『シリーズ激動の世界』より ①テロと難民~EU共同体の分断

大人ミーティングにて、NHKスペシャル『シリーズ 激動の世界』を観ました。『シリーズ 激動の世界』は、大きな時代の転換期を迎え混沌とする世界の現状を映し出す、全3回のシリーズです。番組から観えて来る世界の今を、宇宙視点で観てみました!
第1回のテーマは『テロと難民~EU共同体の分断~』。EU(ヨーロッパ連合)は、国境をなくし、人やお金の移動を自由にすることで平和で豊かな共同体を築こうという理想のもとに設立されましたが、とどまることのない中東からの難民の受け入れを巡って各国の意見が対立し、今、分断の危機に直面しています。パリ同時多発テロ以降各国でナショナリズムが台頭し、統合の理念が大きく揺らぐ中、専門家は「EUが寄せ木細工のもろさを持つことをISがよく知っていた」と分析します。
番組の鑑賞後、いさどんは以下のように語りました。

『シリーズ激動の世界』公式ホームページ

 

シリーズ 激動の世界
第1回『テロと難民~EU共同体の分断~』より

いさどん:
これは、NHKスペシャルの3回シリーズの1回目です。今の世界情勢を観るのにとてもいい材料ですね。今はインターネットなどを通して様々な情報がグローバル化されていますが、そういった時代だからこそ、情報は有効に生かすべきものだと考えます。
今の地球の問題をどう考えていくのか。これからの時代は、地球に暮らす人間一人ひとりに責任があるということです。

今、EUが共同体としての概念を問われています。番組では、中東からの難民問題をめぐってEUが分断しつつある実態が描かれていました。それは共産主義が崩壊したのと同じ仕組みです。一人ひとりの人間の意識を高めることをせずに制度だけを作っても、その一つの制度の中に位置する一人ひとりが、共同体の内部に発生する格差に不満を持てば、結局はその体制を維持することは難しくなるのです。
しかし、人にはそれぞれに個性があり、能力自体に格差があります。それをみんな一律にしてしまったら、自然界の生き物ではありません。それは、人間が作る自動車の部品のようなものです。そんな世界は、本来の生命の世界ではないのです。

番組では、難民問題を巡り、アイデンティティについて語られていました。アイデンティティとは、自分が自分であるということの意味です。
一人ひとりが自分らしく生きられる社会は優れた社会ですが、それぞれが自分だけの幸せを求めてそれが渦となれば、この世界に混乱をもたらします。今の時代は、イギリスの産業革命に始まり、それがアメリカに受け継がれて250年間続いた、経済力で豊かさを享受しようとする世界がピークを迎えた状態です。宇宙的にはそのサイクルは終わりを告げています。星と星の関係で地球上の時代のサイクルは決まっており、宇宙的には終わっているのですが、人間の世界にそれが表現されるまでには少し時間差があります。その延長に、人間の世界は今、ピークを迎えているのです。そしてそのピークを迎えているということは、新たな時代の手前にいるということでもあるのです。

現在のEUの状態は、これまでの人道支援のような考え方でやっている限りは、解決しません。この番組を観ても、世界はその解決策を見出せず、困惑しているでしょう。
その混乱につけ込み、共産主義であった国が自分たちの国威を高めて、かつてのような世界に影響力のある立場を取り戻そうとしています。どの国の背後にも、自らの国の利益を最優先にし、主義主張を押し通そうとする姿勢があからさまに観えてきます。自分たちの国は自分たちのためにあるのだというのです。それは、差別化と富の奪い合いによってたどり着いた豊かさの結果です。
しかし、そういった世界の現状を振り返らず、今までと同じ姿勢をまだやり続けようとして、日本では、相変わらず経済成長を最優先とすることが国の方針となっています。そこで格差が生まれれば、今度は社会福祉で埋め合わせると言うのです。そのような対処療法一辺倒では、いつまで経っても、矛盾を生み出す社会の根本的な解決にはならないのです。EUで起きている社会矛盾も同じ性質のものです。では、そのような矛盾のない世界をどうやって創ったらいいのかと考えると、これまでとは違う価値観のもとに、人々が生きる目的を持つということです。それは人々に地球に生きることの意味として、覚醒をもたらすようなものでなければなりません。

私たちはこの生活を通して、時代の性質を知り、そのサイクルの中に歴史が表現されていることを知りました。人間が地球上に歴史を作っているのではなく、宇宙の仕組みが地球上に歴史を刻んでいるのです。そういったことを意識しながら、時代が切り替えられる時の役割としてこの生活があるということも知ってきました。
私たちは、過去の人間がやってきたような、自我を満たすための生活を目標としているのではないことは確かです。

今年になって、北朝鮮の核実験やイランとサウジアラビアなどの対立が新たに激化し、ヨーロッパにも大混乱が起きています。そういった様々な矛盾が、一人ひとりの身近なところから地球規模のものまで、世界中で吹き出し始めました。その現状に対する根本的な原因の探求がないままに、いくら表面的な対策を掲げても、さらなる矛盾のエネルギー源となるだけなのです。そういった中では、地球規模の生態系や、矛盾の発生源となる人類の共同体としての体制は、崩壊の方向に進むだけなのです。ここでもエコビレッジを創るための学びを提供してきましたが、知識的に学ぶだけでは、共同体として成り立つ実践にはつながりません。なぜなら、大切なのは知識ではなく、そこに参加する人一人ひとりの質が求められるからです。
人の質ということで言えば、木の花ファミリーもまだまだ途上です。自分の意識と向き合い切れていないのですから。しかし我々は、今の時代がどういったプロセスの延長線上にあり、現状がどこにあって、そこで自分というものがどういった意識を持ってこの生活をしていて、これからどうあるべきなのかということをわかった者として、この生活をしています。

そして今日、この番組を観ました。これは3回シリーズの第1回で、第2回は『大国復活の野望~プーチンの賭け』、第3回は『揺れる“超大国”アメリカはどこへ』となっています。ヨーロッパ産業革命以降、それを受け継いだアメリカがその物質偏重型文明を極めた後に、どういった時代が地球上に来るべきなのでしょう。

現代社会には病気が蔓延し、医療は大きく発展しました。病気が蔓延することによって莫大な経済効果がもたらされたのです。しかし、そのような世界では、医療を極めて病気をなくしていくことはできません。なぜなら、医療を経済効果とするような人間の性質自体が矛盾となり、病気の発生源とまでなっているからです。代替療法であっても、健康食品であっても、すべて病んだ社会に寄生して成り立っているのです。そもそもそういった矛盾の発生源がない世界を創る必要があります。それが次の世界のイメージです。

今の世界の主流となっている価値観は、ヨーロッパが発生源となり、アメリカで拡大され、世界中がそれに追随して、「負(足りないという心)」を満たすことの延長線上に経済を大きくし豊かさを求めるものでした。それが社会に矛盾を発生させ、その矛盾が維持されて拡大されてきたのです。そして、その常に不足感を持ち渇望する精神状態によって、富む者と貧しいものの二極化が極端に進んできました。その両者は、どちらも貧しい世界に現れる性質のものです。なぜなら、富を得た者も、他者の「負」によって富を得たのですから、そういった者たちの精神構造もまた「負」なのです。つまり「負」によってこの世界が成り立っているのです。

250年前のヨーロッパ産業革命から始まった、プラス偏重型の西洋的価値観がピークを迎えました。宇宙は必ず±0に戻る仕組みになっています。ですから、拡大すれば収縮する力が働くようになっています。現代は矛盾の極みに達し、その切り替え時に来ているのですが、その宇宙的構造に無知な者たちが、収縮させる力への対策として、さらなる拡大を推し進めようとしています。それが今の社会の実態であり、その結果、さらに地球上に矛盾が発生し広がっていくのです。
先日、COP21(気候変動枠組み条約第21回締約国会議)で世界中の国々が集まり、地球温暖化対策について話し合っていましたね。そこではCO2をどう削減していくかということを話し合っていたのですが、削減の話をする前に、なぜ人類はここまでの事態を迎えたのかを問わなければ、地球上にさらなる汚染を発生させることの根本的な解決にはなりません。そこで、そういった汚染の発生源となる人類の意識を何も問わないで、いくら削減のための新たな取り組みについて話し合っても、新たなテクノロジーが次の経済効果の種になるだけなのです。そして新たなテクノロジーは、人間の欲望をさらに刺激していくのです。
自然界には、それぞれの生命にふさわしいポジションがあります。そういったことを表す精神として、日本では、「足るを知る」という言葉があります。その精神位置に人々を誘導し、欲望から解放しない限り、この問題の根本的な解決はありません。ところが、今の人類がそのことに気付いて自らの方向性を変えるきっかけとする動きがあるかというと、はなはだ心細い限りです。結局、現代の人々は問題ごとの発生源を内に観ようとせず、外に起きる現象の対策に翻弄されている状態なのです。それは表面上の対策をしているだけで、問題がさらに増幅していくばかりです。それは、現状の延長にいずれどこかでピークを迎え、切り替えることが求められるのです。

僕はこの番組を観ていて、ヨーロッパの理想は仲良しコミュニティを創ってみんなでいい思いをしようというものだったのだと思いました。どこかのエコビレッジ運動と同じです。しかし、共同体の本質とは、持続可能であるということです。私たちの社会は、地球生態系ネットワークの中にあり、自然と共生する大前提のもとに維持されています。それを最優先にしない人々の欲望偏重型の共同体は、その大小を問わず、持続不可能となるのが宇宙の仕組みなのです。人や国の質を問うことなしに、本物の共同体はできません。あるいは、矛盾を抱えたままで、持続可能であるかのように存在し続けるのです。それは自然界にはない、人工の世界だけにあることなのです。
ここで言う質とは、機械の部品のような一律の質ではありません。それは、自らの本質が何者であるかを知り、自らが構成する全体にとってどのようなポジションに位置し、どのような役割を担っているかを理解して、そのポジションを生かしあってネットワークすることによってできる、もう一つ大きな世界を創造していることを認識している者のことを指します。それは、今ヨーロッパの国々が自己主張のもとに模索している解決策とは違う結果をもたらします。

番組の中で、ドイツの人々が「ドイツ国民は我々であり、移民たちはドイツ人ではない」と訴えていましたね。では本当のドイツ人はドイツなんだ!(チーン♪)まぁそれはいいとして、ではその人たちはいつからドイツ人になったのでしょう。地球に生命が誕生してから三十数億年の歴史があり、人類が誕生してから数百万年の歴史があるとして、その中でどれほどの期間、彼らの民族はドイツに暮らしてきたのか。そう考えると、ドイツ人が「私はドイツ人だ」と言う意識は、とても世界観が狭いものなのです。それは、今回生を受けて生まれた場所がたまたまドイツだったというだけのことです。

そういった広い世界を意識して毎日を生きたら、今のヨーロッパの混乱のようなことは起きないでしょう。あの悲惨な第一次世界大戦、第二次世界大戦の戦場となった苦い体験から、もっと開放されたみんなの家を作りましょうということでEUは始まりましたが、この混乱は、個人個人が自分というものの意識を高めずに仲良しグループを作っても結局はうまくいかないということを表しています。そして、その未熟な状態につけ込む者も出てくるのです。
昨年のギリシャの財政危機騒動の時に、僕はEUの真価が問われる時が来たねと言いました。今のEUは、同じユーロという通貨を持ちながらも結局は台所が別々になっています。通貨が同じなら、管轄する台所も一つにすればいいのです。そうすれば国家間の差がなくなります。しかしEU23年の歴史の中で国と国との貧富の差が生まれ、そしてその差は、国境によって守られるようになっているのです。
ドイツがギリシャにたくさんの資金提供をしてきましたが、それはEU統合の結果、勤勉で金融システムによって多額の富を得たドイツと、ギリシャという奔放で気位が高くお金にだらしのない国が共同体の中にあり、そこで高いところから低いところへ川のように資金が流れただけのことなのです。それを、EU全体のこととして、ひとつの経済圏の循環の中にあると認識すれば、一部の地域(ギリシャ)の問題は解決されることなのです。今回の出来事は、そのような認識のもとに意識レベルを上げ、新たな時代の地球統合に向けたモデルとなるチャンスであったのに、EUの人々にそういった意識は生まれず、時代を逆行する現象が矛盾として吹き出しました。

文明周期説から観ると、人類の歴史では800年ごとに東西の文明の盛衰が入れ替わり、その入れ替わりの時には必ず世界動乱や民族の大移動が起きています。そのターニングポイントである今、シリアからヨーロッパへ何百万人という難民が大移動をしています。

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歴史は時代の流れを物語っており、それは宇宙の星と星との関係から生み出されています。我々は本来、その宇宙の星と星の関係(天意)を意識して在るべきなのです。それは人間が天文学のように星の動きを調べて地球上の文化を創るということではありません。星と星との関係がターニングポイントを迎えると、それまであった地球上の文明が衰退し、新しいものに切り替わるのです。それは、人間に自然と湧き出してくるものです。
我々は、そういった自然や宇宙の意志を受けて歴史を刻んできています。21世紀に入って、人類にそのことがわかる時代が訪れたのです。

これから、さらに世界中に大動乱が起きることでしょう。それは単に恐怖を煽って人の意識を引き付けようとしているのではなく、事実として、この250年間続いた物質的欲望による文明は切り替わる時が来ているのです。今、それに代わる回答が、ここにあることを僕は確信しています。
今、世界の行き詰まりの話をしていますが、一人ひとりの小さな行き詰まりも同じことです。その行き詰まりを突破するには、自分と向き合うことです。それは、自分というものが既製品化されるのではなく、世界中にたくさん人がいる中で過去にも現在にも未来にもたった一人しかいない自分とは何者なのかを知り、その自分のもっともふさわしい立場にパズルのピースとしてしっかりはまって役割を果たし、生き生き生きるということです。そういう時代が来るということです。それは、自分を一番大切にする生き方です。

自然界のものは、そのものにふさわしいポジションでそれぞれがしっかりと役割を果たし、この世界を維持しています。しかし今の人間は、人工的に作られた世界の欲望に翻弄されているのです。本当の意味で生命として輝き、本当の意味で自分という個性を生かし切る。それが本当の生きている姿です。
僕はそのことに気付き、それを表現するためにこの生き方をしてきたのだと思いました。そしてそこに惹かれる者たちが、それを表現するためにここに集まってきたのだと思うと、心が言いようのない状態になるのです。これは大切なことをやっているのだ、と自覚するのです。

今、僕はこの状態で、霊的には世界に呼びかけています。宇宙に発信しています。しかし、物理的な現場としては木の花ファミリーにいて、そこに集った人たちに呼びかけています。つまり発信源として、ここの人たちを通し、宇宙に呼びかけているのです。
それは一人の意志ではなく、みんなでネットワークすることでより巨大なものになっていきます。それが、物理的にこの世界を創ってきた仕組みです。近代、人間の意識が地球の環境や社会の構造に影響を与え、創ってきました。それと同じように、人間がここまではびこる以前には、他の生命たちが地球の環境を創ってきたのです。
他の星を見てください。生命がいないから、意志表示もなく、変化もしないでしょう。地球だけがそれができる星なのです。そして我々人間は、もっともその力を発揮できる能力を与えられています。今世界が激動を迎えていることが問題なのかと言ったら、その能力を表現するためのダイナミックな場所を与えられているとも言えるのです。

これは本来、欧州議会で語るべき話ですが、それはもう少し先になるでしょう。その役割を誰がするかはわかりませんが、この意識は必ず受け継がれ、西暦3000年まではそれがベースとなっていきます。
簡単な話でしょう。あなたたちの国は地球なのです。そしてあなたは、その地球の細胞なのです。あなたの体を見てください。細胞が集まって、例えば右腕ができた、左腕ができた、それぞれの内臓ができたというのは、地球上で言ったら国家のようなものです。その1個1個の細胞や機能が争っていて、全体が健康であるわけがないでしょう。こんな単純なことが、人間にはわからないのです。それは何故かというと、意識があまりにも内に向きすぎているからです。その自我の欲求によって内向きに偏った意識が発する想いや行動が、全体をバランスよく捉えることを阻んでいるのです。それは一人の人間が、自制心がないために生活習慣病になっているような状態です。
一人ひとりの人間が自我に溺れ、自我の欲望を満たすことばかりを考えて客観的視点を持たずにいるから、人類はそんな簡単なことがわからずにいます。その世界観の狭い者たちが、民主主義だ何だと言って利益誘導型の社会システムを創り、その欲望のもとに代表を選んで国家ができ、その延長線上に今の地球があるからこういった状態になっているのです。

この世界はすべて相似形ですから、小さなものも大きなものもすべて同じ構造になっています。宇宙全体も、我々の体も、細胞の一つひとつも原子の構造も、皆同じ仕組みで成り立っています。それはどういうものかと言うと、自らが存在するということは、同時にもう一つ大きなものの一部としての役割を果たしているということです。それが調和であり、協同するということであり、生命の構造そのものなのです。
しかしそんな単純なことが、わからない人にはわからないのです。番組の中であるドイツ人夫婦が、移民を受け入れないことがいかに大切かということを真剣に考えて近所の人々を説得するシーンがありましたね。そうしたらそれを聞いて、移民を受け入れるべきだという平和的な考えのはずの人が「あなたのような人が近所に住んでいるなんて耐えられない」と言い返していました。すべての人を尊重するべきだから移民も受け入れるべきだという人が、自分と考えの合わない人を排除しようとしているのです。その姿から学べるでしょう。
パズルのピースは、一つひとつが個性的な形をしていて、同じ形のものは二つとありません。他の場所には決してはまらない。しかし、はまるべきところにしっかりはまれば、それによってパズルに描かれている景色全体が完成します。一つでも抜けていては未完成なのです。
我々は、一人ひとりがそのパズルのピースのような立場を与えられています。どのピースも必要なのです。それを認めることから、今ヨーロッパで起きている問題も解決されていくのです。

簡単なことでしょう。パズルからでも学べるのですよ。自然はすべてそういった仕組みの中にあるのに、人間だけがそこから外れています。こんなに人間が自然から外れたことは過去にもないでしょう。あの第二次世界大戦の時代よりもさらに、今の方が外れています。第二次世界大戦のころも暗い時代でしたが、それでも、一つの民族は団結していました。今は一つの民族すらバラバラになっているのです。それを構成する一人ひとりの自我の意識が強く、日常生活の中ですら心が通じ合っているとは言えません。
だからこそ、この生き方が大切なのだということを改めて自覚するのです。大事なのは、こういった番組を観て、次の一歩をどのような意識で踏み出すかということです。
我々は、地球の歴史を横軸として、その上に生きています。そして縦には、宇宙の星と星のメカニズムがあり、そのサイクルが我々生命の中に流れているのです。そんな意識を持って生きる人間が、そろそろ地上を闊歩してもいいでしょう。それは地上に天の意志が反映されて成り立っているということ、つまり地上天国です。天の意志を持った人々が融和して生きる神人和合の世界です。宗教の世界ではずっとそのようなことが言われてきましたが、残念ながらまだ地上にはその世界は訪れていません。これからの1000年をかけてそれが達成されるのだろうと思いますが、21世紀に入り、やっとその兆しが顕れてきました。その一つが、このヨーロッパの混乱です。古いものが壊れなければ、新しいものは生まれないのです。

今日の番組は日本の国営放送が制作したものですから、ある程度の日本人が観ていることでしょう。海外でも観ている人がいるかもしれません。多くの人はそれを自分と直結させるのではなく、世界にはこういう問題があるのだと自分から切り離して見ているところがあります。しかし、この世界で起きていることは必ず自分にも何らかの原因があって起きているのです。
だから、自分一人が切り替わろう。そう意識した人々がネットワークしていけばこの問題は解決に向かっていきます。

みかこ:
EUができたのも、二度の世界大戦があまりにも悲惨で、もう戦争はこりごりだというところから一つになろうとしたわけだけど、結局、心を変えなければいくらシステムを変えても形だけになってしまって、そのボロが今出てきているということだよね。

いさどん:
自分の身近なところだけを見ていても、本当に切り替わることにはなりません。自分の内側で想っていることと、自分の外にある広い世界が一致して、初めてこの世界に影響を及ぼすようになるのです。ですから、広い世界観の意識の上に立って自らの内を観る人になることです。

今、時代の切り替わりの時が来て、本当に一人ひとりが目覚め、菩薩として生きる時が来ています。自然界では、木も、草も、微生物ですらどこにも所属せず、宇宙に所属しています。そして地球生態系ネットワークの中で自らを存分に発揮し、菩薩として存在しているのです。
存分に発揮するとは、自分というものの自我をすべて表現したということです。そして世界の成り立ちに貢献している姿です。そこに至ることが、人類がこれまで愚かしい歴史を歩んできたことの延長にある答えなのです。狭く身近に区切った答えを見つけて、自己満足する世界に意識があれば、それはこの世界の時代の流れに反することになりますが、意識が広がれば、地球の歴史や人類の歴史を超えて、宇宙の目的と共にある自我であることもできるのです。そういった意識に到達することが、人として生まれ目指すべき本当の価値なのです。

21世紀に入り、そのメッセージが人間社会の在り様を通して垣間見えてきています。今は2016年ですが、3000年ごろには人類の意識は完全に宇宙時代を迎えます。今は地球をどうするかという話をしていますが、その頃には宇宙をどうするかという話になっているでしょう。地球ネットワークを超えて、太陽系ネットワークや、ひょっとすると銀河全体までその意識が広がっているかもしれません。
その時に、物理的な目の前の出来事の対策に追われているようでは、それに対応することはできません。次の時代は物理的な五感だけでは把握できない世界だからです。これからの時代は、霊的意識が高まらなければ、次の時代の運営にふさわしい智慧を引き出すことはできません。そして人間には、それをできる能力があるのです。

2016年の幕が明けたばかりのところであまり先の世界の話をしても消化不良になりますから、今日はここまでにしておきましょう。ただ僕がここで伝えたいことは、21世紀を迎え、ここにこういった人々の生活がある。地球上にこういった場所があるということです。時代の流れがわかればわかるほど、その大切さを感じます。その自覚を持てば、明日からのあなたの在り方は、変わるはずなのです。

 

 


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