状態だからです。ところがスケールが小さいと、思考は自らのことばかり考えている状態ですから、物事は行き詰まるようになっています。それが、宇宙の法です。

ですから、この世界はとてもわかりやすく、良い世界です。しかし、僕が言う良い世界とは、自分のことばかり考えている人たちからすると、生き辛い世界です。なぜなら、そういった人たちにとっては、生きることは思うようにならない世界だからです。しかし、思うようにならないことで、自らの姿勢が間違っていて、この世界の法から外れていることを世界は教えてくれているのです。それは逆転の発想です。さて、皆さんはそのような発想を持っているでしょうか?

先程、テロについて触れましたが、わたしたちはテロを問題とするのではなく、そういったものを発生させる社会を問題としなければいけません。裁くべきは、社会なのです。介護殺人で身内を殺してしまう人を裁いて刑務所に入れることは、それも法律ですから、必要なことでしょう。しかし、裁くべきはこの社会の仕組みです。そして、この社会を創っているのは、わたしたち一人ひとりです。そして今、21世紀に入り、時代は「民衆の時代」に入りました。それは、一人ひとりが目覚めていく時代です。

今、人間たちはお金やモノ一辺倒の世界を創り上げ、自然を顧みません。それは法律的には何も罪を犯していないかもしれませんが、たとえば肉食をすることによってたくさんの動物を屠殺(とさつ)し、魂を迷わせているのです。そういったわたしたちの身近にある一つ一つを振り返ることが、この世界を変えていきます。

そのためにはまず、「自分が無実である」という考えをやめることです。わたしたちはこの世界に存在している限り、世界に現状の響きが広がることを手助けしているのです。ですから、まずは自らを観察し、どのような響きを世界に発しているのかを知り、それを改めていくことが大切なのです。

 

Source of photo: GRAN MOTION FHD901

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第10回大人サミットの場で溢れ出した宇宙の叡智が、「大人サミットBOOK」として大人サミット公式ホームページにて公開されています。
これまでに「1日目」「2日目午前」が公開され、「2日目午後」も間もなく公開予定です。皆さま、どうぞお見逃しなく!

「大人サミットBOOK」

 


この世界は時代によって動いている

この世界は、時代によって動いています。ですから、人間が現状に対して問題を感じ、それを改善しようとする必要は本来はないのです。それは人間も含めてすべて、宇宙が世界に現象を引き起こしているからです。

同時に、この世界の現象は人間も含めた物語として紡がれているのですから、本来、わたしたちはそこで何をするべきなのでしょうか。それは、時代の動きや意志を感じ取り、それと連携して生きていくべきなのです。

これまで人々には、「時代が意志を持って動いている」という視点はありませんでした。人々はどこかで、「自分たちが時代を創っている」と思い、画策してきたのです。しかし厳密に言えば、誰一人、時代を動かした者はいないのです。ナポレオンであろうがヒトラーであろうが、キリストであろうが釈迦であろうが、自らの思い通りに生きられた人は誰もいません。なぜならば、世界は常に時代の意志によって運営されているからです。

その意志は思惑を持っていません。常に変化・変容・変態を繰り返し、進化し続ける宇宙の実体が、淡々と世界を紡いでいるだけなのです。

ですから、わたしたちが過去を振り返り、「あの時代はひどい時代だった」と思う必要はありません。それはあくまでも時代のサイクルの中のどこにいたのか、というだけのことなのです。そして今、わたしたちが観ている混乱した時代も、これから真実が明かされていく光の時代からのメッセージでもあるのです。そこでわたしたちは、時代のサイクルにのっとった生き方をすることが求められているのです。そのためには、まずはそのサイクルが観えることが大切です。

そのカラクリが観えている者たちは、今の逆さまの時代を正していく役割も担っていくのですから、たいへんと言えばたいへんです。しかし、時代は自ずとそのように成っていくのですから、その流れに乗ってしまえばたいへんではないとも言えるのです。

そのように進んでいくことが時代の実体であるならば、それを理解し、その流れと共に時代の意志を現象化していくことが、わたしたち地上を生きる者の本来の役割なのです。今、時代はそういった目覚めを人々に求めています。

これは、これまで宗教が説いてきたことでもありますが、宗教は自らの教えだけを絶対とし、教えの違いによってこの世界の争いの元になってきました。それをもう一度元へ戻し、今まで伝えられてきた「悟り」を生きる時代がようやく訪れたのです。

自我によって世界の本質が観えなくなってしまった人間の目を観えるようにするためには、自我を超越するしかありません。ところが、皮肉なことに人である限り、自我の目線から世界を解釈する立ち位置に立たなければ、世界を観ることはできないのです。つまり、自我のフィルターを通して観える世界のカラクリを解かなければ、自我を超越することはできないのです。その仕組みを理解し、そのカラクリを紐解くことにより、人は世界の側に立ち、この世界と同一になることができるのです。

そこに、宗教の限界がありました。ある意味、それは時代的限界でもあったのです。今、そうした段階からようやく封印が解かれる時代が訪れました。「悟る」ということ、「超越」するということは、無になることでも、何かから救済されることでもありません。それは、宇宙の実体の側に立ち、同時にヒトであることにふさわしい思考回路を有している状態になることなのです。

わたしたちはその状態になって初めて、囚われのない世界を表現することができます。お釈迦様の言われる完全なる無であるニルヴァーナ(涅槃)の境地まで到達すると、そこでは己もないのですから、ヒトとして生きることの本来の意味も表現できないのです。

わたしたちは人でありながら、ヒトとして究極の世界へ到達すると、この世界を次の世界へ導く者としての役割を生きることができるのです。それが21世紀から30世紀までの1000年紀に与えられた人類の歩みであり、進化なのです。今、その時代に至ったからこそ、それが提示されているのです。

ですから、これからの時代に人々は生きることの真の意味に目覚め、しっかりと目を開けて生きていくことが求められています。

「今、あなたは時代の申し子として生きていますか?」

時代はわたしたち一人ひとりに、そう問いかけています。

 

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2017年2月19日(日)~3月18日(土)
「1ヶ月間の真学校」開催

「医」「農」「食」「経済」「環境」「教育」「社会」「芸術」――― 多彩な切り口の講座を通して、私たちはなぜこの世界に生きているのか、あなた自身の中にある真実の目を開く、ダイナミックなプログラム!
実際に木の花ファミリーに滞在し、宇宙視点で日常を生きるとはどういうことかを実体験として学びます。

【会場】木の花ファミリー
【定員】15名 定員に達し次第受け付けを締め切ります。
【参加費】18~22万円 収入に応じたスライド制です。受講料や食費など1ヶ月間の滞在費全てを含みます。

講座詳細やこれまでの受講生の体験記はこちら!
1ヶ月間の真学校専用ブログ

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心の目を、開こう

 


時代の変化とともに真理すら変わっていく世界

今年の7月16日から18日に開催された「第10回大人サミット」では、宇宙的そして歴史的に観ると、この世界がどのように観えるのかについて語られました。その中でも、以下のいさどんによる分析は、参加者の皆さんにとって目からウロコの視点でした。

■    ■    ■

 
ガンジーは非暴力による運動を唱えてきました。しかし、ガンジーは非暴力という暴力を使っていたことを皆さんは知っていましたか?ガンジーは拳を振りかざしませんでしたし、銃で撃つことはしませんでしたが、拳を上げ銃を使う人たちに暴力を使わずに対抗したのです。つまり、そこで対立の対象となったのです。ですからその後、「ガンジーは勝利した」と言われたのです。つまり、暴力の世界には勝ち負けという勝利があるのです。もし、本当の非暴力であるならば、そこに勝利はないでしょう。そうした真実が今、明らかになってきたのです。ガンジーも微妙な世界の中にがんじがらめになっていたのです(チーン♪)。それは、闇の時代へ向かっていく中の正義だったのです。ですから、闇のピークを超えると、その正義の質が問われるようになるのです。平和活動家が「戦争反対!」と言って新たな対立を生み出しているように、非暴力主義者は「非暴力で戦おう!」と言って対立関係の対象となるのです。それは戦いのひとつなのです。

一昨年、2014年の11月に僕はインドへ行き、デリーのガンジー記念館を訪れました。ガンジーの魂は僕にこう語りました。「新しい時代が始まりましたので、皆さんにつなげていただきたいと思います。よろしくお願いします。」彼はわかっていたのです。彼の時代はそういった時代だったので、彼は非暴力という旗印のもとに戦っていたのです。

その昔、ジャンヌダルクという人がいましたね。彼女はまさに戦士です。彼女は英雄とされてきましたが、彼女が英雄ではいけないのです。日本にauという会社はありますが(みんな、笑)、それでえーゆーとか言って(チーン♪)

それとは逆に、ヒトラーが上行菩薩であるという捉え方もこの世界にはあるのです。ヒトラーという魂が地上に降りる前、天の神様はたくさんの優れた魂たちに、「この役割は地上では人々のうけは悪いが、大切な役割であるゆえ、誰かそれを引き受けてくれる者はおらんのか?」と尋ねました。しかし、地上で悪人とされる役割を引き受けようとする者はなかなかいなかったのです。そのときに、勇気ある魂が「それではわたしがその役割を引き受けましょう」と言って、地上に降りてきました。そして見事、その難しい役割を成し遂げたのです。役割を終え、天に還っていったとき、天にいる魂たちからは「難しい役割だったが、おまえはよくやった」と褒め称えられ、その魂は上行菩薩として悟りに至りました。わたしたちの中には、ヒトラーという存在は悪の権化としての認識が定着していますが、あのような出来事を起こす人間がいることによって、人々は自らの行いを戒めることができるのです。

もしも、そういった悪人の人生を生きる者たちがわざわざそれを役割として生まれてきているとしたならば、善人と言われる人々はそういった悪人の役割をする人々に支えられて、善人の立場にいることになります。ですから、この世界には善も悪もなく、ただ人間の可能性の枠の中の役割があるだけなのです。そういったことを自らの感情や特定した視点から判断するのではなく、広い世界観のもとにすべてのことを情報として判断し理解した上で、活かしていくことが大切なのです。

このように、悪の中に善があり、善の中に悪があるのです。すべては宇宙の成り立ちであり、神様の意志なのです。2012年12月21日に闇のピークを超えた今、これまでの価値観が逆転するトキを迎えました。今までは聖域があり、聖なる存在であるキリストやお釈迦様について触れてはいけない、ガンジーの正義について触れてはいけない、ヒトラーは悪人だ、とすべて善悪を決めていた時代だったのです。ところが宇宙の法に沿って観てみれば、善があり、悪があり、正しさがあり、間違いがある――、それはどれも解釈によって正しいのです。そういったことがすべて明快に観える時代が訪れたのです。

本来、地球も宇宙の中にありますから、カタカムナ宇宙理論で解釈すると、現象化されたものはいずれ潜象界へ還ります。そうすると、すべてリセットされます。そして、響きという宇宙創造の原料に戻り、また現象界に現れてくるのです。それは時代に応じた現象の元となって現れてきます。わたしたちはここで今、何が正しくて、何が間違っているのかを議論しているのではありません。ましてや、わたしたちは正しい側にいましょうという話をしているのでもないのです。そういったことを言えば、政治家や哲学者、宗教家の世界になってしまいます。

大切なことは、どこにも属さず、ただ情報として現象を観るだけの位置に自分が立てるかどうかです。それは、自らから閃きが湧くということです。それは真我が目覚めている状態です。そこに宇宙(天)の法が降りてくるのです。それは直観です。それが五感の次にあるわたしたちの秘められた能力です。

 

 


これは宇宙プロジェクトです

5月27日から約3ヶ月間木の花ファミリーに滞在している、タイの代替教育学校に通う高校生のナッちゃん・マインちゃんと、先生のワンちゃん。その滞在も残り10日間となった8月8日、3人といさどんが話す時間が持たれました。その2日前の8月6日の子どもミーティングで韓国人のソミンちゃんたちといさどんとの会話がシェアされたことを受けて、この時間は第二次世界大戦についての質問から始まりました。

■    ■    ■

ワンちゃん:
タイの学校では、大学に入るまで第二次世界大戦について詳しく勉強しません。ですから、マインちゃんとナッちゃんもそういう戦争があったことは知っていますが、なぜそれが起きたのかは知らないのです。

マインちゃん:
なぜ第二次世界大戦が起きたのですか?

いさどん:
それは一言で言えば、人間が自分のことしか考えず、他人のものを奪ってでも豊かになろうとした結果です。

第二次世界大戦の流れを簡単に説明すると、まずその始まりは15世紀から17世紀にかけて、「大航海時代」と呼ばれる、ヨーロッパ人たちが世界中を植民地にしていった時代がありました。そういった中で、アフリカの人々を奴隷とし、アメリカという国が台頭してきました。そして1914年第一次世界大戦が始まり、当時有力な国のひとつであったドイツが1918年に第一次世界大戦で負けたのです。戦争で勝った国々は世界中にさらに利権を広げ、豊かになっていったのですが、ドイツだけが貧しくなりました。そのような中でドイツではヒトラーが現れ、ゲルマン民族の優秀さを謳い、ユダヤ人の排斥を訴え、もう一度ドイツ民族を再興させようとしました。そして1939年ドイツはポーランドに侵攻し、第二次世界大戦が始まったのです。

かたや極東の日本を取り巻く環境としては、日本は明治以降日清戦争、日露戦争で勝利し、第一次世界大戦に参戦して中国に対する利権を獲得し、世界の強国の仲間入りをしようと企んでいました。その後、日本はアジアの国々をアメリカやイギリスの植民地から解放するという名目で、ドイツと組んで戦争を始めました。当時、インドはイギリスの植民地であり、ベトナムはフランスの植民地であり、インドネシアはオランダの植民地でした。中国に至っては、世界の強国がこぞって利権を奪い合おうと群がっていました。そのような状況の中、日本は大国の仲間入りをしようとして、韓国と台湾を併合しました。その後、日本は中国に対して戦争を仕掛けたのですが、その名目はアジアをひとつにするというものでした。ところが実際は、日本の利益を求めることが目的だったのです。それで、アメリカやイギリスなど、当時世界を植民地化していた強国は、自分たちの利益を奪われるということで日本と対立することになりました。そして、日本を経済封鎖したのです。このようにして石油資源を断たれることにより日本は行き詰まり、第二次世界大戦に入っていきました。

それでも、日本一国だけで戦争を起こすことはなかったのでしょう。当時、世界最大の工業国であったドイツはヨーロッパでナチズムによって発展しましたが、国際的には孤立していました。それから、イタリアにもファシズムというムッソリーニ率いる独裁国家ができていましたが、ドイツ同様、国際的には孤立していました。そこで、ドイツ・イタリア・日本が三国軍事同盟を結ぶことになったのです。

日本の中でも冷静な人たちは、国力から言えば日本はアメリカと戦って勝てるわけがないと考えていました。しかし、ドイツやイタリアとの三国軍事同盟があったがために、日本は軍が勢力を持ち、政府を抑えてしまうという軍事国家になってしまったのです。実際にドイツは東ヨーロッパ・フランスを占領し、アフリカにまで戦場を拡大しました。しかし、戦場を広げすぎると、軍の補給をするのがさらに難しくなるでしょう?結果、三国軍事同盟が敗北するのですが、最初にイタリアが降伏し、次にドイツが降伏して、最後に日本が降伏しました。この第二次世界大戦で日本人の死者数は310万人、ドイツ人の死者数は700~900万人、中国人の死者数は1000~2000万人、ロシア人の死者数は2100~2800万人と言われており、死者数の合計は6000万~8500万人に至りました。これは当時の世界の人口の2.5%以上が犠牲になったということです。

このようにして、日本・ドイツ・イタリアが敗れ、正義の連合国が第二次世界大戦に勝ったのです。そろそろ日本が負けそうだというときにヤルタ会談が開かれました。そのときにイギリスのチャーチル、アメリカのルーズベルト、ロシアのスターリンが会談しました。結局そこで話し合われたことは、この戦争が終わったときに自分たちがどこの国を自分のものにするか、ということでした。しかし元々、アメリカやポルトガル・スペイン・オランダといったヨーロッパの国々が世界中を植民地にしていたのです。それが結果として第二次世界大戦が起きることによって、彼らの国力が落ち、そして植民地が解放されたという意味では、第二次世界大戦は悪いことばかりではありませんでした。

そして第二次世界大戦を最終的に終結するきっかけとなったのが、広島と長崎への原爆投下でした。しかしそれは、ソビエトの共産主義とアメリカの資本主義という巨大な強国による二極化へとつながり、そこから冷戦時代が始まったのです。その影響下ですぐに、朝鮮半島では朝鮮戦争が始まり、現在の北朝鮮と韓国に分かれることになりました。結局、それはソビエトや中国という共産国に対するアメリカの代理戦争だったのです。次に、ベトナム戦争でも同じことが起きました。タイの隣国であるカンボジアではポル・ポト派が大虐殺をしましたが、彼らも共産主義勢力でした。それから、ヨーロッパにいたユダヤ人たちがドイツの迫害によってアメリカに渡り、彼らの科学技術の優秀さでアメリカにそういった技術をもたらすと同時に、ユダヤ資本はイスラエルを建国するために使われていきました。アラビアのロレンスという物語があるのですが、第一次世界大戦中にイギリスはユダヤ人に対して、中東にユダヤ人国家を創るという約束をしました。ところが、アラビアのロレンスは、正確に言うとイギリスのスパイだったのです。

ワンちゃん:
でも、彼はヒーローとして描かれていますよね。

いさどん:
それは西側諸国によって描かれているからです。それで、もともとアラブ人が住んでいたところにイスラエルというユダヤ人国家を創ってしまったのです。そして、入植したユダヤ人の多くは、ソビエトにいたユダヤ人でした。ですから、ソフホーズやコルホーズといった集団農場の考え方が、今のイスラエルのキブツ(集団農業共同体)の元になっているのです。

ワンちゃん:
まあ!知らなかったわ!

いさどん:
このように第二次世界大戦に至った出来事を簡単に説明しましたが、実際にはもっとたくさんの悲惨な出来事があり、たくさんの人々が死ぬことになったのです。そしてそういった国家の体質は終わることなく、今につながっているのです。

ですから、第二次世界大戦が終わっても、世界にはたくさんの利権の物語があり、中東戦争やイラク戦争、今のISにまですべてつながっているのです。このように、近代の国家は常に国益ばかりを追い求め、強国が世界を支配し、そして戦勝国という立場に立った側は、常に正義の旗印のもとに世界をリードしてきたのです。その背後には、どの国家も自らの欲望を満たそうとする弱肉強食の性質が隠されていたのが今、明らかにされてきています。

ワンちゃん:
それは、アメリカが戦争を終わらせたくないからですね。

いさどん:
そうです。今までアメリカは正義の側にいましたが、アメリカは利権によって動いています。イラン・イラク戦争でも、最近の世界のほとんどの戦争はアメリカが絡んでいるのです。

ワンちゃん:
アメリカの権力は、銃や武器を売ることから来ているのですよね。

いさどん:
オバマ大統領は、今年の5月に日本で開催された伊勢志摩サミットに参加する前、ベトナムへ行き、武器を売る商談をしてきたのです。そして広島を訪れ、「核のない世界を創りましょう」というスピーチをしたのですよ!

マインちゃん:
なぜオバマ大統領は武器を売るためにベトナムへ行き、それから日本へ来て平和について語ったのですか??

ワンちゃん:
それは彼が政治家だからよ!!

いさどん:
政治家というのは国益が元にあるのです。そして利権によって選ばれるのです。ですから、社会的に地位の高い人が優れた社会を創る人とは限らないのですよ。それは、今の人々が常に自分の利益ばかりを追い求めていることが原因です。そこでいさどんは、そのような利権を求める人々の代表が創る国ではなく、一人ひとりが目覚め、優れた人となり、地球というクニをひとつと考え、共に創っていく世界を目指しているのです。

いさどんを世界の独裁者にしても良い世の中ができるのは、いさどんは自分のことを先に考えないからです。それは、神様の姿勢と同じです。神様はこの世界を独裁して創っていますが、自分が創ったものたちにこの世界を任せているのです。ですから、後は人間が神様の意志を感じてそれに従えば、理想の世界はいつでもできるのです。

ナッちゃん:
なぜ腐敗している政治家が世の中で権力を持つことができるのですか?

いさどん:
それは、人間が自分が得することを優先して考え、自分に有利な政治家ばかりを選ぼうとするからです。たとえば、お金儲けの世界は人々が欲深でないと、成立しないのです。今、日本やタイは平和なように見えるかもしれませんが、人々の心はお金儲けや競争の中で、毎日戦争をしているようなものなのです。さらに、マクドナルドやケンタッキー、セブンイレブンなどのアメリカ資本の会社が世界にはびこり、金融システムもすべて、今はアメリカに支配されているのです。

このように、第二次世界大戦からの話をしていったら、物語はそこで終わらないのです。その前には第一次世界大戦があり、そのもっと前からの物語が続いていて、そして第二次世界大戦が終わった今も、この人類の欲深物語は続いているのです。

マインちゃん:
もし第三次世界大戦が起きたら、わたしたちは暮らすところがなくなることでしょう・・・

いさどん:
第三次世界大戦が起きる心配をするよりも、今、地球は地震や火山活動などによって人類にメッセージを投げかけています。2012年12月21日に銀河の冬至という25800年ぶりのターニングポイントを迎え、今、時代は大きく変わることを示しているのです。

今日、日本の天皇陛下がお気持ちを表明され、生前退位の意向を示されましたね。日本の天皇制は2600年続いており、そういった意味で日本は同一の王の元に形成されている国では世界最古の国家と言われています。しかし、それもたった2600年ですから、太陽の一螺旋である25800年からすると10分の1にしかすぎません。歴代天皇125代のうち59人が上皇(天皇が位を退いてからの尊称)になっていますから、日本の歴史からすると生前退位は珍しいことではありませんが、前回の生前退位が200年前だということからすると、このタイミングで天皇陛下がお気持ちを表明されたことに僕はピッと来ました。

2012年12月21日闇のピークを過ぎ、2016年6月21日の夏至をもって銀河の夜が明けました。そして、これから光の時代へ向かうのですから、今回天皇陛下は時代の切り替わりを感じて、このようなお気持ちになられたのでしょう。これは宇宙的に観ても大きな出来事なのです。冥王星の248年の周期から観ても、日本に起きている天皇制の移り変わりと太陽と冥王星から観る時代の移り変わりが非常に連動していることが観て取れます。

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ですから今、宇宙的に大きなターニングポイントを迎えたことから、日本には大きな災難が来ることが予測されますね。もちろん、それは世界中に来るのですが、その先駆けとして日本に来るのです。

ワンちゃん:
それは、自然災害ということですか?

いさどん:
いろいろな意味においてです。日本人が本来のヤマトの心を取り戻すために、それが起きているのです。今、日本人の心はアメリカに汚染されてしまっていますから、ヤマトの心に目覚めるためにはそれが必要なのです。それで、高齢になられた天皇陛下は、これまでのように重い務めを果たすことが困難になってきたと直観で感じ、若い皇太子に皇位を継承しようと想っていたのでしょう。「天」皇陛下ですから、「天」の意志を直観で感じたのだろうと僕は観ています。そういった意味で、宇宙的な新たな時代の訪れを感じさせる今回の天皇陛下のお気持ち表明だったのでしょう。

25800年ぶりのターニングポイントを迎えた今、王や聖人が支配する時代から、一人ひとりが目覚める時代へと突入しました。これまで天皇は国家を司るために天との儀式を行ってきたのですが、これからはわたしたち一人ひとりが天とつながり、地球をどう運営していくのかを考えていく時代になったのです。それは、一人ひとりが「天人」としての意識に目覚める時代の訪れです。

エゴが膨らみ、自らの欲望を叶えることを優先させてきた人間の心を目覚めさせるために、これからも宇宙や地球は天変地異という形で、人間に厳しい環境を与えていくことでしょう。なぜなら、環境が厳しくなればなるほど、人々は助け合うことを思い出すことになるからです。

ワンちゃん:
2年前にタイで起きた大洪水も良い例ですね。自然災害が起きたことによって、人々は集い、お互いに助け合いました。

いさどん:
世界の中でも特に日本人は、そういった地震や災害があると助け合い、秩序のある民族として知られています。タイでもそういった傾向があるとしたら、それは仏教精神から来ているのかもしれませんね。

ここで僕が一番伝えたいことは、そのような厳しいメッセージをもらわなくても、自らの心を磨き、エゴを超え、優れた精神になれば、わたしたちは地上天国を創ることができるということです。そういった意味でも、木の花ファミリーの生活は新たな時代の見本になると思いませんか?あなたたちがタイへ帰っていったら、タイにもぜひそのような場所を創ってほしいと思っています。

マインちゃん:
それはとても難しいことです!

いさどん:
あきらめてはいけませんよ(笑)!

そのことを難しいと言って低い意識で生きるのか、それともあきらめないで少しでも高い意識を目指して生きるのか、あなたはどちらを選びますか?そのときに自らの自我が優先されると、低い意識で生きていくことになります。天を向いて、天を頼れば、高い意識で生きていけるのです。それが成し遂げられるかどうかは、ひとえにあなたの姿勢次第なのです。

マインちゃん:
いさどんが言っていることは真実です。わたしたちが高い意識で生きていくのか、それともあきらめるのかは、まさにわたしたちにかかっています。木の花ファミリーの人たちを観ていると、皆さんは見本となるために日々を生きようとしていますね。もしわたしがあきらめそうになったときには、ここにいる皆のことを思い出します。この生き方がどれほど難しくても、皆さんは高い意識で生きようとしています。ですから、わたしたちは簡単にあきらめるべきではありませんね!

時々、わたしは複雑な気持ちになります。人々を助けたいと思うときもあるのですが、わたしの友達たちはとても頑固なので、「彼女たちにとってこのことはふさわしいだろう」と思うこともあります。

いさどん:
それを成し遂げようと思う必要はないのです。最も大切なことは、高い意識で生きることです。今日、第二次世界大戦の話をしましたね。本当は、あのような戦争は誰もしたくなかったのです。しかし、誰もそれを止めることができず、人類はあのような悲惨なことを経験することになりました。それはある意味、時代がそういう時代だったということでもあるのです。

そして今、時代は対立の時代から統合の時代に切り替わりました。そのことに気付いた者たちには、誰よりも天や時代が味方してくれるのです。先を行く者たちのことを今の多くの人々は理解できませんが、天が味方してくれるのです。それでこそ、この世界で大事なことを成し遂げる人になれるのです。そういった人のことを「天人」と言います。ですから、自分がどのような心をしているのかが大切です。あとは、時代の流れがそのような時代に運んでいってくれます。

あなたたちは、わたしたちととても深い縁があってここへ来たのです。そして、この縁はこれで終わりではありません。これは、これからわたしたちが成し遂げていくためのスタートです。

ワンちゃん:
今、わたしが泣いているのは、自分が頑固な生徒で、大いなる先生によって叩かれたように感じているからです!だから、わたしはもっと一生懸命取り組むべきなのです。

いさどん:
まずは柔軟になることが大切です。

ワンちゃん:
それは非常に難しいことだと感じています

いさどん:
それは、自分を一番優先しているからですよ(笑)。他人のために生きられるようになったらいいですね。

ワンちゃん:
いさどんの言っていることはすべて正しいので、議論する余地がありません。ですから、それがどんなに難しくても、わたしはやるしかないのです。ある意味、わたしは野生の動物で、いさどんはハンターでわたしを捕まえ、わたしはもう逃げられない状態にあるようです(笑)!

いさどん:
その先は、家族として迎え入れて、一緒に楽しく暮らすのですよ♪

ワンちゃん:
ありがとうございます!!

いさどん:
これはあなたたちのためのプロジェクトではありません。日本とタイのプロジェクトでもありません。これは地球物語であり、宇宙プロジェクトなのです。

ですから、ここに来て、「木の花ファミリーは良いところだ!」と思って、タイへ戻り、「タイではできない!」と思ってはいけませんよ♪今、天のプロジェクトがスタートしたのですから。これからはあなたのような頑固な人たちがあっという間に目覚めていく時代になります。時代はもう、ターニングポイントを超えたのですからね。

わたしたちには天が味方しています。そして、時代はそのように流れていきますから。大切なことは、高い意識で生きるということです。

 

宇宙プロジェクトは、これからが本番です!
 宇宙プロジェクトは、これからが本番です!

 


わたしたちは何者であるのか

昨年2015年8月15日、宇宙から全人類に向けて「地球談話」というメッセージが贈られました。それから約1年が経った7月16日、第10回大人サミットの中で、この「地球談話」は参加者の皆さんにシェアされました。「地球談話」を受けて、いさどんからは次のメッセージが語られました。

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「地球談話」を読み解いていくと、問題事はすべて解決されます。しかし、そのためには絶対に必要なことがあります。それはまず、わたしたちが何者であるかを知ることです。地球上には280万種の生命が存在しています。そして、その一つ一つを数えたら無限にあります。その中で、わたしたち人間は、地球上で最も優れた、そして最も影響力のある生命です。

人類は今、宇宙空間に出て生命の痕跡を探しています。そこで得られる生命の存在は、痕跡です。しかし、わたしたちは地球上でいとも簡単に生命に接することができます。つまり、わたしたちは生命の海の中にいるようものなのです。

その中でどれひとつ、無駄な生命はありません。わたしたち人間を含めた生命はすべて、生命ネットワークで連動し、地球という生命を共に形成しているのです。そこでは極めて複雑かつ精妙な関係によって、この生命ネットワークが運営されています。

もし、わたしたちが実際の宇宙の姿を観ることができたとしたら、それがどれほど広大かつ複雑で精妙なのかに驚くことでしょう。それは、わたしたちが地球上で形成している生命ネットワークと同じように複雑なのです。その中に、わたしたち一人ひとりが存在しています。

さらに、わたしたち一人ひとりの中に60兆の細胞が存在しています。その細胞一つ一つには、体全体を形成する情報がすべてインプットされているのです。人類はその構造を解明したがために、クローンという技術にまで到達しました。しかしそれは、単に物理的な貢献を人類にもたらすためではありません。それは、わたしたち一人ひとりがひとつの小宇宙であることを示しているのです。そして、わたしたち一つ一つの小宇宙は、さらに他の小宇宙とネットワークし、地球という宇宙を創っているのです。

皆さん、そのようなことを意識しながら日々を生きていますか?
そのようなことを大切にしながら、毎日を生きている人はいますか?

皆さんが意識する意識しないにかかわらず、わたしたちはそうした仕組みの中に生きているのです。

わたしたちは呼吸します。それは、わたしたちの体と空気の循環です。地球上に大気はひとつしかありません。わたしたちは食べ物を食べます。植物は大地から芽生えてきます。その大地はひとつです。大地は大きな地と書きます。それは大地球のことです。大地に生命が芽生えるということは、太陽の光が大地に当たり熱を与え、生命の種が芽生え育ちます。その過程の中で、植物は光合成という自らの体と空気を循環させる作業をします。これは太陽の力です。ですから、ある意味わたしたちは光だと言えます。それはわたしたちと太陽がひとつだということです。そして、わたしたちは生命として体の中に70%の水分を持っています。わたしたちに水分を与えてくれるのは雨です。雨は川をつくり、田畑を潤し、海に流れます。この仕組みを司っているのも、太陽です。ですから、わたしたちは太陽です。

わたしたちが生きていると、いろいろな出来事に出会います。これを人生の風と言います。人生の風と同じように、わたしたちは地球上で風を受けます。風は生命にとってどのような役割をするのでしょうか。わたしたち生命は、必ず終わりを迎えます。ですから、次の世代につなげていくために、花を咲かせ、実を結びます。実は、情報を次の世代に伝えるためのDNAです。しっかりと充実した実は体に負荷をかけます。そこで、生命は芽が出てすぐのときから風を受けることによって、自分の体を支える以上の体力を身につけていくのです。ですから、風は不要なもののように見えて、とても重要なものです。それが、わたしたちがたくましく育ち、次の世代にいのちをつなぐ種を残していくための力となるのです。地球上に吹く風は、わたしたちの人生に吹く風と同じです。そして、この風は太陽がもたらしています。ですから、わたしたちの人生は太陽と共にあるのです。

そして、この空間―― 今、わたしたちは日本の富士山麓にいます。地球は自転し公転しています。公転速度は秒速30kmです。皆さんはその風を感じますか?地球上にそれほど速い乗り物はありませんね。この場所は、地球上的には昨日も今日もここにありました。昨日から一日が経ちました。今日、この場所はここにありますね。それは、わたしたちが同じ乗り物に乗って旅をしているからです。実際にはこの乗り物は一日で約260万km移動します。ですから、宇宙的には常に未知の世界に移動しているのです。

わたしたちが地と呼ぶところはどこにありますか?そして、天はどこにありますか?今、わたしたちは日本にいます。天を上にすると、地は下になります。もうじき、リオデジャネイロでオリンピックがありますね。そうすると、ブラジルの人たちの天はどこにありますか?ブラジルの人たちの地はどこにありますか?日本で言う天がブラジルの人たちの言う地になって、ブラジルの人たちの言う天は日本の人たちが言う地になりませんか?

地というのは、地球の中心の方向のことです。そして天は、点でもあるのです。カタカムナ的に言えば同じ音ですから、同じ意味になるのです。天は宇宙のことであり、それは点の集合体です。今、ここにひとつの点があるとします。この点は秒速30kmで移動しています。そうすると、地球の直径は約12000kmですから、地球の端から端まで6分40秒で移動します。今こうやってわたしたちが話している間に、この点は地球何個分も移動してしまうのです。

ひとつの太陽のもとに、ひとつの大地のもとに、ひとつの水のもとに、ひとつの空気(空間)のもとに、ひとつの風のもとに、わたしたちは地水火風空という5原則のもとに生きているのです。そして、ひとつの乗り物(地球)に乗り、旅(宇宙旅行)をしています。その中で太陽の光が基軸となり、わたしたち生命は調和し、共存しています。

わたしたちのすべてのもとは、ひとつです。そこに立ち返って、わたしたち一人ひとりを捉えれば、地球上に平和は自ずと訪れます。

先日、イギリスのEU離脱の国民投票が行われ、日本では参議院選挙が行われました。今、人々の多くは、ひとつの枠の中で争い、自らが共鳴するところを正しいとしています。これが自我であり、エゴです。その構造から外れている人はほとんどいません。そして、自らが正しいと思う心が、この世界を創っているのです。

わたしたち人間には、他の生命とは違う能力があります。それは自分というものを特定することができる能力です。そして、自らの尺度から世界を図ることができるのです。それはすばらしい能力ですが、そのときに重要なことは、自らの尺度の位置はひとつであるということです。そして、この世界には無限の尺度があるということです。この世界はその尺度のネットワークなのです。しかし、自らの尺度だけが正しいとしたときに、すべての問題事の発生源になるのです。

今の世の中を見てください。争いという現象の背後にはどちらの側にも正しさがあります。それは正しさと正しさの争いなのです。ある意味、正しさは優れていることを表します。その優れているものたちが創っているのが、今のこの争いの世界なのです。

時代は21世紀に入り、これから3000年に向かってわたしたちはどこへ進んでいけばいいのでしょうか。自らの尺度をもってこの世界を観ることは、わたしたち人間に与えられた能力ですから、誰ひとりこの仕組みから外れることはできません。しかし、自分自身の尺度は、数ある尺度の中のたったひとつなのです。そこで、自らの尺度を超えてこの世界を観ることができるかどうかが今、わたしたち一人ひとりに問われています。

「悟り」とは、「差を取る」ことです。その反対は、「差がある」ということです。差があるということは、自分と他の存在が違うということです。そこで差を取るためには、互いの共通点を見出せばいいのです。それは、わたしたちは皆人間であり、生命であり、ひとつの太陽・大地・水・空気・風のもとに地球というひとつの生命を形成しているということです。

そのときに、自分自身は個性として存在します。自分という存在が大きな器の中のひとつであることに気付いたら、わたしたちは他のすべての存在と共にこの世界を創っていることが観えてきます。

そのときに、地球上に平和は自ずと訪れます。平和は創るものではありません。求めようとするものでもありません。わたしたちは何者であるのか。そしてわたしたちは何を観ているのか。その実体がわかれば、この世界の問題事はすべて解決されます。そのときに、この世界はたちどころに平和な世界です。それは、わたしたちが生命であることを思い出せばよいのです。

わたしたちは生命であり、地球人であり、宇宙の中に存在します。そして、永遠と紡がれてきたいのちのネットワークの中で今、ここにたどり着いているのです。わたしたちにはすでにすべての情報が内在しているのですから、わたしたちの中にある物理的・霊的なDNAを呼び覚ませば、わたしたちが何者であるかをたちどころに思い出すことができるのです。新しい知識は自分の中に取り入れるときに拒絶反応が起きることもあります。しかしこれは、皆さんの中にある眠っていたもの、もしくは忘れていたものを思い出すだけです。ですから、これを「目覚める」というのです。これに拒絶反応はまったく発生しません。それは、本当の自分(真我)に還るということです。