いつかジイジが旅立つ時に 私たちは何を覚えておくべきですか 〜 ナイジェリアからの研修生・ウァリのインタビュー

ウァリは、ナイジェリアのイバダン大学で持続可能な農村開発のプロジェクトに参加している大学院生です。グローバル・エデュケーション・マガジンに掲載された『新たな時代のモデルとしての持続可能な暮らし』という記事で木の花ファミリーのことを知り、様々な問題を抱えるナイジェリアの現状を突破するヒントがそこにあることを見出したウァリは、木の花ファミリーへ研修滞在を申し込みました。アフリカの学生が日本へ研修に来るには、ビザや経済面など現実的に多くの困難がありますが、NPO法人ぐりーんぐらすの支援のもと、不思議とビザもスムーズに下り、15日間の研修滞在が実現したのでした。

あいちゃんをママ・ジイジと呼んでいたウァリ

滞在中、ジイジを始めとするメンバーたちへのインタビューを重ね、ファミリーの暮らしの奥にある世界観を深く吸収していったウァリ。滞在も終わりに近づいたある日、ジイジの奥さんのあいちゃんにインタビューをし、あいちゃんの変化の物語に大きく感動したウァリは、その日の夜、あいちゃんも同席する場で、ジイジへの最後のインタビューを行いました。以下、そのインタビューの全文をご紹介します!

ウァリの周囲はいつも明るく、インタビューもとても充実した場となるのでした

ウァリ:
まず、このようなインタビューの機会を得たことに私が心から感謝していることを、どうかジイジにご理解頂きたいと思います。こうしてジイジの隣りに座ることができるのは、私にとってとても光栄なことです。今日はジイジの奥さんへもインタビューをし、ここに至るまでのさまざまな物語を聞いて、とても感動しました。そこで、ジイジへの最初の質問です。ジイジが木の花ファミリーという場を立ち上げることになった最も大きな動機は何ですか?

ジイジ:
私は普通の家に生まれました。決して特別な育ち方をしたわけではありません。
子どもの頃はどちらかというと臆病で人見知りな子であったと記憶しています。父親は政治家でした。私の生まれた家は、他の家よりも少し伝統のある家で、私は子どもの頃から祖先に興味を持っていました。現在の私たちの存在の元となる魂たちがいて、自分がいるのだということに興味があったのです。特に、両親に対する感謝の気持ちが強かったです。私は6人兄弟の下から2番目でしたが、社会人になったら両親に恩返ししようという気持ちが他の兄弟たちよりも強くありました。愛子さんと結婚をしたのも、自分が気に入っているということはもちろんですが、何より両親が喜んでくれる人と結婚しようと思って彼女を選んだのです。社会人になり、25歳で会社を立ち上げ、独立しました。たくさんお金を稼いで豊かな暮らしをする目的の一つは、両親が喜んでくれること。そして私が社会的に成功すれば、先祖も喜んでくれると思っていました。そこで私の特徴がひとつ観えてきます。私の中には、自分ではない誰か他の人のために生きるということが、常にどこかにあったのです。
25歳で会社を立ち上げ、日本は高度経済成長期でしたから、経済的に豊かになるということをスタートさせたのですが、私の場合は30歳でスピリチュアルな体験をすることになりました。その体験はあまり一般的なものではないので、どちらかというと自分の内に秘めて、身近な人たちに自分の体験の真実として伝えていました。

その始まりは、私が20歳の時に、15歳の時に亡くなったおばあさんが私の頭の上にいつも座っていることに気付きました。そしておばあさんは、私の人生がうまくいくように導いてくれました。だから仕事もとても順調で、それは私が30歳になるまで続きました。愛子さんとは、私が20歳で彼女が17歳の時に知り合い、私が21歳で彼女が19歳の時に結婚しました。同じ年代の人たちよりも少し早い結婚でした。でも私には、将来会社を立ち上げて豊かになり両親に喜んでもらい、先祖に喜んでもらうことが目標なので、彼女と力を合わせてそれをやっていくために結婚を決めたのです。
25歳の時に、ある占い師に会いました。彼は私に、あなたの人生は20代はとてもいいですよと言いました。そして30代になったらさらに良くなるでしょうと言いました。それで私は事業が大きくなってリッチになるということだけを考えていました。実際に収入も高く、豊かな生活をしていました。しかし30歳になった時に、私の頭の上に、黄金の仏陀が現れたのです。それはとても衝撃的でした。
仏陀は、私がそれまで目指してきた人生の目的を肯定はしますが、結果的にそれをすべて捨てることを望みました。そこで私はインドにも行き、自分はなぜ生まれてきたのか、どう生きるべきなのかということを、導かれるように探求することとなりました。愛子さんは最も身近な存在でしたから、私はそのことを彼女にも語りましたが、彼女はまったく興味を持ちませんでした。彼女にしてみれば、約束が違うと思ったのです。彼女は特にお金を求めていたわけではありませんが、事業を大きくして両親を幸せにするというような、一般的な社会の生き方を思い描いていました。私も同じでしたが、30歳の時の仏陀との出会いによって、自らの自我を超えて世の中のために生きることが、もっと価値のあることだと気付いたのです。
そこで30歳を過ぎてから、私は自分の人生の設計を立て直すこととなりました。日本では人生80年と言います。そこでその半分の40歳までの10年間は、自分自身の目的のために生きよう、そして40歳からの半生を世の中のために生きようと思ったのです。特に40歳からは、お金のために生きることをやめようと考えました。ですから30歳から40歳までの10年間は、40歳から変化するための移行期としたのです。そのように考えるようになってからは、事業への拡大意欲はなくなりました。40歳からの新しい人生に切り替える準備を始めたのです。

黄金の仏陀が現れて以来、私は自分の知らないことを語るようになりました。当時日本は急速な経済的発展を経て、家庭にも社会にも矛盾が噴き出し始め、親子関係でも夫婦関係でも、たくさんの家庭が壊れていく時代でした。私の仕事は内装業でしたから、そういった崩壊した家庭を訪れる機会が多くありました。そこで私は仕事のことを忘れ、そういった家庭に対しアドバイスをすることが多くなっていったのです。
そのアドバイスは、私の社会的経験よりもはるかに優れたものでした。30歳に黄金の仏陀に出会い、その仏陀が私の体の中に入ったからです。ですから私は自分には経験のない話をし、その馴染みのない話が、とても納得のできる優れた生き方であるということを理解しました。最初の2年間は自我の欲望の名残があり、それを捨てることができず、自分の中に、もともとの自分と仏陀が与えてくれる精神性の二つがあり、その葛藤にとても苦しみました。ですから最初の2年間は、一人になるといつも泣いていました。とても孤独な時代でした。人々に優れたことを伝える自分と、内に葛藤を抱えている自分との整合性が取れなかったのです。
そんな中で私の支えになったのは、見えない存在である仏陀でした。内に葛藤を抱え、誰からも理解されない中で、仏陀だけが私の心の支えでした。そして私は、あることに気付きました。「愚かな自分を捨てよう。」自我を超え、人々や社会のために生きることが尊いことであり、自分の目指すべきことであると気付いたのです。そこに気付くまでに、2年かかりました。

私が大切にしていた両親は、私のことを頭がおかしくなったのだと思いました。一緒に生きていこうと約束した奥さんは、私に対して「約束が違う」と怒っていました。しかしその時の私の特徴は、たとえ人が信じられないことでも、自分の体験は人に伝えなければいけない、と、正直であることを最も大切にしていたことです。その結果、身近な人々とは心が遠くなりました。しかし一方で、さまざまな問題を抱えて私の元に相談をしに来る人々は、それに対して私がアドバイスをしたり、仏陀が示す生き方を語ることで、距離が近くなっていきました。
その頃に出会った中の一人が、のりちゃんです。彼女とはもう、出会ってから43年になります。そして彼女は旦那さんとは別れましたが、私とはずっと一緒にこの道を歩み続けています。のりちゃんの妹のれいちゃんも同じで、彼女も旦那さんと別れてこの道を選びました。何より力になったのは、じゅんじマンとはるちゃんの夫婦です。そしてまりちゃん。えいこばあちゃん。ちなっぴー。かずこちゃん。やすえどん。そんな新しい出会いの人々が、とても近しい関係になりました。一番近くにいた愛子さんは、私の反対勢力でした(笑)。私の両親と一緒になって、新しい生き方をやめさせようとしていました。
40歳で仕事をやめて新しい生き方を始める少し前に、愛子さんとはもう一緒に生きていけないだろうと思い、そのことを彼女に告げました。財産はすべてあなたにあげるから、僕は僕の生き方をする、と伝えたのです。その結果彼女に奇跡が起きました。そして今、彼女はここにいます。彼女には難しい選択でしたが、おそらく天が彼女は必要だということで、この生き方をすることを求めたのでしょう。今でもとても重要な役割を果たしています。

今もとても大きな役割を果たしているあいちゃん。あいちゃんの奇跡の物語については、後日改めてご紹介します。

ジイジ:
ここに至るまでにはたくさんの物語があり、それをすべて語ろうとすれば話はとても長くなります。ともかく私の人生は、40歳から新たなビジョンがスタートしたのです。
39歳の時、仏陀は私から離れていきました。それは卒業でした。その後、たくさんの天界の霊と出会うこととなりました。現代人は、生きている人間だけでこの世界が運営され、自分たちの意志でこの世界を動かしていくべきだと考えています。けれども私が自らの体験を通して理解したことは、地球は宇宙の中にあり、奇跡の星だということです。ですから人間の欲望やエゴによって、現代のように自然を壊し、生命を傷めつけてはいけません。この星は地球だけでなく、ましてや人間のためではなく、宇宙の総意によって創られた星なのです。
現代の高等教育を受けた人々には理解できないことかもしれませんが、私は銀河の運営センターと交信しています。そして銀河の中のひとつの組織である、かつて地球上に肉体を持って存在していた、地球を健全にするための魂たちと連携し、これからの人類の在り方を導くということをしています。時代は21世紀に入りましたが、これから30世紀に向けて、人類は宇宙人としての意識で進化していかなければなりません。20世紀までのような人間のわがままを地球上に展開する生き方では、宇宙人として地球を運営し、さらにはこれから宇宙へ進出していくのにふさわしいものであるとは言えないでしょう。
宇宙の成り立ちは、フリーエネルギーです。太陽と地球の関係、太陽系の惑星たちの関係、太陽系と銀河の関係、さらには銀河と銀河の関係に至るまで、それはとても壮大で無限なることであり、同時に大変精密なものです。人類が物理的に探査しようとしても不可能なほど、宇宙は巨大なのです。時間的にも空間的にも不可能です。その巨大で無限なる宇宙の法則によって、私たちは今、ここに生きています。地球上に展開されている生態系のシステムも、宇宙の法則によって成り立っていますから、無限に循環していくのです。植物や動物のような生命たちは、その循環の中で種を進化させながら命をつないでいます。それはとても美しい世界です。この物理的生命世界の循環は、宇宙の中でも特に奇跡と言われるように、意図的に創られたものです。

私が初めてそのことに気付いた時、私は人間を悪であると考えました。ですから自分が人間であるということや、人間そのものに対して悪い印象を持っていた時代がありました。宗教に対しても、同じように悪い印象を持ったのです。そして経済も、表面的・物理的豊かさの追求から、人々を欲望の虜にしていくのです。人々はいつしか、星々の意思を受け取ることも、自然と対話することも、そして大地や動植物たちと共に生きることも忘れてしまいました。そうして自らの生命力を落としていったのです。
人々は自らの生命力を落としながら、人工的に作り上げたものによって情報を得て、地球上に矛盾をもたらすことによって豊かな生活をしていると錯覚しています。このように一方的に人工の世界を膨らませて自然の調和を乱すことを続けていれば、いずれ人類は過去に絶滅していった生命たちと同じように、地球上から淘汰されることになるでしょう。しかし人間がこのように人工の世界を広げているということは、それだけの高い能力を持っている証でもあります。その使い方を変えれば、人間は優れたものにもなれるのです。
木の花ファミリーは日本人の一人当たりの平均収入からしたら、はるかに低い収入で暮らしています。しかしその暮らしは、みんなで助け合い、分かち合い、世の中で困っている人たちを支援する、とても豊かなものです。今地球上で先進国と言われる日本やアメリカやヨーロッパの人々は、人工の世界で暮らしながら、地球のバランスを壊しています。そしてそれに続いて発展しようとする国々も、同じものを目指していることが問題なのです。

私は仏陀から9年間の学びを与えられ、社会の問題事に出会うことによって、その原因は人間の心にあるということを学びました。そして40歳になる前に、天から「夜明け前に富士の山の頂上に登り、日の本の国の頂点に立て」という命を受けました。そこでとても大変な思いをして、夜明け前に富士山の頂上まで登りました。愛子さんも一緒でした。そして明るくなった東の空に、とても強い光を放つ星があることに気付きました。そこにはたくさんの人々がいましたが、どうも他の人々はその星の存在に気付いていないようでした。
そこで私はその星に向かい、こう言いました。「お言葉の通り、私は今、日本の国の頂点に立っています。どうぞ命をお与えください。」すると、このように返ってきたのです。
「その心、日の本の国全体に説くが良い。」

その瞬間、私にはそれを否定する心が湧き起こりました。とんでもない、私には特別な能力もない、高い教育を受けているわけでもない、そんなことはできません、と心の中で思いました。「日の本の国」とは日の当たる国のこと、即ち地球のことです。私は英語を話すこともできないのに、どうやって外国の人にまで伝えていくのですか、と思いました。しかしその時にひとつ、思い浮かんだことがあります。それは、これからの私に何ができるかわからないけれど、これまで学んできたこの心で、これからも生きていくことはできる、ということです。
そして、大変な思いをして登った富士山を下山し始めました。登る時はあんなに大変だったのに、下りる時には「また来よう」と思っていました。その時には、木の花ファミリーはまだ始まっていません。

木の花の創立期を支えたメンバーたち

その後40歳になったので会社をたたみました。それから2年間は、農業の勉強をしました。そして42歳の時に、富士山麓へ移住したのです。愛子さんも一緒でした。そしてのりちゃん、れいちゃん、ちなっぴー、かずこちゃん、じゅんじマン、はるちゃん、えいこばあちゃん、まりちゃん、やすえどん。大人15人、子ども5人でこの生活が始まりました。その中で今、11人の大人がここにいます。5人の子ども達は社会へと巣立ちました。つまり、4人の大人が脱落したということです。

自然をきれいにするには、食べ物を生産する農の現場をきれいにしなければならないという思いから、最初に有機農業を始めました。そこで、微生物との出会いが始まりました。私たちの暮らしは自給自足が目的ですから、作物は多くの種類を少量ずつ作りました。それは農業としては効率の悪いものです。しかし幸いなことに、この生活を始める3年ほど前から、メンバーたちには不思議なくらいお金が溜まるようになっていたのです。ですからお金に困ることはまったくありませんでした。
最初の10年間は、農的共同体としての基礎を築く時代でした。そして10年が過ぎた頃から、もともと様々な人々の相談に乗ってきたこともあり、うつ病や引きこもりなどの人々を受け入れ、ケアをすることが始まりました。その頃からマスコミにも取り上げられるようになりました。そしてみちよちゃん達が現れて、エコビレッジ運動関係の人々がここに関わるようになりました。その人たちは、私にとってはどちらかというと迷惑な存在でした。彼らにとって精神性は重要ではなく、ただエコビレッジのイメージに憧れて来る人々ですから、心を磨くことをしないのです。
当初、ここは誰でも受け入れていましたから、メンバーがどんどん増えていきました。霊的には最も混乱した時代でした。そして、自分を改善することのできない自我の強い人々がここを去ることになりましたが、彼らは自らの非を認めることなく、外からここをバッシングするようになりました。そのような困難な時期もありましたが、今現在、この生き方は本当に大切な生き方だということを多くの人々が理解し、支持するようになっています。一見困難と思えることがあったことで、自らのエゴを優先して心を磨かない人々がここから離れることになったのも、天の配慮であったと思っています。

そしてここ数年、海外との交流がとても多くなりました。特に中国を始めとするアジアとの交流が増えています。それは、西洋的物質文明が衰退し、これから東洋的精神文明が世界の主流となり、時代が創られていくことの証でしょう。これからの中国の未来は、地球の未来にとても大きな影響をもたらすのです。つい先日もインドからゲストが訪れましたが、インドも同じ立場にあります。彼女は、霊的にはとても私に近い人でした。
そして今、アフリカは地球最後の経済的フロンティアと言われています。しかしそのアフリカで、これまでのような物やお金一辺倒の開発が進めば、地球環境はさらに悪化することでしょう。ですからアフリカの発展には、新しい価値観の豊かさが必要です。時代はすでに21世紀に入ったのですから、なおさらです。そういったことにアフリカの人々が気付くための提案が、私にはあります。それは、民族としての誇りを保ち、世界観を広げ、精神性を高めていくことです。そして自然との絆を取り戻し、共同していくことです。それは、宇宙が地球を創った時の設計図にふさわしい、自然豊かな世界に立ち返ることです。あなたは、そういった社会をアフリカに広げていくためにここへ来たのだと、私は理解しています。

私の人生を振り返ると、お金や人材で苦労をしたことはありません。私は普通の人とは少し違った人生を歩んできましたが、その目的は社会を豊かにし、人々の幸せを実現することです。それを願って生きてきたのが、私の人生です。その最終的な目的は、地球が宇宙の総意によって創られたオアシスであることを、実現することです。本来、宗教がそれを世界にもたらすべきでしたが、宗教は自らの主張によって対立し、他者を否定する存在となってしまいました。そして現在、その存在が争いの元となっています。
宇宙はひとつです。地球もひとつです。私たちの世界観が広くなり、宇宙的視点に立つと、地球が存在することの目的はひとつになります。ですから、私たちの存在することの目的も、ひとつになるのです。そこでは、宗教も、経済も、地球上で表現されることはすべて、ひとつになります。私が今回頂いた命は、残すところあと11年と半分です。その間に、自らに湧いてくるこの宇宙的視点を、地球上に広めていきます。この精神状態で生きることは、現代の地球人類にはなかなか難しいことです。こういった木の花ファミリーのような生活は、絵に描いた世界のように人々は思ってしまうのです。

ウァリ:
ここに来る前、ジイジや木の花ファミリーの様子をユーチューブで観ました。それを観た人々はみんな驚いて、いったいどうしたらこんな暮らしが実現できるのかという問いを持つようになりました。

ジイジ:
もしかして嘘なんじゃないかと疑ったりしてね(笑)。しかし人々の精神性が整ってくれば、その暮らしは実現可能であるということを、木の花ファミリーは証明しています。私が天から受けた使命を、人々に伝えていくことによって、それを現象化することができる。それが木の花ファミリーの暮らしです。
宇宙の総意によって奇跡の星・地球ができているように、天の総意によって地球の中に木の花ファミリーがあることも、宇宙の総意なのです。かつて富士山の頂上で、その心を世界に広めるようにと伝えられた時にはとても無理だと思いましたが、しかしそのために必要な人々が、自然と集まって来たのです。そして私がするべきことは、この湧いてくる心を語ること。私は天と共にそれを進めていく意思を持っていますから、そのために必要な人材も、物も、お金も、必要なものは与えてくれるのです。私がしていることは、天の方を向いて、そこから来るメッセージをみんなに伝えるだけ。そうするとあとは天が広げてくれます。なぜなら、地球は宇宙の総意によってできているからです。
少し長い話になりましたが、あなたの最初の質問への回答として、最後にひとつお伝えします。だからこそ天は、あなたをここに導いたのです。これから地球を優れた星にするために、あなたもそのスタッフであるということです。

ウァリ:
ありがとうございます、ジイジ。実は今日、私には他にも用意してきた質問がいくつかあったのですが、今のジイジのお話は私のすべての質問に答えてしまいました。まるでジイジの魂が私の質問しようとしていたことをすべて知っていたかのようです。ジイジの、今私たちを取り囲む世界と、そして未だ見ぬ世界への高い叡智に感謝します。

ジイジ:
なぜあなたが質問しようとしたことに私がまとめて答えてしまったのかというと、科学に代表されるように、現代人は物事を区切って捉えます。それは特に西洋的なものの捉え方です。しかし、宇宙はひとつであり、地球はひとつであり、私たちは地球に生きるひと塊の生命です。それはひとつの物語の中にあります。その物語の中の一つひとつのものごとをひも解いていくと、すべてのものごとは共通しており、一つひとつがつながり、全体を網羅しているのです。
私が今語ったことは、私が「こんなことを語ろう」と考えて語ったのではなく、ただ湧いてくることを語っただけなのです。これは天の智恵です。あなたも宇宙を生きていて、天の意思によってここに来ているわけですから、その出会いは、上では共通点を持っているのです。
今、人類は人工衛星を使ってGPSで互いの位置を確認しています。しかしそれよりもはるかに高度な宇宙的情報網によって、私たちは出会うことが決まっていたのです。この出会いはとても祝福されるものですね。何よりも、地球が喜びます。

ウァリ:
ありがとうございます。あともう少しだけ、聞きたいことがあります。木の花ファミリーを創立する以前に、ジイジのもとに黄金の仏陀が現れたということですが、ジイジの霊的な目覚めはその時から始まったのですか?

ジイジ:
それは違います。私は仏陀から、私の素性を聞きました。私はもともと、地球の魂ではないのです。宇宙にはたくさんの天体があり、それぞれに魂が所属しています。この世界には、宇宙人としての魂がたくさん存在し、宇宙が運営されているのです。私は今回、この時代に役割があるということで、地球に派遣されたものです。お釈迦さまやキリストやムハンマドのような過去の優れた宗教家たちも、例えばガンジーのような人々も、霊的には私の仲間であり、そういった存在が現在も地球を導いていることは確かです。
私の魂は約1000年ほど前に、インドのヒマラヤへ降り立ちました。今回は3回目の輪廻で、これが地球上での最後の役割になります。ですから私としては、自分の役割を仕上げなければなりません。時代的には、20世紀を終えて30世紀へと向かう千年紀の進化が始まったところです。ここで方向性を間違えると、人類は自ら自滅の道を歩むこととなるでしょう。仏陀は、私がその記憶を取り戻すまでの教育係としての役割を、9年間果たしてくれたのです。
過去の優れた宗教家たちも、その存在の目的はひとつでした。今地球上にはISやボコハラムのような過激な宗教集団もいれば、宗教とは関係のないテロリストや過激な国家もありますが、そういった対立を引き起こしている原因は、人々の世界観が狭いからです。今はアメリカでも中国でもロシアでも、過剰なまでの軍事力を装備しています。

ジイジが愛用している中日ドラゴンズの帽子

ひとつ面白い話をしましょう。あそこに僕の青い帽子がありますね。あれは中日ドラゴンズという、日本の名古屋を拠点とする野球チームの帽子です。僕は若いころ、ここの大ファンで、選手ではなく応援団としてテレビに出たりもしていました。僕がなぜこのチームを応援していたのかというと、自分が住んでいた地域の球団で、自分に近い存在だったからです。今、野球のワールドカップがありますが、そこでは日本人のほとんどが日本チームを応援します。そこでもし、太陽系チャンピオンシップがあったとしたら、地球人はみんな地球チームを応援することでしょう。さらに銀河系チャンピオンシップがあったとしたら、太陽系のものはみんな太陽系チームを応援することでしょう。誰でも個人のことになると自分が一番大事であるように、世界観が広がると、大きな世界が自分自身になるのです。
世界観が狭くなりすぎると、例えばストレスからお酒を飲んでアルコール中毒になって病気になるように、自分の体すらコントロールできなくなります。そこで、私たちは地球という宇宙船に乗った家族であり、共に宇宙を旅しているのだということに気付けば、地球はひとつになり、平和になります。それは簡単なことだと思うのです。私たちは自分の内からの価値観で外を見るのではなく、外の価値観を自らに当てはめて見るということをすれば、そこにあるそれぞれの違いは個性にしかすぎず、その個性を互いに活かし合えば、相手の存在はとても歓迎されるものとなり、この世界が豊かになるのです。内から出てくる自我と、外から見える客観性が、常に一致していることが大切です。

ウァリ:
もうひとつお聞きしたいことがあります。それは世界が今直面している、温暖化についてです。今、様々な科学的調査によって、人類が今のままの生き方を続けていけばいずれ絶滅することになるだろうということが明らかになりつつあります。そこで、私たちはどのようにこの問題を解決することができるのか、それに対するジイジの見解をお聞きしたいです。

ジイジ:
その問題に関する、私の見解はありません。私の見解を言うとしたら、最も良いのは人類が絶滅することでしょう。地球の歴史を振り返ると、過去6億年の間に6回生命は大量絶滅しています。もっとも最近の大量絶滅は約6500万年前に起きました。
絶滅と聞くと、人間たちは今持っているものが壊れて無くなるという恐怖を感じます。しかし生命は、必ず死にます。そこでは、身近なものの死こそ悲しく、受け入れられないものです。しかしそれは地球の新陳代謝にしかすぎません。私の体を構成する数十兆個の細胞は、毎日生まれては死に生まれては死ぬことを繰り返しながら、入れ替わり続けています。死ぬことを悲しんでいたら、私は毎日どれだけ悲しまなければならないのでしょう(笑)。
地球にも歴史があり、時代があります。穏やかな時代もあれば、過激な時代もあります。地球の生命を人生と例えるなら、今は最も大きく変化する時を迎えているのです。海の波が荒いと危険ですね。しかしもしもあなたがサーファーであれば、波が大きいことを歓迎するでしょう。今はそういった時代なのです。私としては、今の人類はわからず屋で、自分の能力だけが高いものであると思っていますから、リセットした方が良いと思っています。しかしながら、銀河の指令センターと地球運営チームは、そうは考えていないようです。人間たちに、自分たちの行いが間違っていることを気付かせ、改めるために、さまざまな現象を起こして刺激を与えているのです。刺激はこれからますます増えていくことでしょう。なぜなら、人間たちがボケて、真実を観ようとしていないからです。

ウァリ:
ジイジは、いずれこの星を去りますね。その時に、後に残る者たちがどのような状態になっていることを望みますか。私が映像で観た富士浅間木の花祭りのように、木の花ファミリーでは調和の響きを世界に発信する様々な活動を行い、世界中から訪れるゲストにもその世界観を伝え続けています。そこで私たちは何を受け取り、いつかジイジが旅立った時に、何を覚えておくべきでしょうか。

ジイジ:
先ほどの温暖化の話と同じように、私たちがするべきことは、もう一段深くものごとを捉える目を持つことです。今は資本主義の影響で、お金や物などの物理的現象の虜になっています。しかしすべての物理的現象の奥にスピリチュアリティがあり、それが元となって物理的世界が発生しています。そのことに気付いた時に、現代の人間たちは物理性に偏りすぎており、その矛盾が物理的現象となって現れてきていることがわかります。それを解決する一番の近道は、見えないけれど最も大切な愛や調和や善意を、人々が取り戻すことです。そうすると地球が穏やかになり、マイクロプラスチックも早く自然の循環の中へと還り、温暖化も穏やかになることでしょう。
人間の心が変わることで太陽の活動が穏やかになり、それと連動している地球のマグマの活動も穏やかになるということが、現代人には信じられないのです。しかし実際私たちが人生を生きていて、自分の心が穏やかな時には穏やかな人生を歩むでしょう?あれが欲しいこれが欲しいと騒ぎ立てたり対立すれば、戦争のような過激な出来事が起きるでしょう?それは宇宙の法則の顕れであり、私たちの心と物理的現象の関係は、宇宙の構造と実際に同じなのだということに気付く必要があるのです。「世界をもっと良くしよう!」と力めば力むほど、平和運動すら対立を生むということです。
だからこそ、穏やかに、愛と調和と善意を実践する。一人ひとりがそのような精神状態になると、地球も穏やかになります。それが私が地球人に伝えたいことであると同時に、私が地球を去っていく時に残したい財産です。

地球人は物理的意識が強いですから、健全な環境を取り戻すために新しい技術を開発したり、平和を取り戻すために交渉して平和運動をするなど、物理的現象に対して物理的な形で対処します。しかし、宇宙の司令塔は物理性ではありません。その視点から観ると、地球上で起きている現象はすべて、人々の心が原因であることがわかるのです。
ですから宇宙から来るメッセージはいつも、心を穏やかにしなさい、そしてあなたは他者と同じであることを理解しなさい、そのためには、この世界は広く、多様であることを知りなさい、と伝えています。不幸なことに、現代の人々は宇宙のことを忘れ、自分たちは人間だと思っています。これが最も不幸なことです。

時代は霊性の目覚めの時代に入りました。それは25800年の、私たち人類にとっては長いサイクルです。それが今、始まったばかりです。ですから、宇宙的にはまだまだ闇の中です。しかし、かすかですが、確実に光は増していきます。人々の目覚めは進んでいます。その証として木の花ファミリーの生活があるのです。そしてその証として、あなたがここに来たのです。

ウァリ:
その通りです。

ジイジ:
これはまだ小さな動きですが、これから確実に広がっていくことでしょう。宇宙は生命です。生命は、善なる愛なる調和によって成立します。それが生命の実体であり、宇宙の実態です。

ウァリ:
実際に、それを木の花ファミリーの暮らしの中に観ました。私はもうすぐここを離れますが、ファミリーのメンバーたちの中に表現されていた愛や一体感、平和や調和をきっと恋しく思うことでしょう。皆さん一人ひとりが、本当に素晴らしいです。
今はまだ、私がなぜここに来ることになったのか、明快な理由はわかりません。しかし時が来れば、きっとわかることでしょう。最初に木の花ファミリーへ研修に行くことが決まった時、私ははたしてビザが降りるだろうかと思いました。通常日本大使館はそう簡単にビザを発給しないのですが、私の場合はどういうわけかスムーズにビザが降りました。

ジイジ:
今はわからなくとも未来に進めばわかるだろう、というのが、この世界の真実の理解の仕方です。先に目的を持っているとしたら、多くの場合、それは人間の自我によるものです。

ウァリ:
後で、ビザの申請を担当してくれた(ファミリーメンバーの)みちよから、私のビザはきっと降りるだろうという確信があったという話を聞きました。しかしビザが降りても、私は学生で、アフリカから日本へ来ることは経済的にとても困難です。それでビザと、NPO法人ぐりーんぐらすからの招待状を持って、ナイジェリアの私のメンターである女性に会いに行きました。すると彼女は、わかりましたと言って航空券を手配してくれたのです。
こんなふうに、いくつもの奇跡が重なって、私がここに来ることが実現したのです。

ジイジ:
地球は宇宙の奇跡です。そもそも宇宙が現象化を起こしたことも、奇跡なのです。それは神の意思です。神の意思ですから奇跡であることは当然なのですが、現代の人々は物理性に汚染されているので、本来当然であるはずの奇跡が信じられないのです。
これまで異常なまでに人工の世界が進んだ結果、地球上に様々な矛盾が発生していますが、これからは当たり前の奇跡へと還っていくでしょう。これから新しい時代が来ます。その時に、古い時代の人々の常識であったことが変わっていきます。古い時代は、宇宙的には異常だったのです。ですから、これから正常に戻っていくのです。これまでが異常だった証拠に、地球上には矛盾がたくさん発生しました。木の花の暮らしの中にある奇跡は、正常に暮らすとこのような社会が実現する、ということの証です。それは宇宙的には正常であるということです。
これから、この当たり前のことが地球上に広がっていく必要があります。これから私たちのように、真実に目覚めたたくさんの人々が地球上でネットワークを築いていく時代が始まります。あなたがここへ来たことは奇跡ではなく、宇宙的に観れば当然のことなのです。なぜなら私たちの行動を時代が支持し、地球が喜んでいるからです。
これからナイジェリアへ帰り、どうぞそのメッセンジャーとして活躍してください。あなに先生は必要ありません。ただあなたが本当に思い、あなたの内から湧き出してくることを、正直に語ればいいのです。私はその仲間です。

ウァリ:
それを実践します。ジイジが語られたことのすべてを、私は国に帰って人々に伝えます。ありがとうございます。心から感謝します。

 


これは世界のリーダー達が聞くべき話だ、と言うウァリは、現在自らが関わる国連の会議へジイジを招待することを検討しています。そんなウァリとアフリカの人々へ向けて、ジイジは最後に、以下のメッセージを贈りました。


 

ジイジから アフリカの人々へのメッセージ

コミュニティが存続するために不可欠なことは、そこに参加する人々が共通の目的のもとに集い、その目的に向かって各々の個性を発揮し、協同していくことです。
視野を広げれば、私たちは皆、地球というひとつのコミュニティに暮らしています。地球上のあらゆる生命は、個々の目的に沿って生きているようでありながら、個の目的を果たす前にまず生態系の一員としての役割を果たしており、だからこそ全体の秩序が保たれ、個が尊重されていくのです。
しかし近代の人間の営みは、生態系の秩序を保つ本来の目的から大きく外れ、民主主義の旗印のもとに個々が自らの立場を主張し、その主張を叶えることが豊かさであると思い込み、欲望を際限なく膨らませ続けた結果、世界は混乱の極みを迎えることとなりました。

今、時代は大きな変化の時を迎え、20世紀までの世界をリードしてきた西洋的物質至上文明に代わる新たな価値観への転換が求められています。近年、アフリカへも、経済的発展の波が先進国によってもたらされています。今、アフリカは地球最後の経済的フロンティアと言われています。しかしながら、そのアフリカがこれまでの先進国と同じように地球に矛盾を生むような発展を遂げるとしたら、私たち人類の行いが、地球に害のあるものとして決定されるようなものでもあります。
時代はすでに21世紀に入り、私たち人類は新たな価値観で生きなければならない時代を迎えています。その新たな価値観は、これまでの経済活動に汚染されていないアフリカにあると考えます。そういった意味では、経済的には後発であったアフリカは、21世紀にふさわしいモデルとしての人々の暮らし方を実現できる可能性を秘めているとも言えるのです。

人間は何のために生まれ、どのように生き、どのような死を迎えるべきか。借り物の文明に染まり、物質的な豊かさを追い求めることに必死になってきた私達近代人は、暫しの間、自らの魂の本質を見失っていました。しかし人間はもう一度、人として生まれてきた事の誇りを取り戻し、数多の生命の中で最も高い能力を与えられたものとして、地球生態系の指揮者としての位置に立ち返るべき時が来ているのです。

アフリカはこれから、地球最後の真のフロンティアとして発展させるべきです。だからこそ、これまでの価値観の延長線上ではない本物の豊かさを表現し、世界の見本となる誇りある国づくりをするべきです。アフリカの大地と共に生きた、古くて新しい人々の価値観を思い出し、再び新たな進化として表現するべきなのです。

私は、特定の人々の豊かさや国々のことを考えているのではありません。
ただこの星をこよなく愛し、この星が健全になることを想い、この星に生きる全ての人々の幸せを願って、この暮らしをしています。人々の幸せが私の幸せであり、地球の喜びが私の喜びであることを常に願っているのです。21世紀を生きる私達には、地球が自分自身であるという大きな意識で生きていくことが求められるのです。

その心がこの星に広がっていくことを、願ってやみません。

 

 


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